October 24, 2005

違法電波が原因による死者?

 23日、栃木県佐野市で制御不能に陥ったラジコンヘリが墜落し、操縦者の孫の女の子の頭にローターが当たって女の子が死亡したという事故が起きました。警察は過失致死で祖父の54歳ダンプ運転手を取り調べているということですが、まず最初に感じたのは、もしかしたら近くを走行する違法無線を搭載したトラックのとんでもない出力のコモンモードIを食らったことによる事故ではなかったのかという事です。現に数分間、何でもなく飛んでいたのに、突然制御不能に陥ったという状況らしいです。大昔、ラジコンの割当周波数に27メガのAM波しかなかった時には、近くで違法CBの電波が発信されただけで制御不能に陥り、高価なラジコン機を片っ端からダメにしてラジコンから足を洗ってしまった人を何人か知っていますが、今は40メガ70メガ帯のFMだったかに割当周波数が変わって、違法CB帯からの発信電波の妨害に影響されにくくなっているはずなんですが。さらに最近ではデジタル制御も一般的になって、さらに妨害に強いはずで、同種の電波で同じ周波数の電波を食らうか、整数倍の強力な高調波を食らわなければ制御不能に陥る可能性は低いとは思うのですが、ラジコンに関してはまったくの素人なので、断定的な事は言えません。ところが、近くからキロワット級の電波を食うと、コモンモードで受信側が飽和してしまい、送信側からの制御波を受け付けなくなって誤作動し、一気に制御不能に陥り墜落となる可能性は高いと思われます。また、ラジコンヘリを飛ばしていた場所がガソリンスタンドの敷地内ということで、そうなると当然住宅街の中ではなく、街道沿いの幹線道路隣接地という可能性も強いと思われます。そうなると違法CBを積んだトラックの送信波を間近でまともに食らって、そのために制御不能になった可能性は、限りなく高いかもしれません。よく違法開局者の言い訳は「俺達が電波出したって、それで人を殺したことでもあるのか?」が常套句でしたが、これからは「違法電波でラジコンヘリが操縦不能に陥り、5歳の女の子が1人死んだ」という事故例が引き合いに出されるかも知れません。でも考えてみると、車の電子機器がまだこういう妨害電波に弱かった時代、違法CBで電子機器が影響してエンストするくらいはまだいいものの、「クルーズコントローラが暴走して急にスピードが上がり、中央分離帯に衝突」などという事故例は、従来、運転者の過失で片づけられていたものが、意外に高出力な違法CB波による電子機器の制御不能が原因によるものがあり、メーカー側の鑑定ではその点を指摘せずに隠蔽し、密かに改良が続けられて、今の車は外部からの妨害電波には問題のないものになってきたのかもしれません。そうなると、過去に違法電波による死傷者は、いなかったとは断言できないと思われます。しかし、ラジコンヘリ操縦者のダンプ運転手、自分もダンプに違法無線局を開局していたのだったら洒落になりませんな。この際、違法CBも違法VHF/UHFも本質的には変わりないでしょうから。

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October 22, 2005

電波障害源は米海軍イージス艦?

 先日、羽田空港に着陸する航空機の計器に異常が生じ、空港が5時間使えなくなった事件がありましたが、これは事後報道があまりされませんでしたが横須賀基地の艦船が発した妨害電波らしいということです。事件当日、妨害電波の発信元が横須賀であるという情報だけで、当方は「原因はイージス艦だ」というように直感しましたが、21日にも大島と新島のVORとDMEならびに館山のDMEに30分間ほど障害を与えて管制業務に混乱を来したようです。またもや我々の電波利用料で整備されたDURAS SYSTEMは今回も発信元を特定出来なかったようですが、まあこれも米軍のイージス艦が電波障害の発生源であることに間違いないでしょう。横須賀に入って機器の調整で電波を出して、今度は出港して洋上で試験のために電波を出したのにも係わらず、どこか何かの不具合があって航空機の航法関係の施設に電波障害を与えることになったのでしょうか。ちなみにDMEの使用電波は1GHzのUHF帯、VORは108〜118MHz帯のVHF電波を使用しているはずです。航空無線通信士試験の前に各電波航法支援装置の使用周波数などは覚えたはずなのに、実にならなくてすっかり忘れてしまいましたが(^_^;) この電波航法装置はもちろんのこと世界中の航空機が共通して使用する物ですから、いくら世界の大国アメリカといえども、イージス艦でこれに障害を与えることは許されることではありません。何らかの不具合があって航法支援設備に障害を与えたのなら、早急に対策を求めたいところです。
 イージス艦というのはフェースドアレーレーダーで360度方向をカバーする為に四方に超強力なマイクロ波を放射し、そのためレーダー作動中に甲板に人がいると、電子レンジ状態になり人間の水分が沸騰するために非常に危険なので、甲板上は無人にさせるそうですし、鳥が止まればローストチキンになってばたりと甲板に落ちてきそうなほどの電界強度・磁界強度に達するそうです。艦内は強力な電磁波防護が施されているとはいえ、あんまりこんな船には乗せられたくないものです。後でイージス艦乗員中に脳腫瘍患者が続発する危険性だって残されていますが、今回、いままで無かった航法支援設備への電波妨害は、米軍が北朝鮮の発射するミサイル探知のため、日本海に1隻派遣しているイージス艦をシステム変更によって探知能力向上を極秘裏に図ったためのトラブルなのかもしれません。そういえば、最近発信元が日本海のロシア沿海州とされるアマチュアバンドへのノイズの混入は、こちらも、もしかしたら日本海に派遣された米軍のイージス艦に起因するものかもしれません。どちらにしても日本の電波法を以て取り締まるわけにいかない電波障害源なので、伊豆諸島近海エリアより内側でのフルパワー作動などをしないように米軍に申し入れるくらいしか対策は考えられないでしょう。とんだ受信環境クリーン月間中の出来事でした(^_^;)

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October 17, 2005

熊の発振器に「待った!」

 新聞によると広島の中国総合通信局が管内5県に「外国製発振器は電波法に適合しないので使用をただちに止めるように」との要請を出したそうです。というのも岡山や北陸総通局管内の富山などは昨年秋のツキノワグマの農作物被害や人里への徘徊などの熊の行動を把握し、未然に被害を防止する見地から熊に発振器を取り付けて熊の行動圏調査を行ってきたようですが、国産の発振器は電波が弱く500メートル内外しか個体を把握できないために30年も前から米国製の発振器を使用してきたそうな。富山では昨年からカナダ製の発振器を使用し始めたらしいですが、これだと2キロ内外の範囲で熊の個体が確認できるんだとか。ところがこれは県の担当者のまったくの認識不足ですが、もちろん国内では「免許のいらない微弱電波使用機器の電界強度は3メートル離れたところの電界強度が500マイクロボルト/m以下」で、これに適合した国産の発振器は電波が弱いから電波の強い外国製を使うとは「国産の特定小電力トランシーバじゃ電波が届かないからアメリカはモトローラの4キロは電波の飛ぶ500mWトランシーバに変えた」ようなもんですからね。県の担当者は「困惑している」とかいう話ですが、「公共性が高い、公共の利益の為」とかいう理由で役所が電波法を破って微弱電波使用機器の範囲を超える違法無線機を使用して良いわけがありません。早急に対策を願いたいと思いますが、8エリアに関してもクマ問題は深刻な問題ですからその行動を把握するためにGPSを使って位置を特定するシステムなど、総務省と環境省が共同で開発に入ってほしいものですが。
 16日夜、普段は2mSSBにしか出てこないのにこの時期だけFMでCQを掛けるローカルの2m専門のOMがメインでCQを出し始めたのでタヌキしはじめると、さすが24メートル高の15エレ2段スタックだけあって、対岸の7エリア局とお互いに59で交信し始めるのですから流石です。もちろん相手の電波はこちらではまったく捉えられません(^_^;) このOMさん、開局25年で8エリアにおける2mSSBの重鎮で、WACAもWAGAも15年くらいで取ったらしいですが、4アマやり放題の為か、本人が変わり者の為かあまりローカルでは良いように言う人が少ないようです(本人が自分で言ってちゃ世話ないや)。こうはなりたくないですね(笑)でもまあ、コールバックしてきたローカルのJL8コールのビギナーさんがSSBを使ったことがないっていうので、親身にモードを切り替えてSSBの144.120付近で電波を出して相手になってあげていたようですが、なかなか親切じゃないですか(^_^;) それに2mの世界はあまり知らないので、タヌキしててもけっこう為になったし、話も常識的でポリシーが1つ通っていてけっこう面白かったし、やっていることはともあれ、なかなか親切なOMさんです。しかし、このJL8コール局、自分のリグにUSBとLSBのモードがあるけどSSBモードがないと言い始めたり、このアンテナでSSBの電波が出るのかなんて尋ねていましたが、講師のH先生がちゃんとFMとSSBの違いを養成講習で教えないから、こんなこと言い始める養成講習卒業者が出てくるんじゃん(笑)そういえばこのOMさんの作っているクラブが羆の会とかいうクラブで、奇しくも本日は熊つながりの2題ばなしになってしまいました。

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August 24, 2005

Moogシンセとアマチュア無線の関わり

 ロバート・モーグ氏の訃報が流れました。彼が世の中に送り出したモーグ・シンセサイザーは初期のアナログシンセサイザーの傑作として、音楽に革命を起こしたことのみならず、現代のデジタルシンセサイザーをしても絶対にあの太い音が出せないという電子楽器の傑作、というよりテルミン同様に「人間の血の通ったアナログの楽器」を感じさせる最後のものだったように感じます。惜しむべくは、コルピッツ発振回路か何かわかりませんがアナログ発振回路であるVCOの発振周波数が安定しないためにチューニングが不安定ということで、その点では後発のARPオデュッセイに負けていましたが、ARP以上に多くのミュージシャンに愛されたのは、その欠点を押してあまりある独創的な音が自分で作ることができるということではないでしょうか。作曲家富田勲氏がミニムーグ以前の巨大なモジュラー型ムーグシンセサイザー(楽器の方はモーグというより昔からのムーグという言い方じゃないと気分が出ません)をアメリカから個人輸入する際、税関で楽器である事を信じて貰えず、ウォルターカルロス(性同一障害を克服してウエンディーという女性になりましたが)のスイッチト・オン・バッハというレコードを持っていって、やっと楽器として通関してもらったなどという話もありました。
 アナログシンセサイザーというのは、実はVCOで発信させた波をオペアンプで増幅し、色々なモジュレーションを掛けたりフィルターを通したりして波形を加工し、それで色々な音を出すのが基本なんですが、始めにこの構造を見て、なんか単純に無線機みたいだと考えました。それでどうやらロバート・モーグのシンセサイザー発想の基礎になったのは、どうも無線工学の素養があったからだと考え、実は彼はアマチュア無線家だったのではないかという一つの妄想があったのです。まあ、こういうつまらないことから大胆な仮説まで展開するのはわたくしの悪い癖ですが、そんなことは忘れ去っていて10年以上経った今になって、ロバート・モーグ氏の訃報が流れ、そういえば「モーグ氏はコールサイン持ちだったか否か」という疑問を思い出したというわけです。いままで出てきたシンセサイザー関係の文献には氏と無線工学を結びつける記述はなかったと思いますが、10年前と違って、今ではネットでキーワード検索すると、大抵の疑問に答えてくれる世の中になりました。それで英語で「ロバート・モーグ アマチュア無線」の2語で検索すると1997年にロバート・モーグ氏が受けたインタビューが掲載されてあるものがヒットし、それによると、「父親がアマチュア無線無線家で、子供の時に無線機の構造とかそういう無線工学を父親からたたき込まれた」という記述に行き当たりました。やっぱり当たらずとも外れてはいなかったようで、これで昔年の「アナログシンセと無線機の関係」の疑問が氷解しましたが、「ロバート・モーグ氏自信はコールサイン持ちでなかったのにも係わらず、子供の時からアマチュア無線家の父親に無線工学をたたき込まれて、後年それがアナログシンセの開発に繋がった」ということは疑いのない事実でした。後に無線機もシンセサイザーもアナログを脱してPLLを使用したデジタルシンセの時代になって行きますが、なかなかチューニングの安定しないアナログシンセや無線機もその存在価値は未だに失われていないようです。アマチュア無線界に「TS-520サウンド」が存在するように、やっぱり音楽業界には「ミニムーグの音」「プロフェット5の音」っていう定番サウンドが未だに存在するんですから。

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July 05, 2005

天野滋、「さようなら」で旅立つ

 天野滋の訃報が流れました。実は3日にNHKのBSで「おーい日本、今日はとことん岩手県」が放送されて、そういえば一ノ関出身の天野滋のことを思いだしていたのですが、そのときすでに帰らぬ人になっていて、おそらく近親の方の間で葬儀がおなわれていたであろうことを本日知ったのですから皮肉な物です。
 天野滋と言えば、我々中学生時代の末期に井上陽水に代わりフォーク小僧の間の神様的存在であったNSP(ニュー・サディスティック・ピンク)のリーダーで、クラスの男女を問わず全員が「夕暮れ時はさびしそう…」の大合唱を行うというおぞましい風景を何回も見ております。こちらはフォークブームのムーヴメントに反発したい一心でハードロックしかやりませんでしたが、NSPのレコードもテープも持っていないのにもかかわらず、NSPライブの中のMC「一ノ関にはこんなでっけぇスズメがいてよ」とか「納豆・空豆・ピーナッツ」なんていうのは台詞は30年経っても覚えているんですから、一種のすり込みですな(^_^;)
 NSP活動中から他のアーティストに作詞家として作品を提供していたらしく、NSPメンバーがポニーキャニオンのディレクタに転身した関係か、ポニキャニのアイドル関係の楽曲に多数作品を提供しておりました。それも鳴り物入りのデビュー曲などというものは全くなく、ちょっとそのアイドルが勢いを失い掛けた3曲目に、秋本康と後藤次利コンビが手を引いてしまったような、そういう「会社としてはセールス的にどうでもよい」ようなレコードやCDに顔を出すのが常で、世間的にはまったく知られていないような作品が多いようです。ところが、そういう作品でもしっかり「天野ワールド」が出来上がっているんですねぇ。
 個人的に天野滋の作品を再認識したのは95年くらいの「メロディー」というアイドル3人組のアルバムに作詞者としてその名前を見つけた事でした。当時のニフティのアイドル系パティオに「メロディごときに天野滋の作品なんざ10年早い」なんて書き込んだらメロディ・ヲタから「そんなこと言わんでくれ」なんて泣き言がはいりましたけどね(笑)でもアルバム中の「ねぇ、ダーリン!」という曲が大好きになり、中年のおっさんがこういう若いカップルの、悪く言えば青くさい青春の1ページの心象描写がなぜ書けるのか感心しました。とてもわたくしにはマネできません。さすがは「外づらを良くしようと虚勢は張るが、内向的で性格が暗い」なんて言われることのある南部人の天野滋、強いて言えばそれを代表する宮沢賢治のような人たちにしか出来ない仕事なのかもしれません。NHKのフォーク大集合で、再結成後のNSPを何回か見ましたが、白糠で倒れ、釧路で客死した高田渡のように、その姿が永遠に見られなくなるのは残念です。あの曲どおり「さ〜よ〜なら〜」で天野滋は彼岸に旅立ちました。

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June 28, 2005

ゆきゆきて、奥崎謙三死す

 奥崎謙三氏の訃報をネットで知りました。獄中で養子縁組した支援者男性とも養子縁組を解消し、服役中に奥さんも癌で亡くしたために出所後は1人で暮らしていたとのこと。服役中にニューギニアで自分たちを死に追いやった上官はことごとく他界し、出所後は戦争責任追及の矛先をどこに向けるか見失ってしまったようで、昨年倒れているところを発見されて病院に入ってからは常に「馬鹿野郎」と叫んでいたとのこと。たぶん戦争責任をやんわりと包み隠し、「過去のことにこだわっては未来に向かって進むことが出来ない」とか、戦争に送り出したほうも送られたほうも一緒に祭られる、言い替えれば「殺した人間も殺された人間も一緒になっている場所に不戦の誓いを立てるために詣でる」どこかの首相や政治家に対し、更に戦争の事実を隠し立てして太平洋戦争を「自尊自衛の戦い」などと美化するような風潮に対して最後まで「馬鹿野郎」と叫んでいたのかもしれません。
 奥崎謙三氏の戦争責任追及は非常にアナーキーでエキセントリックに見えますが、「集団だったらどんな悪行でもみんなでかばい合って覆い隠してしまう」という「集団の利益が優先する江戸時代的な農民社会の掟」がまかり通る日本だからこそ、そういうように見えただけでしょう。ましてドイツなんかは国家的に戦争責任の追及を徹底的におこなったところです。それを「そろそろ水に流す時期」だなんて東南アジア諸国には日本の農村社会の掟は通用しませんし、そういうことを言い続けている限りは東南アジア諸国との関係は改善の方向には向かわないでしょうし、白黒をはっきり付けなければいけないことをグレーで済ませてしまうことは、世界の各国には通用しません。これから日本という国がいつまでも信頼されない原因になることを政治家は全くといっていいほど感じないようです。つまらない政治家同士の付き合いしかしないからそういうバランス感覚が崩れるのかも知れないですな(^_^;) 
 無線の世界にも「集団だったらどんな悪行でもみんなでかばい合って覆い隠してしまう」体質は昔から蔓延っているようです。その集団というのが、大体にして同じようなレベルの同好の志というような人たちばかりなのですから、こちらのほうもバランス感覚が怪しくなっても仕方がないかもしれません。7036各局さん達(笑)
 さて、27日は北陸と東北が梅雨に入り、沖縄が梅雨明けしたらしいうということが報道されていました。Eスポ的には関東・東海を飛び越して北陸から東北近辺に梅雨前線が停滞しても、見るべき異常伝搬は観測されていないようで、夕方からのインターネットクラスタによる6m伝搬情報も寂しいものでした。どうも北陸から東北にかけて梅雨前線が停滞するというのは梅雨の末期の状況で例年なら7月中頃以降の天気図でしょうが、去年だとこのころは既に2日に一度しか開かず、梅雨前線が太平洋岸に停滞する時期に比べて開く時間も範囲もさらに寂しいものになっていたようです。このまま6mのEスポによる伝搬が低調なのは誠に残念ですけど、もしかしたら今年はこのままかな?なんて危惧していますけどね(^_^;)
 月曜日というのは週明けで皆さん忙しいのか、夕方から出てくる局も少ないようでした。おかげで今日は珍しく交信数0局。まあ、昨日一気に80局くらい交信しましたから、しばらくさぼっても大丈夫でしょう。2年前の8月からそこそこ電波を出すことにして、1日1交信が目標でしたので、80局というと2か月半分以上ですからね(笑)

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July 27, 2004

無線アンテナ落雷で火事?

 昨日(7/26)は全国的に大気が不安定になり、各地で雷による停電等によって、交通機関や生活に混乱を来したようですが、ここ北海道では無線のアンテナに落雷して家が火災になるという騒ぎがありました。落ちたアンテナはアマチュア無線用の鉄塔のような高いアンテナではなくて150メガ帯(アマチュアバンドの2m帯の少し上)業務用無線の屋根よりほんの少し高いだけのグランドプレーンアンテナに落雷したようです。そしてテレビを何かを繋いでいた電源付近から出火して一階内部を焼失したとのこと。アマチュア用の高い鉄塔アンテナに落雷するのは確率的に高いような気がしますが、テレビのアンテナ並に低いアンテナにも落雷するというのでは、おちおち無線のアンテナも上げておくわけにもいきません。まあ、うちの周囲にもアンテナに誘導雷を食らって繋いであった無線機の内部パーツがいかれて無線機数台をパーにしたとか、ファックスや電話や回線を繋いであったモデムからパソコンまでがダメになったという話はよくありますが、無線のアンテナに落雷して火事になったという話はあまり聞いたことがありません。
 電波法施行規則上では26,175キロヘルツ以下の短波帯より長い周波数のアンテナには避雷器もしくは接地装置を設けなければならないとあり、我が研究所のマルチバンドアンテナにもアースラインが用いられていますが、VHF帯UHF帯のアンテナには規定通り省略してあります。避雷器というのは誘導雷のような大電圧を瞬間的に食らった場合に同軸ケーブルの中間に用いて無線機側に至る回路をカットして大電流を脇路の電線から接地したアースに流す装置のことで、2アマの試験に出てくるバリスタという加えた電圧により抵抗値が変わるダイオードを使用した物ですが、この装置であっても何百何千万ボルトの電圧が掛かる直撃雷にとっては無力です。
落雷のメカニズムに関しては、フランクリンが初めて雷の正体が電気であることを証明してから今までの間、まだまだ分かっていないことも多く、旧来言われてきた避雷針の60度の笠の下に入ると安全であるというのも、かならずしもそうとは限らないようですし、真上からではなく横からも落雷するという現象もあるといわれているので、まだまだ完全に雷を防ぐ手だてというものはありませんが、アマチュア無線の鉄塔は接地抵抗を極少にして接地を完全にし、同軸ケーブルの中間にはアレスター(避雷器)を設置。そして雷が鳴りそうなときにはいち早く同軸ケーブルを無線機から外す等、アンテナと無線機を遮断する以外に被害を最小にする方法はないみたいです。又、ごく十数メートル圏内の電信柱等に落雷した場合にはアースラインから高電圧を拾って無線機がダメになる場合があるらしいので、アースラインも念のため遮断しておいたほうがいいでしょう。無線機に限らず、最近のICチップ制御による電化製品は誘導雷に弱いので、パソコン、電話、ファックス、TVなどもコンセントを抜く、電話回線から完全に遮断する等の処置が必要だと思います。なお、誘導雷というのは雷がごろごろ鳴っているようなときばかりではなく、蒸し暑くて空気がよどんで寝苦しいような夜に音もなく落雷して電化製品の内部丸焼けということも多いようですから、そういうような気象状態の時には誘導雷に気をつける必要があると思います。蛇足ですが誘導雷がおきやすい蒸し暑くて空気がよどんで寝苦しいような気象条件のときには、大槻教授が解明したような球雷現象、俗に言う火の玉が出現しやすいようです。このように大気中に帯電した部分が常に電位の低い部分に流れよう流れようとして、大地に静電誘導する部分を捜して移動しているような状態になっているようです。しかしそれでも雷の被害が心配なら、近所の天神様のお札でも貰ってケーブルにでも貼っておきましょう(笑)

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