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November 29, 2018

SUPER ZENITH 8x30mm 7.5°Z型双眼鏡(東栄光学?)

Dvc00322 ZENITHという双眼鏡は、もともとはフランスだったかイギリスにその名前のつく双眼鏡があったらしいのですが、どうも戦前か戦後すぐに日本でその名前をパクった双眼鏡が現れていたようです。戦後は一貫して輸出用の双眼鏡の商標だったようですが、その商標を持っていたところが輸出商社だったのか、それともどこかの製造メーカーだったのか判然としません。後にSUPER ZENITHの商標を有する双眼鏡も出て来ましたが、これはどこかの中核光学メーカーを中心としたグループのパブリックドメイン的な商標ではないかと想像してますが、そのグループ名が東京光学機器製造組合だったか輸出双眼鏡製造組合だったか詳しいことはよく知りませんが一応は協同組合的な名称を名乗っていたのではないかと思います。
 その中でもいち早くプラスチック鏡体のSUPER ZENITHにLIGHT WEIGHTのロゴを付けて国内外に大量に売っていたのがどうも埼玉県鳩ケ谷に工場を構えていたJB4の東栄光学のようです。この東栄光学という会社は対物レンズや接眼レンズをプラスチックのセルに歯車型の樹脂環を使用して高周波溶着するという技術で特許を取っており、類似の手法を使用した同業数社に対して特許権侵害でそれぞれ500万円の損害賠償を請求して民事訴訟を起こしたいわゆる東栄光学樹脂環訴訟の原告で、この特許が切れる迄はこのプラ製Zタイプ双眼鏡をほぼ独占的に製造していたようです。しかし、この特許が切れてからは中国製の類似プラ製双眼鏡が日本にも押し寄せ、現在望遠鏡工業界のメンバーには東栄光学名前はありません。訴えられた一社の鎌倉光機はいまだに世界各国の有名メーカーのOEMで盛業中なのですから皮肉な物です。
Dvc00321 そのおそらくは東栄光学製SUPER ZENITHの20x50mmZ型を持っていますが、件の樹脂環接着のおかげて接眼レンズが分解できないもののその構成はプラレンズを使用した2群2枚のラムスデンでした。レンズの張り合わせがないだけその分コストダウン出来ますが、そこまでするかという感じです。アメリカでの評判も「Toy Binoculars」的な指摘が多かったような。
 そのSUPER ZENITHですが、プラスチック化する以前の昭和40年代後半くらいまでのものは所々コストダウンされている安物的な部分はありますがそれでも割とまじめに作られている双眼鏡です。東栄光学以外にもいろんなところで製造されていたようで、昭和44年以前のいわゆる輸出双眼鏡血統制度時代にはいろいろなメーカーコ−ドが見受けられるようです。例としてはJ-B206の藤田光機、J-B256の新星光学を確認しています。
 それで4台まとめて落札した双眼鏡の中で3台のケンコーはそれぞれ1円だったのですが、こいつだけ10円で入札した主がいて結局は11円落札でした。それでも4台まとめて14円ですから文句はいえません。SUPER ZENITHとしては至極まともな双眼鏡で、プリズムも全面モノコートされていました。さほど内部も黴びたり曇ったりということもなく、オーバーホールは楽でしたが、プリズムポケットがぴたり決まるというわけではなく、やや調整に手間取った個体です。プリズムの固定は透明グルーでしたからおそらくは昭和40年代後半の製品として間違いないでしょう。そしていろいろ分解して行き気がついた事は、本来JBナンバーが打たれているところにOmcのようなマークが入っている事。また右側視度調整リングにディオブターの目盛や数字が無く+-で済ませている、という共通点のある双眼鏡は一つ思い当たりました。それはHUNTERの双眼鏡GOLDというやつで、このHUNTER GOLD 50mmというやつは接眼レンズが樹脂レンズで構成がラムスデンというのは後のSUPER ZENITHのプラ双眼鏡に共通します。またプラのSUPER ZENITHの視度調整環にも+-の表示しかないなどこの8X30mmのSUPER ZENITHを通じてHUNTERからプラスチックSUPER ZENITHまですべてつながっていくような気がします。確たる証拠はありませんが、もしかしたらこれはらすべて東栄光学の製品でしょうか?またプラ製SUPER ZENITHの12x50mmのケースにLENS CLUB HUNTERと印刷されたセミハードケースが付属していたのを見た事があります。本来ならば黒の無印もしくはSUPER ZENITHと印刷されたケースでなければいけないところ、員数合わせでHUNTERのケースを付けてしまうことが出来るのは両者が同じ会社で作られたことを暗に物語っているのではないでしょうか。
 このSUPER ZENITHの8x30mm 7.5°は双眼鏡としてはけっこうまともなほうで、コントラストは不満があるものの解像力は悪くありません。ただやや線が太めに見える事と周辺部の収差がやや気になるくらいです。内部の反射防止処置を丁寧に施せばそこそこ使える双眼鏡になりそうで、その面ではカスタムベースに最適などという評価。なにせ世の中に沢山ありますから(笑)


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