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November 05, 2020

HEMMI No.136 6"ダルムスタット機械技術携帯用

 HEMMIのダルムスタットタイプの10"計算尺であるNo.130の6"版No.136です。需要と供給の関係からかHEMMIの6"計算尺というのはかなり希少な存在で、No.66にしてもNo.86Kにしても市場に出回った数は少なく、オークションでもなかなか見かけない存在ですが、このNo.136はさらに輪をかけて見つからない6"計算尺です。十数年前、奇跡的に未使用で10本くらい立て続けに出品されたのが本当に最後だったかもしれません。というのもダルムスタットタイプの計算尺自体、リッツ同様に1910年代から1940年代くらいまでに欧州で技術用として普及した片面計算尺で、その後両面尺のLogLog尺が普及してくると、それをわざわざ使う理由がないため、急速に廃れていたタイプの計算尺だからです。ましてHEMMIでは昭和15年頃にダルムスタットタイプのNo.130の発売を予告していたものの、太平洋戦争勃発で発売を見送り、戦後になってから発売されたもので、すでに商機を失っていたような存在でした。そのかわりといいますか、戦時中に多用されたのは電気用No.80で、べき乗尺があることからNo.64のリッツや電力用両面尺のNo.153とともに軍事開発用として多用されたためか、戦前尺がよく出てきます。
 そのNo.130は戦後発売の計算尺にも関わらず戦前に出来上がった目盛の型を使用していたためか、戦後新たに発売になった片面計算尺中、たぶん唯一目盛が馬の歯型目盛というまるで1920年代までの計算尺のようなデザインの計算尺ですが、このNo.136は戦後に新たに型を起こしたようで、物差し型目盛で発売されています。No.130同様に下固定尺側面にS尺T尺を配置し、カーソルはこのためのインジケータとカーソルグラスには副カーソル線が付く専用品です。このカーソルは予備品が手に入る可能性が奇跡に近いレベルなので、もしカーソルなしの本体が手に入ったとしても、新しいカーソルと合体するのは「永遠のゼロ」かもしれません。
 尺配置はNo.130同様でL,K,A,[B,CI,C,]D,Cos,で側面にSin,Tg,、滑尺裏面がLL1,LL2,LL3,の全13尺。尺種の記号が刻まれないのはこちらも戦前尺の割り切りを踏襲しているのでしょう。延長尺の基点がNo.86Kのように差があるものが存在したかどうかは情報はありませんが、おそらくは発売当初から変化が無かったのではないかと思います。この個体のデードコードは「TB」ですから昭和44年の2月。あまり要求がない6インチのボディをこの期に及んで仕込むというのも不思議な感じですが、何か特注の専用計算尺などに使用するため、6インチベースボディはちゃんと用意しておく必要があったのでしょうか?説明書はNo.130と兼用のデートコード67-06Yの短冊形と古いものの使い回しのようです。No.130は昭和40年代前半にNo.130Wにマイナーチェンジし、側面のSin,Tgを表面にもってきて側面尺を廃止し、たた幅広の計算尺になりましたが、さすがに6"のNo.136はそこまでの需要もなく、在庫が尽きるまでそのまま売られたようです。
 このNo.136は昭和40年代末期にヘンミ主催の計算尺競技会の地区大会入賞の商品だったそうで。HEMMIにしてみればあまり需要のない在庫のものを厄介払いしたような感じだったのではと思っています。そのため未開封の新品で、外箱のラベルにはNo.136機械技術携帯用\2500のラベルがありました。

Hemmi136
Hemmi136_20201105122101
Dvc00785

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