RICOH No.1051 10インチ高校生徒用
青蓋ポリエチレンケース入りのRICOH No.1051の無印ですが、この無印のNo.1051は高校生用1051系統の中でも数量的にはかなり少数派の計算尺です。
1051系のバリアント収集・分析に関しては京都のItoh氏にかないませんが、今回取り上げたNo.1051無印は実に興味深いことに各パーツの年代が著しく異なるのです。というのも青蓋ポリエチレンケースは昭和44年あたりからそれ以前の透明プラケースから変更になり、さらに小型の新型カーソルは昭和46後半以降、さらにグリーンCIFも昭和45年辺りから出現し始めるというようなもので、こと1051系に限っては小型カーソル付き以降のものは原則グリーンCIFでなくてはいけません。
ところがこのNo.1051無印は青蓋ポリエチレンケース入で小型カーソル付きなのにCIFはグリーンではなく旧タイプの赤字黒目盛が刻まれています。本来だったらありえない組み合わせなのですが、そんなことも気が付かずに実に6年以上も箱の中で塩漬けになっていました(笑)
今回その矛盾に気がついてデートコードを改めて確認するとO.S-2であり、昭和41年の2月佐賀工場製。おそらくはπ切断ずらしの目盛を刻まれたばかりに工業高校需要の主流になれず、なかなか発注が来なくて日の目を見ることもなく、やっとアッセンブルされたときにはすでに大阪万博も終わっていたということなのでしょうか?そうなると少なくとも5年近くも目盛を刻まれたままいつか完成品になる日を夢見て半完成状態で眠っていたということになります。
それでV切断ずらしのNo.1051は1051Vで世の中に出回っている数のほうが多いような気がしますが、当方の知る限りではNo.1051Vは初期型フレームレスカーソル付きで丹頂ベージュ色の貼り箱の初期型しか存在しないような気がしますが、どうなんでしょう? そのNo.1051Vが昭和41年頃に1051無印に化けてしまったような気がするのですが、なぜV記号が消滅して無印になったのかがわかりません。刻印その他No.1051VとNo.1051無印は差が無いような気がするのですが、じっくり比べたことがないためよくはわかりません…
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