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August 22, 2019

半纏・磐城炭鉱(福島県いわき市)

Photo_20190822161901 Photo_20190822161902  磐城炭鉱は明治17年に実業家の渋沢栄一、浅野総一郎により磐城炭鉱社として創業されましたが、それというのも西南戦争によって筑豊炭が途絶えた苦い経験から東京により近い常磐炭田の開発が急がれたためということらしいです。その渋沢栄一と浅野総一郎らは安定的に常磐炭を東京に輸送するため、日本鉄道磐城線(現常磐線)の建設のも着手することになります。その常磐炭ですが九州や北海道の石炭にくらべて灰分が多くカロリーが低い褐炭がメインで、6000cal~7000calの九州北海道炭に比べると5000calそこそこの低品位炭です。そのため、コークスなどの製鉄用原料炭にはならず、もっぱら火力発電等の燃料炭として使用されて来たようです。その磐城炭鉱は戦時中の昭和19年に川崎財閥が主体だった入山採炭と合併して常磐炭鉱となり戦後の高度経済成長を支えて来ますが、坑内から発生する温泉水の高温には常に悩まされて来たようで、「石炭1トン掘るごとに温泉水が4トン湧き出る」などと言われる程だったようです。その常磐炭鉱も昭和60年の中郷炭鉱の閉山をもってその歴史に終止符を打ちました。
 その常磐炭鉱合併前の戦前磐城炭鉱の割と厚地の炭鉱半纏です。おそらくは実際に坑外作業用として使用されていたものではないでしょうか。背印は磐城炭鉱のマークで赤、腰には波型のグレーが入る割と凝った染色の半纏で生地は厚地木綿の紺染めです。

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