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June 25, 2020

アマチュア局の終活・タワー撤去工事

  Dvc00484 Dvc00483  アマチュア無線の人口構成も年々高齢化が進み、就活ではなく終活に突入するOMさんも多くなり、局免の期限が来たら廃局するなどという話をよく聞きます。その時に一番の問題になるのがタワーの撤去。昔だったら「バラしてくれるんだったらただであげるよ」なんて声をかけると喜んで仲間を呼んで撤去して持って行ってくれたものですが、最近は分解済みのタワーでさえくれるといっても貰い手がない時代になりました。終活中にきれいにタワーまで始末してくれればいいものですが、問題はタワーを残して本人が亡くなってしまったケース。生前にタワーの始末をどうやってつけるか、誰に頼めばいいかの指示を家族に告げておけばまだいいのですが、それもないまま無線にまったく興味もない家族が困り果てるというケースも多いのです。
 そこで最近はアマチュア無線のタワー撤去を本業にして全国各地を回っているご夫婦もいますし、送電線などの鉄塔の建塔・解体を本業とする業者がアマチュア無線タワー撤去の業務を行うチームを持っているところもあり、全国的にもアマチュア無線タワーの撤去問題は無線人口の高齢化とともに深刻さを増してきているようです。なお、建物解体を本業とする業者や電気工事業を専門とする業者に頼んでもアマチュア無線のタワーはクレーンなどが入り込めない場所などに立っているケースが多く、腐食の度合による危険度もわからないので撤去工事は断られるケースが多いそうです。
 今回は生前からすべての無線関係の始末を頼まれていたJA8EHPのタワーの撤去で、廃局は当方が書類を作成し遺族に提出してもらい廃局は済んだものの、本来は「遅滞なく空中線撤去」しなければいけないものの、新型コロナウィルスによる社会活動自粛の影響でチーム作業することが出来ず、タワーの撤去が6/14にずれ込んだもの。
 撤去はJA8YKS解体チーム3人と当方の4人。この中でもう半数が70歳越えですから当然タワーに登るのはUGI局と当方の2名。まずUGI局がGPとダイポールアンテナ外しに上に上がり、U字ボルトからダイポールのマウントが外れないトラブルなどもあり、最初のアンテナ外しに1時間くらいかかりました。 そののち2名でタワーに上がり、アンテナマストとローテーターを外して滑車とロープで下に下ろし、そののちは1セクション40分ほど掛けてボルト撤去ののち滑車で下ろすを繰り返し、昼休みを挟んで4時過ぎまでに土台部分のセクションをサンダーで切り落として撤去完了。 当日は6月の当地にしては珍しく最高気温が25度超えの夏日で夏の日差しが照り付け、おまけに昼前から少々風が強くなりあまつさえ3時過ぎにはにわか雨まで降るという天候。暑さでボーとして安全帯の胴綱の掛け方を間違えないように注意。安全帯は縦の補助吊り併用で胴綱を掛け換えるときに無吊りにならないように柱上安全帯にあらかじめ追加しておきました。誰だってタワーから落ちて死にたくはないものです。
 それでアマチュアのタワーからの落下事故というのはたまに起きることで、タワーに登る限りは柱上安全帯は必須です。最近は普及率は高いと思います。それでも縦の補助吊り併用というのは必ずしておきたいことで、上まで登ってから無吊りの状態で胴綱をタワーに回すというケースがいまだに多いのではないでしょうか?
 このJA8EHP局タワー撤去工事の5日後、札幌北区で自局のタワー撤去中だったのかタワーの下でさるOMさんが柱上安全帯締めたまま意識不明で発見され、病院に搬送されたというNHKのローカルニュースがありました。タワーから落下したのか落下物に当たったのか不明とのことですが、おそらくは補助吊りはしていなかったのでしょう。
年齢も79歳ということでしたが、やはり無線の終活中の事故だったのでしょうが終活中にタワーの最上段のワンセクションだけ下ろして本人も落ちたのだったらしゃれにもなりません。死にたくなかったらどこかのタワー撤去チームに撤去依頼したほうが賢明だったでしょう。


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