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October 26, 2020

HEMMI No.642T 10"システムリッツ技術用

Hemmi642t_20201121143001  最近立て続けに出品が在ったため、思わず入札しそうになってしまいましたが、実は3年前にいただいていたことをすっかり忘れてしまったHEMMIのNo.642Tです。このNo.642Tは640Sシリーズの新しいタイプの計算尺の一つですが、その構造は山梨の技研計算尺を祖とする構造が踏襲されており、おそらくは山梨県内でOEM生産されたものではないかと思います。しかし固定尺と滑尺の芯に竹を使用していて、張ってあるものは技研系の塩化ビニール系プラスチックのように見えるのですが一応はセルロイドでしょうか?。内容的にはシステムリッツの計算尺ですので、No.64Tの進化系という形になるのでしょう。リッツ系とダルムスタッド系の計算尺は戦前が全盛期ですから、ここに及んで新しいリッツの計算尺がどれくらいの需要が在ったのかはわかりませんが、新たに滑尺にBI尺が加わったことでAB尺を使用して計算する際の利便性が増したようです。まあ世界中の計算尺の中でリッツタイプの最後を飾った新製品というとこは間違いないところでしょう。しかし1970年代に入ってからまったく新しいリッツの計算尺をリリースする意味があったのかということが非常に不思議な気がします。リッツの計算尺が世界の学術系・技術系で大量に使用されたのは1920年代から1940年代くらいで、そのリッツの計算尺で計算・設計されたものの恩恵は計り知れないものがあるのですが、どうも√10切断の片面尺No.2664の出現と専用両面計算尺が台頭してからのリッツ片面尺の需要は往年の勢いを失い、日本でも戦後のNo.64よりも戦前のNo.64のほうが圧倒的に数が多い傾向があります。それでも戦後になってもこのリッツ尺を偏愛する技術者や教育者の方はいたらしく、うちの第1号No.64でわざわざダルムスタッドNo.130のカーソルがついたものは、某PCコンクリートの鋼線設計技師のTさん。そしてもう一本は旧北海道自動車短期大学の計算尺教育で有名な先生の教え子が学校用に買わされたものです。その戦後のNo.64から64Tそして642Tとなるわけですが、果たして64Tと642Tはモデルチェンジに見合う数が売れたのでしょうか?そういえば、No.64TにしてもこのNo.642Tにしても使用されたものではなく、デッドストックで発見されるケースのほうが多いような感じがします。  

表面からK,A,[B,BI,CI,C,]D,DI,L,の9尺、滑尺裏がT2,T1,ST,S,の4尺の合計13尺です。カーソルは他のリッツ尺同様に副カーソル線付き。ケースは角青蓋のポリエチレンケースです。
 このNo.640S系の計算尺のセルロイドは接着がペロンと剥がれやすく、これも固定尺右上が浮き上がっています。薄い両面テープか何かで接着し直さなくてはいけない個体が意外に多いようです。また裏側のネジ隠しの蓋がすべて欠落していました。説明書は一般機械技術用No.642Tと書かれた冊子型の単独説明書で、デートコードは7311Yと昭和48年11月の印刷。本体のデートコードはあるべきところに見当たりませんでした。

Hemmi642t
Hemmi642t_20201026131101

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