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April 12, 2021

RICOH No.550S 5インチ両面型一般技術用

Ricoh550s_20210412103901  Relay/RICOHのポケット型両面計算尺の製造はHEMMIよりもかなり時代が遡った昭和20年代後半のリレー産業時代ダブルスターリレーNo.550までさかのぼります。当時の日本では片面尺の5インチ両面計算尺というものがなく、当時のことゆえに10インチの両面計算尺さえ個人ではなかなか手を出すことができないほど高価で、さらにサブユースの5インチ両面計算尺まで携帯用に購入するという需要がまだまだなかったのでしょう。この☆Relay☆のNo.550もアメリカのバイヤーからのアイデアで製造が始まったものだと理解してます。
 そのNo.550ですが、のちの5インチ両面尺のスタンダードとなった等長型の、いわゆるFaber-Castelスタイルではなく、10インチの両面尺をそのままのスタイルで縮小したK&Eスタイルのものです。K&Eスタイルの計算尺は5インチ化してもけっこう大ぶりになるのは否めなく、のちのNo.551ではちゃんと固定尺滑尺が等長化したFaber-Castelスタイルになりましたし、他のプラ製ポケット型両面計算尺もほとんど等長型が主流でしたから、国内では珍しい存在のポケット型両面計算尺になります。
 No.551の前身のNo.550はダブルスターリレー時代の昭和20年代末期にすでに輸出が始まっていますが、意外にOEMで相手先のブランドになっているものが少ないようで、当方の知る限りではENGINEER'SのNo.5500あたりくらいしか見つけられません。そのうちHEMMIからフルログログデュープレックスのNo.149が昭和34年ごろに出てきたことから陳腐化し、No.550Sにモデルチェンジするとともにフルログログ化したNo.551につながるわけですが、このRelayNo.551はNo.550と異なりかなりの相手先名ブランドが多いことで知られています。
 というのも5インチ両面尺としてはNo.550が17.6cmあるのに対しHEMMIのNo.149は固定尺滑尺同長のNo.17cmに納まっています。この0.6cmというのがポケット尺においては意外に取り回しに影響し、必然的にケースも大きくなってしまうことと、アメリカあたりでは10インチの両面尺を革のケースに入れてベルトからぶら下げるなんて使い方も厭われなかったためか、中途半端なポケット型両面計算尺などあまり相手にされなかったというのがOEM製品が少なかった原因でしょうか。
 そのNo.550SはNo.550にCIF尺とDI尺が加えられたものでSはHEMMIでいうところのSPECIALのような意味合いでしょうか。尺度は表面がDF,[CF,CIF,CI,C,]D,L,で裏面がK,A,[B,S,T,C,]D,DI,と普通に使うのに必要なものはすべて含まれているのですが、No.149AやNo.551と比べてしまうとちょっと見劣りがしてしまいます(笑)
 またこのNo.550Sのカーソルランナーはネジが結合するスリーブとの肉厚が非常に薄く、この個体はヒビが入っていてそれが原因でカーソルを押し出し、ネジが一本抜けて欠品でした。デートコードは「SS-8」なので昭和45年8月佐賀製。Relay/RICOHの5インチ両面計算尺はNo.551が主流になったあとも、どういう需要があったのかよくもまあここまで長く作り続けられたものですが。

Ricoh550s_20210412101401
Ricoh550s_20210412101402

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