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October 13, 2020

特殊計算尺研究所蔓巻ばね計算尺&総合ばね計算尺

 桐生の特殊計算尺研究所の蔓巻ばね専用計算尺と総合ばね計算尺の2種セットで入手したもので、おそらく数年前にヤクオフで入手したものだと思いますが、入手先は忘れてしまいました。もうかなり以前に機械設計を本業とするJA1コールのOMさんから総合ばね計算尺を入手しましたが、この計算尺の細工と質は最高で、まさに近代計算尺の最高峰とでもいうべきものでしたが、個人企業のこの会社がすべてを製造できるわけはなく、おそらくはどこかの計算尺メーカーに外注したものだとは思うのですが、そのセルロイドの質感、メッキの光沢などを見るとどうも昭和30年代のリレー計算尺が怪しいような気がしました。佐賀は遠いから川越に通って仕様を煮詰めて完成させたものなのでしょうか。
 それに引き換え、今回のものは内容的にはまったく同じものの、本体が樹脂、いわゆる塩化ビニール(PVC)で製造は山梨技研系のプラスチック計算尺メーカーに変わった感じです。竹製のほうは道具としても素晴らしい名品の風格がありましたが、それがプラスチックに変わり、いささか道具としては愛情を注げないものになりました。もちろん計算するための道具ですからその本質はまったく変わらないのですが、どうしてもそういう見方をしてしまうのです。
 前回総合ばね計算尺を下さったJA1コールのOMさんが昭和45年ころに桐生のその研究所に電話を掛けたところ、奥さんが出てきてもうばね計算尺のビジネスには関わっていなくて別な研究をしていると言われたとのことでした。桐生というと昔は機業が盛んで織物機械の音が街中に絶えなかった場所ゆえに機械的な技術を持つ人が当然多かったのでしょうが、一時期パチンコ台の製造が集中していたことがあり、それ関連の考案でもしていたのでしょうか?
JA1コールのOMさん曰く「日常ばねばかり設計しているばね屋ならいざしらず、たまにばねの設計しなければいけないという程度の機械設計屋にとってはかえって煩わしく、机の中から取り出す機会はあまりなかった」とのことですが、大抵のばね計算尺というものは徹底的に使い込まれたものいうのは少なく、きれいなものが多い傾向があります。この2本も殆ど使い込まれてはいなかったものでした。
 蔓巻ばね計算尺はいわゆるコイルスプリンクの押し引きの力を主に計算するもの。総合ばね計算尺はその他のねじりばね、板ばね等のトルクやたわみ荷重などを計算するもので、当然のことばねの材質により数値が異なるため、材料ごとの補正目盛りがあります。説明書が入手できなかったJA1コールのOMさんが独自に探求した計算法のメモ書きをいただいたのですが、それを使用して実際の計算を行ったことは一度もありません(汗)
 今回の2本の計算尺は内袋も説明書もついた完品だったのですが、なぜか双方ともに蔓巻ばね専用計算尺の説明書がついていました。定価4300円に横線を入れて4800円になっていますが、説明書自体は竹製の時代のものと変わりません。年代的には昭和45年以前のおそらくは43年位の製品でしょうか。
 面白いことにこのプラ製ばね計算尺はカーソルのネジはマイナスネジなのですが、これ以前の竹にセルロイドのものにもカーソルネジ等はプラスネジのものがあります。

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