半纏・神威鶴(白方酒造:小樽市)
清酒神威鶴は小樽の奥沢にあった白方酒造が醸造していた日本酒の商標です。白方酒造は積丹半島の突端の余別というところで醸造を開始したのがそもそもの始まりで、大正5年に小樽の奥沢に移転しましたが、今でも余別には白方家本家筋の酒屋があるという話を聞いています。神威鶴の名前は積丹の神威岬から名付けられたそうで、余別という当時は余市から美国を経由してくる汽船でしか交通手段が無かった場所。こんな辺鄙なところで地産地消出来たわけですから、当時のニシン景気とそれに携わる出稼ぎのやん衆の数はいかほどのものがあったのでしょうか。
日本酒需要の衰退により白方酒造は昭和58年に廃業しますが、健在でも小樽の奥沢に蔵の建物がそのまま残り、往事の様子を垣間見せてくれているそうです。神威鶴は現在、小樽の田中酒造が製造して小樽近辺と積丹方面で売られているそうです。
神威鶴の半纏はめくら縞で常に良い酒神威鶴の染め抜きの半纏襟。裏文字はありません。おそらくはこれも問屋経由で飲食店に配られたものなのでしょう。
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