初めて実交信に使用したスタンダードのC520
ここ一年半のコロナ自粛生活でのんきに移動運用で全国を回って歩くというのはさすがに憚られたようで、昨年夏と今年の夏の6m移動運用のおなじみさんたちも自分のローカルの外に出ることを自粛していたようで、伝搬コンディションもあり寂しい夏だったようです。しかし、ここへ来てのコロナの感染状況改善に伴い10月の末あたりから観光客の移動が急増し、苫小牧や小樽にフェリーで8エリア入りする他エリアコールサインのモービル局と交信する声もちらほらとワッチされるようになりました。また、このコロナ自粛の巣ごもりで無線局の再開局や新規開局が増えたそうで、JARL会員も減る一方だったのが減少に歯止めを掛けて増加に転じたそうで。そういえばうちのローカルでも2mのアクティブ局はコロナ禍で復活コールサインで再開局した人が何人かいます。
そんな中で、以前机の上から猫が叩き落としたアイコムの430MHzモノバンドハンディ機IC-μ3の落ちどころが悪くて硬いものの角にあたったらしく、外装が大きく欠けてしまったのですが、これはちゃんとJARDのスプリアス認定保証も受けた個体だったため、ジャンク品から前面のプラスチック部分を交換するべくジャンク品を漁ることすでに2年。これ、液晶部分が液漏れして真っ黒になり、周波数表示が全く見えないものもけっこう高いのです。でも待てば海路の日和ありで、10月の頭に本体100円送料620円でIC-μ3を入手。このジャンクは動作も正常で液晶も端に黒染みは出ていたもののきれいな個体で、表面だけの外装取りするのはもったいないのですがPTTボタンや裏側に傷が多かったため、迷わず表の部分だけ交換用に使ってしまいました。交換はさほど難しくはなくバッテリーケースを外して底面のネジを4本外し、側面のネジを一本外してフロント部分を引き出し、スピーカーのリード線をはんだごてで外せば交換が可能です。
どうもハンディ機を久しぶりに分解したことがきっかけになり、何台かキーの導電ゴムの接触不良で反応しないボタンのあるハンディ機を分解し、接点の洗浄と導電ゴム部分の表面をグラスファイバーの繊維を束ねて芯にし、繰り出し式のペンになっている接点クリーナーでまんべんなく擦ってやりました。これで問題なく元の状態に復活しましたが、当初は移動運用のためにTVの300Ω並行フィーダーを使ってJ型アンテナを作り、ハンディ機で少々高いところに登って電波を出してみようなんて思っていたものが、そもそもの出不精でおまけにでかい猫2匹が飼い主の外出を妨害するにいたり、ハンディ機は修理調整の対象でしかなくなってしまいました。それでも修理調整の完了した古い技適以前のハンディ機はすべてJARDの保証認定受けてJARD経由で相通局に無線機追加の変更申請を出し、さらにJARDのスプリアス確認保証も受けてますが、移動局の無線機の台数が第18無線機まで及び、そのスプリアス確認保証の保証料だけで昔JARDから頂いた4級アマチュア無線技士講習の講師料1日分がすべてちゃらになった計算でした(笑)そんなハンディ機の数々ですが、いちども交信したことのないものばかりで、そもそもハンディ機で交信したのは果たして何年前でしょうか。おそらくは10年以上前ではきかないかもしれません。
そんなハンディ機群でしたが、何かの暗示でもあったのかたまたま前日に充電器にかけて久しぶりにフル充電したスタンダードのC520。電源を入れてみるとローカルのOMが千歳の局とラグチューしている声が聞こえ、他のチャンネルでもあまり聞き覚えのないコールサインの局がローカル同士でラグチューしているのがフルスケールで入ってきます。久しぶりにハンディ機の短いアンテナでも十分に聞こえるQSOをワッチできた感じでしたが、これも祝日前日の夜ということもあったのでしょうか。翌日、文化の日は午前中にたまに強い雨に見舞われ、祝日だと言うのにたまにモービル局が入って来るくらいでしたが、午後だいぶ遅くなって樽前山頂の東山1022mからハンディ機を使用して移動運用されていた函館からの移動局を確認しました。勝手知ったるローカル交信ポイントで、見通しも開けており過去何度もハンディ機同士のQRPで交信したこともあって、こりゃこちらも固定機を使うまでもないと前日フル充電したスタンダードのC520で自宅2階の北側の窓からコールを入れました。念の為純正の短いアンテナからよりゲインの高いダイアモンドのRH901というアンテナに交換してのコールで、C520の7.2V充電池の144MHzの出力は確か2.8Wほど。それでもお互いにフルスケールで入感するほどの良好な交信でしたが、考えてみれば直線距離で20kmほどしか離れておらず、さらに1022mと海抜6mの場所との交信とあらば当然の結果(笑)おそらくは500mW出力同士で交信したとしても十分だったでしょう。奇しくもこれが9年ほど前に修理しながらいままで一度も交信に使用したことのなかったスタンダードのC520の初交信になってしまったというお話。その後、駅裏側のマンションのリビングから同じくハンディ機で呼んでいる局があり、その局の信号はこちらでもフルスケールで入感するほど。最近のハンディ機はリチウム電池が携帯電話のおかげで進歩したため、標準で5W出るものが当たり前になりましたが、たとえ32年前のニッカド電池内臓のハンディ機といえども修理調整さえすれば十分役に立つわけで、いくらデジタル時代に突入したとしても新しいハンディ機は買う気にさえなれず、ただひたすらジャンク品の修理調整とたまにチャンスがあったら交信、しか興味が湧きそうにありません(笑)
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