« RICOH No.2501 10インチ両面技術用 | Main | RICOH No.1051 10インチ高校生徒用 »

October 03, 2020

HEMMI No.91 10インチ片面スタジア測量用計算尺

 戦前逸見計算尺で最初のスタジア測量用計算尺のNo.90シリーズの位取りカーソル付きのNo.91の初期型です。これ、いつどこの地域から入手したかはまったく忘れてしまいましたが、裏のアルミ板が少々腐食しかかっているもののセル剥がれどめのスタッドピン付き副カーソル線付きA型カーソル付きでNo.90としては一番見栄えのするタイプのスタジア尺です。
 スタジア尺は超レアな技研No.9590からややレアなRICOHのNo.104は2本も所持しているのですが、これまでHEMMIのスタジア尺は2690を含めてまったくなかったジャンルの計算尺です。もっとも今は目視で標尺を覗くなどという時代はとっくに過ぎてレーザーを使用したトータルステーションを使用するようになってからも久しく、もはや助手と二人で行っていた作業も一人でこなすような時代になりました。うちにトランシット用の下げフリが未使用箱入りでなぜかたくさんあるのですが今や始末にも困ってしまい、いっそのこと猫のおもちゃにでも改造しようかと。確かほかにも過渡期に出現した超音波測距儀なんていうのもどこかにあるはず(笑)
 Dvc00664 このNo.91は表面がL, D [M1, M2, C] D, A で滑尺裏がS,S&T,T さらに下固定尺側面にK,AI尺が刻まれています。どういう計算でAのインバース尺が必要になってくるのかは今ひとつわかりませんが、この側面尺を読み取るのにフレームカーソルバーにカーソルを刻んだプラスチック片が埋め込まれていて、このカーソルで側面尺を読み取るようになっています。このシステムがなかなか秀逸で90系の特徴になっていますが、このスタジアのみの特別なカーソルを製造するのが大変だったのか戦後のNo.2690には継承されなかったのが残念です。
 90系スタジア尺の中でも個人的にはこのスタッドピン付きの初期型のNo.91がまとまりがあるというか一番見栄えがいいような気がします。おそらくこのスタッドピン付きのNo.91は昭和7年から2年間くらいの製造で、他のNo.64のスタッドピン付き等と同様にセルロイドの貼り方を改良したのかピンなしになってしまい、いささか見かけが寂しくなってしまいました。太平洋戦争が激しくなると生産ラインナップも物資枯渇で整理され、昭和18年頃の価格表にはNo.90と20インチのNo.96の2種類だけになってしまいます。そして戦後となっても90系統は復活せずヘンミのスタジア尺は新しいNo.2690が発売されるまで5年以上の間欠番になっていました。空襲で焼け野原になった日本の国土を新たに測量し、建物を建設するのにスタジア尺は不可欠だと思うのですが、なぜ欠品が続いたのかということに関しては一つの謎ですが、個人的にはヘンミの工場があった和光周辺には成増飛行場を始めとする軍の施設が多く、空襲の恐れがあったため、おそらくは生産設備の一部や彫刻原版などを山梨近辺に疎開させる準備をしていたのではないかと。その過程で90系の彫刻原版が輸送途中かなにかで戦災に遭ったか紛失したかして戦後すぐに再生産できず、新たにNo.2690を生産するまで時間が掛かったのではないか、なんて想像しています。 また戦時中に山梨に疎開させた生産機械で8インチ学生尺のNo.2640の製造をすでに始めていて、それが戦後すぐに山梨で独自に8インチの学生尺の製造販売のきっかけになっていたという話も想像してみると面白いのですが(笑)

Hemmi91
Hemmi91_20201003060201

| |

« RICOH No.2501 10インチ両面技術用 | Main | RICOH No.1051 10インチ高校生徒用 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« RICOH No.2501 10インチ両面技術用 | Main | RICOH No.1051 10インチ高校生徒用 »