7/3.5の逆Vワイヤーダイポールアンテナに張り替える
貧乏無線局ゆえにHF増設時に合わせてHFマルチバンドのGPアンテナをオークションで落札したものの、あとが続かずバランを自作してワイヤーダイポールアンテナを作ったり50MHzの2エレHB9CVをトマトの支柱を使用し同軸ケーブルをコンデンサかわりにマッチングに使用したものを自作したりしたのですが、このトマトアンテナのエレメントは紫外線劣化で外皮にヒビが入り、そこから錆びだして導通が悪くなってほぼ2年毎に作り直さなければいけないというのが煩わしくて4回ほど作り直した後に市販のHB9CVを上げてしまいました。それでもこのトマト支柱アンテナのみで50MHzでJCCの500市を達成したのですからたいしたもの(笑) それで現在まで残っていた自作アンテナは7MHzモノバンドのダイポールアンテナのみ。それもおおよそ18年位上げっぱなしだと思うのですが、この自作アンテナレポートは当時のCQ誌の読者サロンのようなコラムに掲載されて図書券500円ほど頂いた記憶があります。徹底的に廃品を使用して作ったアンテナでバランに使用したのは手持ちのトロイダルコアと掃除機のモーターを分解して取り出したエナメル線を使用して100均で3個くくりで売られているタッパーの防水容器とし、道端で拾った塩ビの水道管と組み合わせて自作したもの。エレメントは盆栽などに使用する1.6mm径の裸銅線。碍子は同じく拾った塩ビ管を切ったもので、当初は両側からテンションかけるとどんどん伸びるため、落ち着くまで苦労してマッチングを繰り返し、SWRも1.1くらいにまで追い込んだものでした。屋根から東西に逆Vに張ったのですが、固定先は庭のイチイの植木でした。自作のエンテナ故に本当に電波が飛ぶのかどうかというのが当初ドキドキで、たまたま1エリアから強い電波で入感していた局が一局しかなかったので、試しに呼んだら一発でとってもらった初交信局が当時7メガの有名局のセブロン氏。すでにこのアンテナは永久に呪われたかどうかは知りませんが、その後バランの防水ケースが紫外線劣化でバラバラになってコアがむき出しになっても動作は問題なく18年の間上げっぱなしでした。その間7MHz帯が倍に拡張されてもフルサイズゆえのブロードさで新たにマッチングの必要もなかったということもありましたが。また10MHzが飛びはともかくそのまま乗るため、21MHzで交信していたOMから10MHzのCWの要求があって、このアンテナで交信したこともありました。実はこのアンテナは当初から拡張計画があり、7MHzのトラップコイルを自作して7MHzと3.5MHzのデュアルバンドのダイポールにすることです。というのも垂直系のアンテナで3.5MHzは短縮率が大きすぎてまったく飛ばず、交信したのは同一エリアのみ。アンテナチューナーで7MHzダイポールで電波を出しても似たようなものだったので、3.5MHzのダイポールはローバンドの課題だったのです。そのため、2.2mm径のPEW線をリールごと一巻き(たぶん340mくらいの残)を購入したり、ディップメータを譲ってもらったり、水道管を購入して7MHzのトラップの材料は揃えたものの、急に意欲を失ってしまったものだったのがほぼ15年くらいそのまま。先日、階段脇に塩ビの排水管を切ったものが転がっていたのに、なぜこんなものがあるのか全く覚えがなく、いまになってトラップコイルの材料だったことを思い出しました。こういうのは情熱があるときに一気にやってしまわないと永久にそのままという見本のようなものです。自作アンテナ時代の話なのですが、実は以前から顔しか存じ上げなかったものの亡くなった父親のキリスト教集会のお仲間にNさんという方がいて、この方に父親の葬儀の司会なんかをお願いしたのですが、実は父親の葬儀の際にこの方が元JA8CWさんという大OMだったことがわかりました。このNさん、元NTTのOBで、若い頃は名寄、北見、落石など何年かおきに転勤を繰り返し、転居先で知り合った2桁コールの方たちのアンテナやシャックなどの様子を克明に写真にしたものをアルバムにしており、後日ご自宅にご挨拶に伺った際に見せていただきました。今はもうサイレントキーになられた2桁OMさんのほうが圧倒的に多いのですが、その中でも有名なのがJA8AAの濱OM。確か通信電設関係の会社の2代目とかなんとかというお話で、当時北海道電力の送電線の鉄塔を改造したアンテナタワーに自作のビームアンテナを上げている昭和40年代の写真がありました。しかし、当時一般的に自作されていたのがNさんを含めて丸太を組んだ骨組みの2エレキュービカルクワッドアンテナを木製のはしごタワーに上げたもの。防風雪で壊れたりするので2年に一度は新しく作りなおしたなんて話でしたが、そういえばうちの近所にも丸太をバッテンに組んだ木製のキュービカルクワッドを上げた家が2軒ほどありました。しかし、その後既製品のスプレッダーを使用して半自作のキュービカルクワッドを上げる時代をへて、既製品のタワーやビームアンテナといえば既製品の八木アンテナの時代になって久しく木製や竹製のスプレッダーを組んでキュービカルクワッドを上げたという話は半ば伝説の世界でしょうか。JA8CWのNさん、開局当時はもちろん自作のリグを製作し、落成検査を経てようやくコールサインをもらったのが昭和31年だというお話でしたが、現役時代は長くドレークの愛用者だったそうです。現在は岩見沢の幌向から雪の少なく娘さんの嫁ぎ先でもあるウチの街に移住してきて高層アパートの住人になり、住環境重視で無線環境には恵まれないため、無線局復活はないようです。それでもデジタルモードには興味があるようなのですが。
話は変わって某フリマサイトで詳細がまったく記されていないため、何メガのアンテナかもわからない市販品の中古ダイポールアンテナを入手。それは蛇の道は蛇でトラップコイルが着いているため2バンドであることもわかりますし、トラップコイルの大きさを見れば何メガのトラップコイルかも見当がつきます。それでこれは7/3.5MHzの2バンドダイポールアンテナと思ったらもちろんこれはビンゴ。バランの上の部分の紐などで吊るす穴が経年劣化で脱落していて紐で吊るすようになっているため、もしかしたら当方で3オーナー目くらいの古さはありそうですが、ものは昔のコメットの2バンドダイポールアンテナのようです。とりあえずは卸っぱなしで整合もとれているだろうと判断し、18年経過した自作のダイポールアンテナを撤去し、さっそくこちらを上げてしまいました。それに先立ちエレメントの伸びる方向に蔓延る蔓などを徹底的に刈り取るなどの作業を行い、これが結構な手間だったのですがなんとか経路を確保。西側はまだ余裕があったのですが、東側は3.5MHzのエレメントが延長になった分従来のイチイの木に縛り付けるわけには行かず、敷地ギリギリのアオモリヒバの2.5m高の部分に縛り付けました。まだ詳しい整合状態はチェックしていないものの、バンドをワッチしてみたところ、7MHzは自作アンテナと変わらないものの、3.5MHzは垂直系の短縮率が高いアンテナではノイズにまみれてまったく受信できない信号がさすがにノイズもなく浮き上がって聞こえてくるのには驚かされました。整合チェックや送信に関する飛びのチェックなどはこれからですが、卸っぱなしを再度上げただだけだからそれほど問題ないんじゃないかとは思いますが。この品物、いつまでも荷物の番号が登録にならないのでおかしいと思ったら同一市内の東の営業所から西の営業所に回っただけの同一市内配達。もしかしたら市内でサイレントになった局のものを某OMが撤去して片付けてそれをフリマに出したのを当方が購入したのかも?しかし、某OMの出品物だったらアンテナのバンドの詳細くらい絶対に記載するでしょうし、これは一種の謎。でもアマチュアのアンテナは天下の周りものとはいえまた「呪われたアンテナ」だけは嫌かもしれない。しかし、新品アンテナ買う気にはぜったいにならないのが貧乏無線局ゆえの思想です(笑)
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