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October 07, 2021

HEMMI No.130 (BK) 10"片面技術用(ダルムスタット)初期型再び入手

 ここ数ヶ月の間は何かHEMMIのNo.130に縁が続き、2度あることは3度あるということで、今年3本目のNo.130ダルムスタットを捕獲しました。それも前回と同じ最初期型の延長尺が長く、逆尺が赤いという戦後発売されてからほんの2年少々しか製造されなかった希少種です。画像が表面の半分しかなかったので、延長尺が長いというだけで落札してしまったNo.130です。前回入手したNo.130がデートコード「BK」でしたからそれより古いものを期待していたのに届いてみればまったく同一のデートコード「BK」で昭和26年11月製の御年まもなく70歳のロートル(ってほぼ死語ですが)。おまけにその70年の間をわずかに使用されただけでずっとタンスに仕舞い込まれていたようで、ケースも本体も非常にきれいなもの、裏板の一部が戦前尺のように高温多湿が原因で腐食しかけていて、端のほうの溝を押し上げ、やや変形しているほど。それでもごく初期型の希少種ですし、送料込みでかなり安かったので文句は言いません。本音からすると製造月が一月くらいずれていてくれればという思いもありますが…。ケースがきれいなだけに定価のラベルが残っていて\1,450の値段が付いています。入手先は東京都の小平市でした。

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October 06, 2021

コンサイス No.27N 円形計算尺(東陽通商ノベルティー)

 久しぶりに捕獲した企業ノベルティーもののコンサイスNo.27Nです。昭和40年代中期に入りHEMMIの計算尺も、たとえプラ尺とはいえコストがジワジワと上がり、展示会や見本市で配るには負担が大きくなってきたときに、一気にこの需要のシェアを奪ったのがコンサイスのA型単位換算器やこのNo.27Nでした。計算尺を企業の宣伝に配るような見本市や展示会と言うと科学や工業分野で使用される測定器や実験器具、機械工具などの製品を扱うものが多かったようで、そこに集まるのも研究者や技術者と相場が決まっています。そのため、今の世に残るこれらのコンサイス円形計算尺のノベルティーものの殆どは測定器や実験器具、機械工具などのメーカーや商社のものです。また、実験器具や測定器のメーカーは一般消費者向けの商品ではないものの企業や教育機関などの一定の需要があり、さらに技術の進歩に従って買い換え需要もあるため、その社名は一般の人には馴染みがないものの、いままでずっと商売を続けている会社が多いのも特筆されます。家電メーカーだとそういうわけにはいきません。
 今回入手したNo.27Nは東陽通商という会社で、類似の東陽や東洋がつく会社は古今東西掃いて捨てるほどありますが、この東陽通商という会社は昭和28年に機械工具輸入を目的に設立され、後に測定器などの総合商社として現在は東証一部上場の東陽テクニカです。その東陽テクニカが東陽通商時代のおそらくは昭和40年代後半くらいのアナログ測定器時代に参加した展示会見本市で配られたものなのでしょう。こういう展示会は貴名受けという名刺のポストなんか置いてあって、名刺と引き換えにこういうノベルティーがもらえて、企業側はどんな会社のどんな担当者が来場していたかを把握し、営業の対象を定めるという仕組みでしたが、うちの会社あたりでも当然決裁権のある管理職の顔は事前に把握していて、ヒラの参加者はボールペンあたりでごまかしても役付きの大物用には特別な来場記念品を用意するという差別ではなく区別は当然行ってました(笑) 今のデジタル時代の展示会見本市の来場記念品はどういう形態に変わっているのでしょうか?一時期は企業の名入りUSBメモリーなどが多かったようですが…。
 展示会見本市の性格上、海外からのバイヤーなど集まるせいか、このNo.27Nは裏面の換算表が国内ものは日本語表記なのに対して英語表記で、さらにメトリックではなくポンドヤードインチ表記がメインになっているところが特徴です。入手先は神奈川の横須賀からでした。

Concise27n

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October 04, 2021

☆Relay☆ No.DB-808 8"両面型事務用?

 珍しいダブルスターリレー時代の何と8インチの両面計算尺☆Relay☆No.DB-808です。すでに手元にある計算尺は400本近くに及ぶと思いますが、8インチの両面計算尺というのはもちろん類似のものを含めて一本も所持していません。現物は見たことありませんが、確かリレーの時代には6インチの両面型計算尺No.650があったはずです。これらのちょっと存在意義が問われそうなオフサイズの両面計算尺は昭和30年代末のRICOH計算尺の時代には継承されなかったようですが、それは当然でしょう。外国の例からするとK&EのNo.4088-2などの例があるのですが、やはり10インチの両面計算尺に比べると少数派だったようで、遅くとも世界恐慌の時代に淘汰されて後には残らなかったようです。ちなみにK&Eの4088シリーズは4088-1が5"両面、4088-2が8"両面、4088-3が10"の両面で尺度は同じ。もちろん一番先にフェードアウトしてしまったのは8"の4088-2でした。
 昭和20年代のダブルスターリレー時代の計算尺は自社デザインと言うよりもアメリカのバイヤーからの要求でデザインされたような計算尺が大半です。どうもこのDB-808はOEM先ブランドでリリースはされていないようで、そのまま☆Relay☆No.DB-808として輸出主体で生産されたものなのでしょうか。DB-808の意味は輸出品番でDBはDuplex Businessで両面型事務用を意味し、800番台は8インチの計算尺を意味します。
 商品が届くまで裏側の尺度がまったくわからず、用途が特定出来なかったのですが、裏側は一年365日および730日までを2本に分割した日数計算尺となっており、表面には利率のような尺度が2分割されており、一般計算は√10切断の尺度を持つというものでした。さらに利率部分は割・分・厘。毛などの漢字が使用されているために、型番は輸出用品番なのにもかかわらず、このDB-808は国内専用計算尺ということになるようです。しかし、昭和の20年代に技術や研究以外にこのような事務用途の使用に特化した計算尺をわざわざ購入するという需要はまったくなかったようで、この計算尺も実用にはまったく供されなかったらしく、日焼けして色焼けしやすい紺色ケースもまったく退色しておらず、中身の計算尺も当時のダブルスターリレー時代の計算尺どおりにクリーム色がかった艶のあるセルロイドがそのまま残っていました。尺度としては表面がF1,DF,[CF,CI,C,]D,F2。裏面がN1,[d,]N2なのですが、裏面のN1は365日、N2は365日から730日までの2分割日数尺で、dはDと誤認されないようわざわざ小文字にしたdayを表し、31日を繰り返しているようですが、逆尺を含めて詳しい見方がわかりません。カーソルバネがこの時代はりん青銅ではなく当時の安全剃刀同様に鋼で、すっかり弾力を失っており、曲げようとしてあっさりと折れてしまいました。しばらくカーソルバネの再生を行っておらず、どこに材料が迷い込んだか出て来ないのですが、作り直さないといけません。幅がたったの2.8cmでおそらく両面尺としてはもっともナローな部類の計算尺で、5"のNo.550Sよりも幅が狭いのに厚みがあるというもの。サイズ感としては世の中に溢れかえっている8インチの片面学生用計算尺とほとんど変わりません。デートコードは「CS-3」ですから昭和29年3月の佐賀製です。ケースに型番ラベルが残っていて、そこに価格が印刷されており、1,150円という価格は学生尺が150円から300円くらいの時代にけっこう高価な計算尺です。ただ、汎用性がないばかりにほとんど使用された痕跡もなく、60数年経過して世の中に出てきたわけですが、これを最初に購入した人はよほど生活に余裕があった人は別にして後悔したことでしょう。まあ、普通は計算尺に詳しい友人知人に相談してその用途にふさわしい計算尺を一大決心の思いで購入したのでしょうから、このようなものを選ぶバクチに近い極端な選択はしなかったと思いますけど(笑) 入手先は東京都内からでした。

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October 03, 2021

HEMMI No.256(KK) 10”両面電気通信技術用

 15年ぶりくらいに電気通信技術用計算尺のHEMMI No.256を入手しました。このNo.256は昭和14年に芝浦製作所と合併直前の東京電気とHEMMIの研究部部長平野英明氏との共同開発で完成した通信用計算尺に若干の改良を加えて戦後になって一般向けに発売したものです。この発注元の東京電気というのは明治23年に国産初の白熱電球の製造も目指した藤岡市助の白熱舎が嚆矢で、後に米国のジェネラルエレクトリックの51%資本参加により東京電気となってから日本におけるジェネラルエレクトリックの特許や商標を使って電灯以外にもマツダブランドの真空管などの製造も始め、同じくウエスチングハウスと技術提携した三菱電機とともに大正末期から昭和初期にかけての通信放送機械部品製造の代表的な弱電製造会社となっていました。
 その東京電気が同じくジェネラルエレクトリックと提携関係にあった芝浦製作所と合併し、東京芝浦製作所(東芝)となったのは同じく昭和14年7月のことですから、計算尺が出来上がって主に使用開始となったのは東京芝浦製作所以降ということでしょうか。それでも弱電の東京電気、強電の芝浦製作所と技術陣は棲み分けが出来ていたでしょうから、この通信用計算尺は旧東京電気側の東京芝浦電気マツダ支社の技術陣で使用されたことは確かです。計算尺に刻まれている社名は「東京電気無線株式会社」ですが、これは昭和10年川崎市内に無線関係の事業を行う会社を分離設立したためで、こちらは後に東京電気株式会社に改称されています。この通信用計算尺は表面がL,X,[T2,S2,T1,S1,YI,Y,]Z,LL3,LL2,LL1で裏面がΓ,[R,F,]λとなっており、一般的な計算もこれ一本でこなす汎用性に乏しいため、戦後新たに表面をほぼ一般の計算などに特化させて裏面も尺度を整理したNo.256が一般発売されるわけですが、名前も高級電気通信用と何故か「高級」の接頭辞がついていた時代もあったような。この通信用計算尺の表面尺度はあまり見かけない記号ですが、Xは二乗尺でK尺に等しく、Y,ZはC尺D尺。YI尺はYの逆尺ですからCI尺に該当します。この尺度は社内のみで使われていた記号なのでしょうか?また電気的に言うと裏面Γは角度、Rはレジスタンス、Fは周波数、λは波長ですが現物を持っていないため、それぞれどういう組み合わせで使用するのか今一わかりません。
その戦前の通信用計算尺の改良型であるNo.256も昭和30年代に入ると通信機器が真空管からトランジスタの時代を迎え、通信も短波から超短波、極超短波そしてマイクロウエーブの多重無線が主流の時代を迎えます。そのため真空管時代のNo.256はいささか陳腐化し、新たにソニーと共同開発された電子用計算尺のNo.266が発売に至るわけですが…
 入手したNo.256はデートコード「KK」ですから昭和35年の11月製。以前入手したNo.256よりも2年ほど古い製造になりますが、この頃はまだNo.266は発売されておらず通信系計算尺というと唯一の存在です。同様な用途のRelay/RICOH No.156がすでに発売されていたかもしれませんけれども。

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