November 03, 2005

アピアランス変更

 プログのアピアランスを変えてみました。以前のグリーンディスプレーに表示された文字風というのは、カラーディスレーが買えなくて、仕方が無くグリーンディスプレーで文字を打っていた8ピットと16ビットの初期を懐かしむ趣味のものでしたが、長野のさる御大が「目がちかちかして、見にくい」なんて書いているものですから、懐古趣味を捨てて一般的なアピアランスに変更です。さらに本文の横桁が30文字というのもいかにも狭いので40文字幅を取れるように改変しました。昔のパソコン通信時代はDOSの表示横桁が35文字でマックとは改行コードが違い、マックではわざわざ35文字で改行してさらにCR+LFのコードを入れるようにうるさく言われましたし、さらに機種依存文字に関しても、どの文字はどういうように代替して打つなんていう「ネットの不文律」は歴然としていましたが、今のインターネット社会になり「機種依存文字」という言葉さえ知らないウエブデザイナーが企業のオフィシャルなホームページで括弧付きの数字なんかの修飾数字やギリシャ数字なんかを平気で使うんですから時代は変わりました(^_^;)
 支部の連絡用ブログが夕陽の浜辺のイメージになったために、ここはごく浅い場所にしか日が射し込まない海中のアピアランス、そこには得体の知れない深海魚たちがうようよしているというくらいのイメージでしょうか。その得体の知れない深海魚こそは我々を始めとする「怪しいアマチュア無線家達」のことでしょう(笑)ブログペットのダイオウイカとかリュウグウノツカイ、チョウチンアンコウなんかが画面を泳ぎ回れば楽しいんですが(^_^;)
 推薦図書を載せました。この中で「インピーダンスの話」という本がありますが、上級アマ試験を受験するのであれば、ただ単に解法と答えを覚えるのではなくて、基本的なインピーダンスの概念とスミスチャートの見方くらい覚えておきたいものです。LRC回路と複素数との絡みに息詰まった人は、読んでみると目から鱗が落ちるかもしれません(保証の限りではありません)。あと、1アマ以上の計算問題に手間取っている人は、手っ取り早く電気数学系の基本が書かれた本を読むことをお薦めします。どの本も中学の数式計算あたりから初めて高校3年の数学程度までの計算の基本のうち、特に電気関係の試験に必須な分野を扱ったものです。これを全部マスターしたら電験3種も最短距離で取得できるかもしれませんねぇ。わたくしにはそんな気力がありませんけどね。オーム社の「アンテナがわかる本」はアンテナの基本原理から実際のプロ用アンテナに至るまで、詳しく書かれている本ですが、陸技受験の人は手元に置いておいたほうがいい本です。アマチュアの人には馴染みのないアンテナが多いですが。これ、図書館にあったので、それで済ませてしまいました。「にっぽん無線通信史」はこれも図書館で借りて読んだ本でしたが、B電波を使うコヒーラ検波の無線機の改良と日本海海戦から衛星通信にいたるまで、日本の電波利用の変遷が興味深くわかる話で、個人的には大変面白い本でした。

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September 19, 2005

消えた上級用モールス通信術用教材

 10月1日からアマチュア無線国家試験におけるモールス通信術が改訂になり、3アマからは廃止、1・2アマは旧3アマ同様25文字/分の速度で2分間の受信というように改訂になりますが、それに伴ってCQ出版が長年取り扱ってきたモールス受信用のCQモールスCD1級国試編および2級国試編が絶版にされ、店頭から姿を消すことになったようです。まあ、国家試験から60文字/分および45文字/分のモールスを受信する通信術がなくなったのですから殆どの人間はこんなもの見向きもしなくなるでしょうから、それをいつまでも絶えることなく店頭に欠品補充する義務を放棄して絶版にすることは出版社としては当然の態度だと思います。
 しかし、興味と自己訓練のためにモールスの通信速度を上げるトレーニングをしていきたいモールスビギナーにとってこれらの教材がなくなったことは多少なりとも痛手になったのではないでしょうか?以前JARL理事の態度が「モールス試験を廃止することで誰でもモールスで交信することが可能になり、CW交信活性化に繋がる」ということで、総務省に「アマチュアの国家試験から速やかにモールス通信術を廃止されたい」という申し入れを会員総意としてしたことに関して、以前わたくしは「受験に英語の科目がなくなったら、英語を勉強しようという人間なんぞほんの一握りになるのと同じように、試験のためでもなければモールスを覚えてついでにCWまで実際に運用する人間なんかいない」と書きました。上級試験の通信術試験が3アマ並に変わり、今現実に上級用モールスの教材が絶版になってしまったことで、25文字の通信術をクリアした人間は何の道しるべも海図もない大海に放り出されたような状況になるのです。25文字のモールス聞き取り能力で、CWでの交信に参加しろということが土台無理な話で、25文字クリアのビギナーに「実際の交信をワッチして自分の受信能力を高めろ」というのも無謀な話。自己受信能力を高めるためにはやはりそれなりのトレーニングが必要ですが、そのためにも必要な上級試験用通信術教材があっさり絶版になってしまうのも困った状況です。ローカルに試験で3アマを取得した男がおりましたが、最初のうちはCWをやりたいと思って次の段階のトレーニングに励んでおりました。ところが12月上級試験から3アマ所持者は通信術免除ということが発表された途端に受信の練習もストップしてしまい、上級試験のためのCW習得だったことがバレたような感じになり、電鍵も買わず仕舞となってしまいました。結局はこういうケースが多いのではないでしょうか?上級試験受験の目的が技術と知識の向上を目指すのではなくて「電力増大」のためだけになってしまう受験者が今後ますます増大しそうです。今後とも1アマ2アマで「CWやってないから出来ません」では恥ずかしいと思いますが、それを恥とも思わない、言葉は悪いけど「電話バカ」が増えるんでしょうか?(電話バカの解釈は、初級アマなのに平気で電力増大に走り、2キロワット3キロワットは当たり前で、いつの間にか電話のみでDXCCオーナーロールになっても免許状は未だに10Wというような人の事でしたが…)。 25文字ビギナーのための「受信能力向上用モールスCD」なんて作ったところで試験範囲以上のものが今までのように売れる訳がないのは目に見えてます。「受験科目から英語がなくなり、店頭から英語の参考書が姿を消した」と同じような状況が現実に起こってしまいました。

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September 13, 2005

上級国試参考書売り切れ書店続出か?

 知り合いが12月に2アマの国試を受けようとしてネットで最新の過去問題集と無線工学の解説本を注文したところ、いつまでたっても届かなくていらいらしているらしい話を聞いて、ちょっと調べてみると、軒並み首都圏の書店等では売り切れのところが続出し、さらに国家試験申請書まで売り切れている書店やハムショップまであるらしいです。というのも、結局年度途中から上級試験からモールス符合による通信術試験が旧3アマ並に改訂され、旧3アマ所持者であれば通信術そのものが免除されるために、旧1アマ2アマの60文字/分・45文字/分による通信術がネックになって上級試験と縁のなかった初級免許所持者が、12月の上級試験を目指して大量に動き出したことに他ならないのでしょう。
 常々上級国試過去問題集は1年に1度は新しい版に改訂されるために、そもそも受験人数も年間で1,000人くらいの試験でよくこまめに対応していると感心しておりましたが、おそらく1回の発行冊数が2,000ないしそれ以下しか発行していないのでしょうね。そういうバランスで何年も推移してきた中で、今回急に動きが出てきたことで今までの発行冊数では12月試験受験予定者にすべて行き渡らないことは明白です。1アマから和文が廃止になったとき、一時的に前年度比3倍に迫るほど受験者が増えたことがありましたが、その時も一時的に参考書・問題集が足りなくなったことがあったのでしょうか?
 しかし、年間1,000人を遙かに下回るほどしか誕生していない3アマが、地方で定員60人もある講習会が乱立することによって、これから年間ベースで3倍ですまないくらいの3アマが講習で誕生することといい、上級試験受験者も3倍で効かないくらいの受験者が殺到しそうな事といい、しばらくとりたてて動きのなかったアマチュア無線界に、久しぶりに動きが出てきそうな雰囲気がします。
 でも、我がローカルに限ってはモールスが簡単になろうがなかろうが、上級国試を受けようなんていう局は意欲のある学生を除いていないんだなぁ(^_^;)
「モールスなんかやる気がない」なんでいう4アマ100W局が多くて、11月の3アマ養成講習も埋まるかどうかが問題です(笑)
そんで、地元のハム屋にはいつでも上級参考書も国試申請書も山積み。参考書が手に入らない人は、地方のハム屋に問い合わせてみるのも一つの手段かも。

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May 21, 2005

5年経って増刷されていたガルスカ本

 金曜日夜に東京から出てきた友人と7年ぶりに合うために札幌に出掛けてきました。約束の時間まで30分ほどあったので、新しく駅前に移転した紀伊国屋書店を覗くと、2階の参考書・理工学書のフロアも売り場面積が広がったためか、無線関係の書籍もだいぶ扱いが増えたようです。「アンテナハンドブック」なんかしばらく絶版で、こちらはオークションで入手しましたが、2004年に再版されていたことはまったく知りませんでしたが(^_^;)
 そこで「楽しくおぼえる1アマ攻略」、通称ガルスカ本が2冊並んでいて、どうも以前の物と表紙の紙質が違うような気がして、念のため発行年月を確かめると昨年、第2刷として増刷されていてそれが店頭に並んでいることがわかりました。これ、改訂新版が99年12月の発行ですから、約5年経って在庫が尽きたのか、絶版とせずに増刷に至ったようですが、中身を見てみるとまったくそのままで、何ら変更の無いことがわかります。つまり出ている内容は「計算に時間をとられるのなら答えを丸暗記しよう」という答え・数値を丸暗記して1アマの試験に合格しようというポリシーそのままの参考書を5年経ってそのまま増刷してしまったんですね。
 しかし、112ページの平行二線式給電線におけ波動インピーダンスZoを求める公式の問題、暗記しかないって277log10 2D/dが227log10というミスプリントで暗記して試験を受けても答えがありませんからって、残念〜。こんな277と227を取り違えてもまったくわからないのが暗記学習の恐ろしいところですな(^_^;)
 まあ、誰が考えたって今時、この参考書1冊で答えを丸暗記し、試験に合格できると考えたらはっきり言っておめでたいです。よく藁をも掴みたい受験者は10人いたら10人ともこの本を持っているそうですから、キルヒホッフの法則・複素数・デシベルあたりが絡む問題が出たらあっさり捨てる受験者の圧倒的な支持をうけて、「解説。無線工学」なんかよりはるかに売り上げ的には大きいんでしょうね(笑)中には「それなりに価値があるから未だに売れ続けているんだ」などと断言する実際に受験したことがないのに無責任なことを言う人もいます。まあ、考えて見てください。五年前のタウン情報誌で有益に東京ウォークすることが出来ますか?需要があるから増刷をしたんでしょうが5年経って何ら内容に変更のないものをそのまま発行するのはいかがなもんでしょうか? もしかしたら上級アマのモールス試験が3アマ並に改訂されて、通信術試験が障害になって上級を敬遠していた層がどっと試験になだれ込んで来るという目論見から、この本を絶版にしたくなかったのでしょうか?どっちみち国際法規は役に立ちませんが。
 1アマから和文モールスが廃止されたときは従来の5倍で効かないほどの受験者が殺到して、普段はそれほど儲けのない上級アマ参考書と問題集が飛ぶように売れたそうですけど、2匹目のドジョウを狙っているのかな? 現に今月末に「新・上級ハムになる本」が丹羽OMの筆により出版されるそうですし。しかし新たな無線工学解説書と5年前の暗記本ではその価値が全く違いますし、今になってこんな本を掴まされて1アマの試験場に出掛け、高い受験料をムダにする受験者がいたのならおめでたいを通り越して気の毒です。早く絶版にするか内容改訂して「楽しく覚えられたらいいかもしれない1アマ攻略」とか「楽しくおぼえるって言うじゃな〜い1アマ攻略」にタイトルも変えましょ(笑)
 まあ、個人的には高校の数学から再学習することから勧めますけどね。電気数学の基礎に関する参考書は山ほど出版されてます。んで、そういうおまえがなんでガルスカ本を持っているのかって? そりゃもちろん内容の研究の為ですって(^_^;)
TANO

 

 

 

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April 23, 2005

上級ハムになる本

 先日、上級アマチュア無線技士国家試験のバイブル的存在である無線工学解説書「上級ハムになる本」の1991年改訂版を何とたったの100円で入手してしまいました。この本の著者であるJA5AF大塚政量OTは戦前から戦後に掛けても四国地区の代表的なアマチュア無線家であるだけでなく、長年JARLの理事を務められましたが、本職は国立宅間電波工業高等専門学校電子工学科の教授でした。その長年教職に就かれていた経験からか、未だもって無線工学の入門的解説書としてはその存在価値を失っていません。多くのアマチュア無線家が上級資格を取ったあとでも「上級ハムになる本」を本棚の一番いい場所に収めてあるとか、陸技を取得するときにも何回も見返したとか、未だにその信奉者が多くおりますが、おそらく最後の改訂が1997年だと思いますので、大塚先生が健康を害されて自身で改訂加筆出来なくなり、次々に新しい問題が出題されてくるペースに追随出来なくなって「絶版」になったと思われます。また、基本的に「記述式試験」に対応した本なので、じっくり原理原則を解く本なのですが、試験自体が「選択式試験」に変わったために必ずしも試験に合格するためには原理原則を覚える必要が無くなり、時代に合わなくなってきたということも言えるかもしれません。「選択肢を選ぶ試験」に変わってしまった事によって「答えの選択肢丸暗記」などという勉強法のみで1アマ試験に臨む受験者が多くなり、そういう受験者は「過去問題集」1冊のみを勉強し、「難しい問題であるキルヒホッフの法則、電界強度、磁界強度の計算、複素数による回路計算は覚える為の無駄な時間を省いて、いざ試験にこの問題が出てきたらあっさり捨てる」主義だそうですけど、まあ合格する手段だったらどういう方法を取っても構いませんが1アマの免許を持っていて高周波の基本も理解していないのは明らかに問題です。今の試験勉強は「なぜLRC回路の計算が必要なのか」などの基本的なことを解説する本がなくて、ただ過去問にこういう問題が出たのでその解答法を載せるということに終始しているような気がします。
 その上級アマ国家試験が選択式に変わり、選択式試験以降の新問題を解説した無線工学書がJA1MKS野口OMによる「解説・無線工学」です。「上級ハムになる本」が昭和42年の初版発行時の定価が600円、最終版の定価が1,680円だったものが、「解説・無線工学」の定価は2000年改訂版で2,800円、現最新版が2,940円です。ページ数は変わらないのにずいぶん値段は上がったものですね(^_^;) 上級アマの受験料もずいぶん上がりましたけど。
 「解説・無線工学」は選択式試験以後に出題された試験問題を解説することを基本にしていますので、無線工学全般の解説書としてはちょっと物足りない感じがしますが、これから5年10年を経て改訂を繰り返すと、無線工学のバイブルとして内容も充実してくるのでしょうか?内容充実と共に定価も3,400円くらいになるかもしれません。
 もっとも未だに「上級ハムになる本」がその価値を失わない理由がもうひとつあります。それというのは「試験を作成する側が、上級ハムになる本をたたき台にして国家試験を作成している」という噂のためです。よく国家試験に「各種の回路」に関する新問題が取り上げられることがありますが、あとで調べると「上級ハムになる本に類似問題があった」という話はよくあります。もちろんそういう問題は「解説・無線工学」に解法を求めることができません。「上級ハムになる本」→「試験問題の作成」→「試験実施」→「解説・無線工学の改訂」という図式が成り立つようです。確かに以前の記述式試験時代では基本的な回路関係の作図と特徴などを求める問題が1問くらい必ず出てきて、各種装置の回路を覚えることがまず必須でしたが、そのためか「上級ハムになる本」は回路関係に関する比重がかなり高くなっています。現代では回路を自作することは皆無になり、基本的な増幅回路さえよく理解していないまま上級アマになった人が多そうですが、「解説・無線工学」でも回路解説のウエイトが低くなり、実際の1アマ国試で真空管のプッシュプル増幅回路の動作原理を説明する穴埋め新問題が出題されたときに、額に脂汗する受験者も多かったみたいで(笑)
 ということで、受験回数が複数回に及び、藁をも掴みたい上級アマ受験者にとっては「上級ハムになる本」を入手することは必須で、上級試験前になるたびにオークションでも価格が高騰するんですが、ちょっと計算も怪しいような文系受験者にとっては取っつきにくい本であることも確かです。独立して「無線数学」の章が設けられていて、平易に計算法を解説してくれておりますが、特に中学あたりの四則計算も怪しく、三角関数も対数もさっぱりわからないような受験者は、最初は通称ガルスカ本「楽しく覚える1アマ攻略」あたりから1アマ試験の門を叩く事を否定しません。でも感覚的に3を4で割った答えが1より大きいか小さいか一瞬悩むような受験者は筆算で1アマの計算問題は無理で、まず中学・高校の数学の勉強から始めた方がよさそうです。私は上級アマ受験前に高校時代の数学事典という小冊子の世話になりました。最終的には自己努力と工夫で目標である1アマ試験を勝ち取る必要がありますが、楽して1週間くらいの勉強で1アマ試験に引っかかる方法は、今現在のところはありません。
 私が上級ハムを受験するにあたって、すでに「上級ハムになる本」は絶版で入手不可だったために、「解説・無線工学」と「第1級ハム国家試験問題集」さらに絶版寸前の「第1級・解説付き問題集(カエル本)」の3冊を入手しただけで1アマ試験は1回だけで済ませてしまいました。今回入手した「上級ハムになる本」の前オーナーは3アマで挫折してしまったらしく、我が手元に来ても「この本のおかげで試験に1発合格した」と感謝される存在ではありませんが、無線工学を忘れないためのトレーニング本として活用するつもりです。ただし寝る前に3ページ読むともうそれだけで熟睡できますから、睡眠薬代わりの存在でしょうか?(^_^;)jyou

 

 

 

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