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August 02, 2021

HEMMI No.130 10”片面技術用(ダルムスタット)最初期型

Hemmi130_20210802143901

 6月に十数年ぶりに入手したNo.130でしたが、類は友を呼ぶという例えはたぶん意味が違うと思いますが、二度あることは三度あるの例えどおりに1ヶ月も経たないうちに3本目のNo.130を入手してしまいました。ところが今回入手したNo.130はいままでの2本と見かけが異なる不思議なNo.130です。何が異なるかというと、逆尺が赤くなっており、右の延長尺部分がA尺B尺が通常は0.8に対して0.7、CI尺が11.2に対して12、C尺D尺が0.9に対して0.84まで延長されています。というのも下固定尺側面の三角関数尺が5°からのスタートと延長されており、それに対応するために各尺の延長部分も拡張されているのです。この延長尺の起点違いというのはリッツのNo.64や電気尺のNo.80Kにもあり、変更年は不詳ながら昭和28年頃に右延長部分がA,B尺は0.785が0.8に、C,D尺が0.89から0.9に変更になっていますが、おそらくはこのNo.130もこのあたりでNo.64やNo.80Kに習って延長尺部分の起点と三角関数尺の起点を改めたのでしょう。ということは新たに目盛りの原盤を起こしたことになるのですが、戦前に発売を予告しながら不要不急の新製品としてお蔵入りしたNo.130が戦後やや落ち着きを取り戻した昭和25年頃に戦前用意した目盛り原盤を使用して新たに発売したものの、たった3年余りで新たな目盛り原盤を制作してリニューアル発売したということになります。

Hemmi130sintg_20210802143901  しかし、3年余りでまだ損耗もしていない目盛り金型を廃棄して新たに金型を作ったことと、そのときにNo.64やNo.80Kのように物差し型目盛にせず、なぜ馬の歯型目盛を踏襲したのかなど、まだまだ謎が多い存在のNo.130ですが、逆尺の赤入れをやめて延長尺部分を赤目盛、逆尺は数字だけ赤というのはNo.64やNo.80K同様の統一ルールにしたからだと思われます。

 それだけ延長尺部分が長く、逆尺の目盛が赤いNo.130は製造期間も短い激レアNo.130で、いままでにその存在に気がついていなかったということはよほど数も少ないということなのでしょう。あと細かいことですが新旧で逆尺の数字刻印が目盛に対して正反対に刻まれ、旧にだけ逆尺にπゲージが存在する。新No.130にはC尺上にC1ゲージマークが追加されるなどの違いがあります。刻印は同時代の片面計算尺同様に裏面右端に形式名のNo.130が刻まれ、真ん中にDARMSTADT SUN HEMMI JAPAN のあとにデートコードの「BK」が入れられており、昭和26年の11月製です。後のNo.130のようにSYSTEM DARMSTADT刻印ではなく単なるDARMSTADTです。今回改めて15年分のNo.130オークション出品歴を調べてみると、同様に延長尺の長い「BD」コードのものが一本、さらに黒ケース銀ロゴのmade in Occupied Japanものも一本ありましたので、さらに生産初年は遡りそうな感じでした。延長尺が短くなったのはやはり昭和28年頃で、形式名が右側にオフセットされていたものがNo.2664S同様に真ん中に移動し、デートコードが刻印になって左に小さく打刻されるようになったのは「ID」コード以後のようです。

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