呪われたダイポールアンテナのコイル修復
先日、雪が来る前にとりあえず上げてしまった7/3.5のダイポールアンテナはやはり呪われてました。なんとなくおかしいなとは思っていたのですが、上げてからSWRなんか測ればいいやと思っていたものの、トラップはLCで構成されていなければいけないのに経年劣化かそれとも出品者に知識がなくて見栄えが悪いから取ってしまったのか、それともそもそも受信用にしていただけのアンテナだったのか。それで手動式のアンテナチューナーを使うにしても7MHzはとんでもなく離調したポイントでなんとかSWRが落ちるものの、3.5MHzはまったくダメ。なんとコイルに「C」に該当する物がありませんでした。コイルのL巻線が切れてはいないと思うのですが(わかりませんが)、C分を追加して7MHzに同調させるようにしないとダメです。そのため、アンテナを一旦降ろしてトラップコイル部分のLを測定して、7MHzに同調するようなCの容量を計算しなければいけないわけで。同調周波数を求める計算は1/(2π√LC)というのは上級ハム試験の無線工学でも基本中の基本公式なので知らない人はいないと思うのですが、これがLをどう動かしたらCがどう変わるのかというのをいちいち数値を当てはめながら計算するというのは非常に面倒くさいものです。その同調周波数を設定してしまえばLとCの組み合わせが連続して直読出来るというのは計算尺に限ります。それも何ら単位の読み換えなし値が読めるのはHEMMI計算尺のNo.266の独壇場です。(ただ大体の目安にしかならないので、ピンポイントな目的周波数に対するLCの組み合わせの正確な数値は実際に計算機を叩いてみる必要があります。)
その操作というのも滑尺を引いて右端f0を7MHz(うちのNo.266は2本ともMcですが)に合わせ、滑尺上のCfと固定尺のLにそれぞれの値が読み取れるというもの。そのため、コイルのLを測定器で測定さえすれば計算尺上にそれに合致したCの値が読み取れ、同軸ケーブルを使ったキャパシタでそれを製作するということ。おおよその目安として5D2Vが1cmあたり容量1pFらしいので、大体の長さを切り出して芯線と網線間の容量をカットアンドトライで測定し、目標値のCを得ればよいわけです。それでLCが組み合わさればあとはディップメーターを使って同調周波数を測定するというプロセスですが、そもそもこのNo.266を厚木のJA1コールのOMさんの好意で譲ってもらったのも、ディップメーターを入手したものそもそもは自作のトラップコイルを作りたかったゆえなのです。しかし、いつのまにやら計算尺のほうが面白くなってしまって本末転倒、今まで本来の目的のトラップコイル作りを放り出してしまっていたわけなのですが、呪いのアンテナのおかげで今になってトラップコイルに手を出さなければいけなくなったというのは夏休みの最終日になって宿題が終わらなくてバタバタしている要領の悪い小学生のようなものでしょう(笑)それでどうも市販のトラップコイルだと同軸コンデンサーくらいでは間に合わなさそう。というのもLは予め決まっているので、同調を取るにはCで調整しなければいけません。セラミックコンデンサを使用するにしてもかなりの耐圧を要求され、並3の同調バリコンは入手難ですし、防水性にも問題があります。そうなると同軸コンデンサ頼みになるのですが、まさか何十センチも必要になるとなると、それにも問題があります。
さらにもうすでに雪がちらつくようになった陽気の中で、また屋根に登ってアンテナ下ろすのが面倒なこと。どうせ最近はHFなんざちっとも使わないのだから春になって暖かくなってから、なんていうズボラな気持ちが出かかっていますが。ところで最近は安い中国製のマルチメータでさえLCRの測定もトランジスタのhFE測定も出来たような気がするのですが、肝心な我が家のLCRメータ、最近使わないからどこへ入ってしまったかわからない(笑)
えっ!市販の2バンドワイヤーダイポールアンテナのトラップコイルって設計上L成分しかなくて共振回路を形成していないんですか?なにせ市販品って見たこと無いので、当然LCで共振回路を形成してそれがトラップだと思っていたのに。そうなったらまた別な問題化かあ。こいつは春に雪が解けるまでダメそうだ。
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