May 26, 2014
最近は無線の資格試験に関してはまったく興味が湧かないため、各試験期の上級アマ試験問題の出題傾向などを調べることもしなくなりましたが、最近、総務省によってとても興味深い制度の変更がなされようとしています。それというのも従来は上級アマ資格と呼ばれる2アマ1アマには養成講習制度が無かったのですが、今後は2アマの資格を養成講習で取得できるようにするため、5/23日まで総務省が2アマ講習に関するパブリックコメントを求めていたのです。過去はモールスの受信試験の廃止などにもパブコメを求めていましたが、過去に総務省がパブコメを求めるときはすでにその制度変更されることが決まっていて、最初から結論ありきでのパブコメ募集であることは火を見るよりも明らかなのです。
しかし、この期に及んで2アマの養成講習なんか必要なんでしょうか?果たして誰のための制度変更で誰が得をするのかをよくよく考えてみる必要があります。
すでに3アマの養成講習がモールス受信の予備試験を要しなくなって新たな制度で行われるようになって7-8年は経過したと思いますが、その間に数万人の4アマ所持者が1日の養成講習で3アマを取得しました。当初は全国各地津々浦々で行われてきた3アマの養成講習も限りある4アマ所持者が3アマにことごとくアップグレードしてしまうにしたがって受験人数も頭打ちになり、開催初期のころの活気はまったくありません。そもそもは養成講習にアマチュア無線機器メーカーやショップがぶら下がっており、3アマ講習の新制度による実施によって莫大な無線機買い替え需要を目論んでいた節があったのですが、実際に講習会にいち早く駆けつけたのは長年上級のふりをしながら免許をさらされてから過去の勢いを失ったOMたちを含む万年4アマ資格からのアップグレード組で、「資格4アマ、無線設備は1アマ」という実態があたりまえだったため、HF 10W機から50W機への買い替え需要増大という目論みは完全にあてが外れてしまったのではないでしょうか?
3アマ養成講習で数万人の新3アマ資格取得者が生まれたのにもかかわらず、それからアマチュア無線関連メーカーや小売店が続々と廃業や倒産に追い込まれたのを見ても、この養成制度変更がメーカーやショップの実利に繋がらなかったことは確かなようです。その3アマ養成講習が頭打ちで、次のビジネスチャンスをなんとしてでも得ないとアマチュア無線ビジネスは消滅してしまうという危機感を強めた無線機器関連メーカーが総務省に働きかけ、まず2アマの養成講習を実現しようとしているというのは、おそらく本当のことでしょう。
そもそも、そういう働きかけでもなければ総務省が自ら資格制度の変更を切り出すことが無いと断言できます。総務省が大してお金を生み出さないアマチュア無線資格のことに自ら深く関与する暇があったら、携帯電話関連の周波数確保の策のほうが大切でしょう。逆に言うとアマチュア無線の資格なんぞ、3アマであろうと2アマであろうと大して大きな差は無いと考えているのかもしれません。しかし、3アマにアップグレードされた人たちはすでに「資格3アマ、設備は上級アマ」の人たちであり、大人数の現3アマ所持者が2アマにアップグレードされたところで無線機器の買い替え需要が起こるはずもなく、内緒で使用していた無線機が晴れて正式な設備として固定局免許を交付されるだけで、今回も2アマ講習を総務省に働きかけた無線機器メーカーやそれにぶら下がるショップには実利がないであろうことは容易に想像できます。この2アマ養成講習で一番得をするのは、いままですべて養成講習で国家試験を一度も受験しないまま3アマから2アマにアップグレードしようとする現3アマ所持者だけなのです。さらに長年上級のふりをしながら免許状をさらされてからほぼQRT状態の人たちの復権のための救済処置か?なんて考えてしまいます。2アマ講習会で免許を取得しようが上級資格の免許状になって何年も経過してしまえばもうコールサインさえ古いとなるといつ上級免許になったかはわからなくなります。この現象を称してマネーローンダリングならぬライセンスローンダリング(免許状洗浄)というかどうかはわかりません
個人的には今までまったく試験の勉強もしてこなかった人たちが4アマから2アマまですべて講習で取得することに関しては心情的にはあまり賛成できません。アマチュアである限りはこの手のことに関しても自己訓練があって然るべきだと感じてます。まして、過去に上級のふりをして我が物顔にオーバーパワーしてきた人たちの実情に合った免許を誰でも公平に受験することの出来る国家試験抜きで、実質的に金銭で与える事になることはおかしいと感じます。しかしまあ、今更どうでもいいというのが本音ですが、1アマまで養成講習を実施しようとしたら、本気で制度変更に断固反対するかもしれません(笑) 今後は年3回の2アマ試験の受験者がほとんどいなくなってしまうのが予想されます(モールスのある10年ほど前の2アマ試験も受験者は10名少々しかいませんでしたが)。実際に2アマの試験勉強をして試験に合格するのと養成講習で取得する労力の差が4アマ3アマ試験と養成講習の比とはまるで比べ物にならないからです。しかし、養成講習での2アマの免許は総務大臣名での発行に値しませんから、4アマ3アマ同様に総合通信局長名での発行に変更してもらわないと割が合いませんね。
しかし、こうなると2アマの取得者がまた万単位の数で増殖し、それ以上の養成講習受講者が頭打ちになったとなると、次に手をつけられるのは最後の牙城「第一級アマチュア無線技士資格」となるかもしれません。ところが1アマには他のアマ資格では認められていないアマチュア設備などの第二種点検事業者として業務に就くことができるというプロの無線資格という側面があり、果たして1アマの養成講習が何年か後に総務省によってパブコメが募集されるころには、1アマの資格からこのプロの条項がばっさり切り捨てられる可能性は大いにありそうです。
来年あたりから本格的に14メガあたりで日中「道の駅何番!」というような声が盛んに聞こえて、そこに群がる局がパイルになっているようなことを想像すると、14メガもつくづく住みにくくなってしまうのではないかと考えますが、2アマ人口が爆発的に増加すれば、日中14メガの7メガ化は避けられないでしょう
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July 13, 2010
JQ1OCRさんの計算尺MLへの情報によりますと、総務省に代わって無線従事者国家試験を実施している日本無線協会が来年度4月からすべての無線従事者国家試験への計算尺持込を禁止にするということが日本無線協会のHPで発表になったようです。
計算尺が製造されなくなり、計算用具の表舞台から撤退してすでに30数年を経過しながら、「計算機持ち込み不可、計算尺なら持込可」の数少ない国家試験が無線従事者国家試験でしたが、そのねじれ現象もついに解消されることになってしまったようです。しかし、総通・陸技試験を含むすべての無線従事者国家試験が記述式から択一式問題となり、計算過程を書き込む必要がなく、正解の選択肢を選べば良い試験になってしまったため、計算問題も「有効桁3桁くらいを概算で計算し、位取りさえ注意すれば5択の答えの数値の近似値を選べば良い」ことから、いちいち計算過程での数値を書き込むために有効な計算尺がもはや不要になったことは否めません。また、アマチュア無線技士の国家試験は最上級の1級アマチュア無線技士試験でも「計算問題のほとんどを落としても他の問題がすべて正解なら合格ラインに達する可能性がある」ことから、計算尺は検算くらいにしか利用価値はなくなったというのが現状でしょう。日本無線協会が発行している「電波受験界」も昭和40年代末から50年の初めくらいまでは毎年「電気計算における計算尺の使い方」のような小冊子が付録として付くことがあり、手元にも一冊ありますがこの時代はまさに計算尺なしでは記述式の予備試験さえ突破するのは難しかったのではないかという気さえさせられます。
十数年前に一陸技を取った高校同期は試験に持ち込む計算尺をトラブル回避のため、「HEMMI No.2664Sを選び裏側の換算表をわざわざ抜いた」そうですが、2664Sクラスだったらこれからもわざわざ持込禁止にしなくてもよさそうな気もしないではありません。しかし、計算尺が普通に入手できないという事態から試験の公平性を欠くという意見や、試験官自体も元郵政省技官あたりから天下りした爺ちゃん試験官が退職し、計算尺をまったく知らない世代が試験官を勤める状況になって、過去の慣習をを一掃したというのが真相でしょうか。日本無線協会自体で試験持込用指定計算尺でも作って頒布すりゃいいのに(笑) 当方も過去10枚の無線従事者免許を取得するにあたって試験に計算尺を持ち込んだことはありません。もっともせいぜい下級通信士くらいの資格しか取得しませんでしたが、過去にも書いた「大量の計算尺を試験場に持ち込み、試験官のチェックを手間取らせる」こともできそうもありません。今から申請が間に合うのは来年2月の通信士試験もしくは陸技試験ですが、さすがに科目も多くなるので今からの準備じゃ間に合いそうもありませんしね(笑)無線免許として目いっぱい資格を利用しているのは現状アマ局運用可能資格として第二級アマチュア無線技師、かろうじて四アマ講習会講師としての要件として第一級アマチュア無線技士の2枚だけです。
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April 11, 2006
上級アマ試験で以前替え玉受験が判明し、どういう罪状を食ったのか忘れましたがおそらく執行猶予付き有罪の私文書偽造の罪と行政処分として従事者免許を取り消され、以後しばらくは電波が出ていなかったのではないかと思われます。ところが前回12月の上級アマ試験から3アマ所持で通信術が免除された為に、以前の試験にくらべると何倍もの受験者が押し寄せ、会場が分散したこともありチェックが甘くなったことから替え玉受験が紛れ込んだのではないかという、おそらく根も葉もない噂の類でしょうが、そんな話がありました。その手口というのはいろいろなトリックが考えられますが、ここであれこれ書き込むと模倣犯が生まれそうなので控えます。要するに必ず2人1組で解答用紙提出時にわからないように解答用紙をすり替えて提出するのですが、大人数で一斉に解答のマークシートを提出して退出するときにいくらでも二人で受験番号を書き換えたマークシートをすり替えるスキも出来ますし、おそらく他人の受験番号のマークシートをそのまま提出してもわからないでしょう。この二人一組でマークシートをすり替える手は、以前の他人になりすまし受験より発覚する確率は低いと思われますが、この辺りは手を挙げると試験の執行官がマークシートを回収に来る試験や、受験番号で着席場所が決められている試験に比べると極めてセキュリティが甘いと思われます。受験者20人だったら目配りも出来ますが100人を超えるとそのあたりも怪しくなるかもしれません。以前は1アマも2アマも別の通信術試験がありましたが、通信術試験は解答用紙を後ろから回収しました。そのために受信用紙に他人の受験番号を書くのは極めてリスクのある行為だったのですが、3アマ所持で通信術免除になり、法規と工学だけの試験では替え玉犯罪の手口としては極めてやりやすくなったのではないかと心配してます。所詮アマチュア無線の従事者資格ですから、医師国家試験と違って後々他人の生命を脅かすことになる危険はありませんが、替え玉受験は4アマ100Wあたりと違って社会的な罪の大きさは測り知れません。アマチュア無線の上級試験において過去における替え玉受験の摘発例は2件だと記憶してます。両方とも単純に自分が申し込んだ試験に他人が写真を貼って受験したという手口で、最終的には無線従事者資格原簿あたりの過去の写真と受験票の写真が違うために電波監理局から警察に告発されたということで立件に至りました。おそらく電波監理局(現総合通信局)が動いたのは不正受験があったという密告を外部から受けたからでしょう。特に資格をすでに所持していることが知られている替え玉が試験場で知り合いに見つかれば「怪しい」ということになり、すぐに噂が立つでしょうし、替え玉受験立件の2件目の方は、替え玉が無線機屋の経営者だったらしく、こんなのはすぐに目撃談が広がってしまいますな(^_^;) 一件目の方は替え玉の顔が知られていない他エリアでの受験だったようですが、他エリア受験は無線協会の方に最初から「怪しい」とマークされていたのかもしれません。
先に捕まった記念すべき替え玉受験摘発第一号さん、コールサインを検索したらしっかり免許状が未だに生きていました(@_@) それも事件から10年経過しているのだから、その後ちゃんと自力で上級資格取ったのかと思ったら未だに電話級10WでCWナシのまんま。電波法違反で罰金刑以上の刑になったわけではないので、どうやら不正に取得した従免だけ取り消されれ、電話級の従免だけは残ったのでしょうか?その後、汚名を濯ぐために努力して上級資格を取り、恥ずかしいから別なコールで上級局の運用をしているのなら話は別ですが、どうも替え玉受験の時から成長してないのかしら?
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March 28, 2006
6エリアのOMさんから聞いた話です。今から20年近く前の、まだ和文受信も送信もある1アマ試験に仙台の70代のご婦人が受験して1発合格を果たし、地元の新聞記事にも掲載されたのだそうな。この方、長年無線をやっていて電話級取得から段階を経て第1級アマチュア無線技士の資格を取得したわけではなく、何とアマチュア無線の資格はまったく無くて、初めての資格取得が1アマであり、それも通信術・工学・法規の習得もすべて独学での1発合格だというのですから恐ろしい。
当時は和文モールスの習得がネックで2アマに甘んじていた人が多かったなかで、最難関の資格にふさわしかった1アマを独学で、しかも70代という普通の人なら新しい人の顔も名前もすぐに覚えられない人が多い中での努力の積み重ねを結果にしたのは、もう脱帽するしかありません。息子さんはアマチュア無線をされていたようですが、このご婦人、アマチュア無線をすることが目的ではなく、最難関の資格取得が目的で、自分からは開局しないで終わってしまったのではないかと想像しましたが、その後どうなったかの話は聞き漏らしました(^_^;)
自分も「人の名前が覚えられない」老化現象はすでに30代前半に来していたような気がしますが、それにしても「唯一1アマのみの取得」などという格好の良いことは、並以下の頭脳の自分には出来ません(^_^;) 運用よりも資格が欲しかった自分は「1アマ取得するまで一切電波は出さねぇ」と突っ張ることくらいでしたが、運良く2アマを取得した4ヶ月後の1アマ試験に受かっていなければ「1アマも2アマも出力以外の操作範囲は同じだからkW運用でもやらない限りは1アマ試験なんて時間のムダ」という1アマ不要論者に変貌し、一転前回の12月期試験で改めて1アマ試験に駈け込むような事をしていたかもしれません。たまたま15年4月期の1アマ試験にマグレで1発合格したために、その後アマチュアの資格関係には時間を割くことなく運用の方だけに専念することが出来るようになったわけですが、それにしても専門教育も受けず、予備知識もなくて和文モールス実施時代の1アマ試験に70代の女性が1発合格するというその努力を、コールサイン取得後はその資格の操作範囲に関係なくやりたい放題の人、ならびに「1アマ取るなんて時間のムダ」と言う人に見習ってほしいような感じさえします。自己努力はいつか結果を出すことが出来るという事は真実でしょう。結果が出せなかったということは、努力が足りなかったということを反省しなければ。4月期上級アマ試験受験の人、がんばれ!
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February 24, 2006
4月に行われる平成18年度第1回上級アマチュア無線技士国家試験は20日月曜日で試験申込が締め切られましたが、知らないうちに今年から試験順序が変わり、午前中に法規の試験と電気通信術、午後からが無線工学の試験となったそうです。以前から無線工学を午後に持ってきて欲しいという話はちらほら出ていましたが、どうしてこういう試験順序にしたかというと、万が一通信術で失敗しても次の試験につき合わないで棄権して帰れるようにということらしいのですが、以前のような「通信術によって選別される」試験と違って、受験者が殆ど通信術試験免除であり、まったく素の状態から1ヶ月もあれば合格水準に達することが出来る通信術試験を今さら午前中に持っていっても別にどうでも良い配慮だったかもしれません。法規と工学の順番が入れ替わったことに対しては、昼休みに復習できるからそのほうがありがたいと歓迎する人がいる半面、一夜漬けで覚えた工学問題を法規の試験が間に入ることによって忘れてしまう人もいるかもしれず、どちらがいいのかわかりません。個人的には昼食後の満腹の状態よりも、午前中の頭脳の方が覚醒していて集中しやすいような気がしますが…。4月からの上級アマ試験はくれぐれも昼食は軽くするか抜いて、頭脳の覚醒状態を保たなければいけないかもしれません。しかし、今回の試験は前回試験で取れる人が取ってしまった後だからか、ちっとも盛り上がりません。もっとも今回の試験は、上級アマの規制緩和状態が今後も続くかどうかの重要な見極めになる試験となるはずです。前回の合格率からすると、意味もなく少し難しくなる傾向になるのかな?そうなったら再度1アマ試験に「計算尺」の出番があるかもしれませんぞ(笑)
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February 05, 2006
12月期上級アマチュア無線技士国家試験が終了して合格者に従事者免許が交付になったと思ったら、もう4月期の受験申請受付が2月の1日から始まりました。今回は旧3アマ並通信術試験の25字/分の速度で50文字受信となった2回目の試験となります。試験制度改正直後の筆記試験は難易度が下がる傾向にあると言われますが、12月期の1アマ試験申請者は8月期申請者に比べて驚いた事に6倍に達し、合格者551名は8月期の14.5倍。2アマ試験申請者は8月期比で3倍の893名に達し、合格者316名は8月期の4.5倍の人数だったそうです。制度が変わることがわかっていた8月期は受験を見送ってしまった人が多かったようですが、1アマの合格者数551人は通常期の試験だと約3年分の合格者数になる計算です。合格率も実受験者に対して1アマは39.1%、2アマは47%だったそうで、この数字はもはや危険物乙4類や2級ボイラー技士、第2種電気工事士なみの合格率になりました。ということは、通信術の出来不出来で受験者が否応なく選別されていた時代は5人に1人、もしくは4人に1人くらいしか合格出来なかったものが、モールス受信の事実上の撤廃で誰でも勉強さえすれば合格が可能な、2人に1人は合格出来る試験に変わったのです。専門分野の資格試験はさすがにどんな試験でもまったくテキストや問題集にも目を通さずに合格出来るものはありませんが、3日くらいの勉強で十分なものは沢山あります。上級アマ試験は通信術がネックで、まったく白紙の状態から1週間で合格することはムリでしたが、今となっては3日間の要点整理で、もしかしたら合格が可能かもしれません。
以前、当ブログでは2アマからのステップアップで1アマ受験を奨めていましたが、通信術が旧3アマ所持で免除になった今は、もはや2アマから取得する意味がありませんので最初から1アマ受験にしましょう。12月期の1アマの出題傾向が続くとすると、過去問と原理原則さえしっかり把握すれば合格点を取ることはたやすいと思います。以前は「1アマを取ったところでkWを申請するわけではなし、結局2アマの運用範囲で十分なんだから1アマを受験するのは時間のムダ」なんて事を申す人が必ずいたものですが、今となっては2アマだけ選んで受験する意味を見いだせません。1アマ試験で万が一、失敗したときの保険の意味で、滑り止め2アマ受験なら大いに推奨します。1アマに失敗しても2アマに合格していれば、とりあえず200W超の出力以外は1アマと同じですからね。(厳密に言えばアマチュア局の第二種認定点検業を申請出来るのはアマチュア資格では1アマだけです。ここだけは金銭の絡むプロ資格です)
また、1アマには高校程度の数学知識が必要だということで、電気数学の基礎程度は勉強しておいたほうがいいとも書きましたし、試験でせっかく使用可能なのだから、学生用の計算尺で構わないから1本あれば便利だとも過去に書きました。どうやらそれも今後は必要なさそうです。過去に通信術試験と無線工学に苦労しながら受験した時代に比べると隔世の感がありますが、せっかく旧3アマ持ちであれば通信術免除で受験できるのですからチャンスを不意にせずに4月期に向かって1発合格を目指しましょう。そのためには忘れずに2月20日までに受験申請しなければいけません。
ただ、4月期も12月期同様な割と答えを導き出すのが容易な過去問ばかりの問題構成だったらよいのですが、通常期とあまりにもかけ離れた合格率を叩き出した事で、少しだけ難易度が上げられることは十分考えられます。4月期も12月期程度の問題しか出ないという保証はどこにもありませんぞ(笑)確かな自信を付けるためには、やはり人以上に時間を掛けて自分で納得するまで勉強するしかないようです。
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January 29, 2006
地元で2回目となる3アマ養成講習が開催されました。今回は前回の3アマ講習に落ちたら恥ずかしいとやら仕事が忙しいと言って申込を先延ばししていたら、早々にトラックの運転関係の人で58人の定員が埋まってしまったために参加出来なかった地元の4アマアクティブ諸氏が定員の1割強くらい集合しました。今回も年末までにはすべて予約で埋まってしまったために、けっこう間に合わなかった人が多かったと思ったのですが、是非とも取って欲しかったローカル局が申込に間に合ったために「支部として積極的に3アマ講習を推奨して支部会員の資格の底上げを図りたい」という当初の目的をかなりの部分で達成しつつある感じです。まあ、相変わらずトラック運転関係者が殆どを占めることには変わりなく、話を聞いたら製紙工場用の木材チップのトレーラをうちの近所で毎日牽いているトラクタのあんちゃん集団がいて、「誰だかが取ったから自分も3アマを取る」という、別に3アマで無ければいけないことの目的もなく、「無線やっている者の一種のステータス」としての3アマ養成講習参加という話でした。今回の講習の参加者中1/3が日高山脈を越えた十勝・釧路方面のトラック関係者とのことで、そちらの方面で行われた講習に間に合わなくて荷下ろし先の我が町での講習参加になったようです。3アマの短縮講習ですから全員電話級もしくは4アマの従免を持っていますが、平均的にも4アマ取得後8年から10年くらいのベテランが多く、見開きの30数年前の免許証を持ってくる人もいたようです。中には昨年9月の発給ですから確か8月の4アマ講習で4アマ従免を取得してもう3アマ講習に現れたおにいちゃんもいましたが、モービルのベテラン揃いなので、過去に電波法検挙歴のある人も何人も(笑)10年以上前に違法CBでとっ捕まって、それからまじめに4アマ免許を取得して10年経つんですから、3アマ免許発給に関してはお咎めナシでしょう。とにもかくにも3アマ講習の人気たるや、今や4アマ講習の実施予定数を遙かに上回り、4月からの新年度からの実施予定数も3アマ講習のほうが上回っているというように試験執行者の方が言っていましたけど、今現状で開局している4アマ従事者免許所持者の半分以上は1年以内に3アマ短縮講習によって3アマ化することも現実味を帯びてきました。現に前回と今回の3アマ講習によって地元の老舗地域クラブは4アマ所持者は数人を残すだけとか。今回夫婦揃って3アマ講習参加って人も何組かいましたしね(^_^;)
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December 27, 2005
12月期上級アマ国家試験の結果通知が26日に発送になったようです。早いところはすでに届き始めたようで、各地から喜びの声が上がっているようですが、みなさんは如何でしたでしょうか?
やっぱり通信術が免除になり、筆記試験にだけ没頭できた学習効果は確かにあったようで、「4アマ取得して1年目で2アマ1アマダブルで合格」なんて話を聞くと、通信術があったために4アマ取得から1アマ取得まで1年半だったわたくしのケースは、かなりの最短距離という自負は確かにあったのですが、これからは「なんだ1年半も掛かったのか?」なんて言われてしまいますねぇ(^_^;) ちょっと悔しいなぁ(笑)
でもまあ、モールスで交信するもしないも以前の試験では通信術に合格しないと免許はもらえないわけですから、そのときやった通信術訓練のおかげでモールスの聞き取りはしっかり身に付きました。今回の上級試験合格者でこれからモールスの自己訓練にどれだけの人が精を出すかはわかりませんが、アマチュアの本分は「自己訓練」にあるので、電鍵くらいは手元に揃えておいてもらいたいですね。無線局設備に電鍵なくして「1.9MHz」の周波数割当はおかしいですぜ(笑)
しかし、難解な計算問題がなかったとはいえ、まったく勉強してない人まで「合格」通知をくれるほどの甘い試験ではありませんが、確かに「原理原則だけしっかり理解出来ていれば正解を導き出すことの出来る」工学問題だったことは確かなようで、その分「一言一句正確に覚えていないと正解を導き出せない」法規のねちねちした引っ掛け問題に戸惑った人が多かったようでした。けっこう「法規は1日で済ませた」などという人が多かったみたいでしたが、「重箱の隅を楊子でほじくり出す」ような出題が1アマ法規なので、初級アマ試験の「電波法の大まかな原則」程度の考えで法規をおろそかにして、法規試験でしっぺ返しを食わされた受験者が多かったんじゃないの?(^_^;) ともあれ、3アマ所持で通信術が免除された初めての上級アマ試験の結果が通知されて、確実に上級アマ所持者が増えました。そのおかげで、これから14メガ電信電話部門のコンテストライバルが増えて、自分的には「軽くヤバい」状況になりつつあります(笑)
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December 12, 2005
先週の土日に行われたアマチュア無線史上初めての旧3アマ並通信術上級試験は、各地で1アマでここ毎回の平均受験者数の約3倍強、2アマで2倍ほどの受験者が集まって行われました。なにせ3アマ以上所持で通信術が免除になったために、実際に通信術を受けた人間は1割ほどしかいなかったようです。東京では通信術ありの受験者が晴海、通信術免除の受験者が澁谷に分けられたほど人間が集中したようで、東京に限っては1アマ受験者は5倍ほども集まったような。それも受験年齢層が以外に高く、40代より上の世代がかなりたくさん集まったというお話し。この年齢層の人たちが通信術免除で1アマ試験に押し寄せる理由が今ひとつわかりません。若い人ならいざ知らず、無線界ではかなり有名人なOM氏なのに、「通信術免除で取得した白免」だと格好つかないでしょう(^_^;)
それにしても今年度のBDHコードの1アマ免許所持者は気の毒です(笑)通信術あり、実質なしの免許とも同じ免許コードで発給されるんですから(^_^;)
ところで、今回の上級試験は大方の予想を裏切って1アマ2アマ共に殆ど過去問題から出題され、難しい計算問題が殆ど出題されずに、過去にこんなに点数の取りやすい問題は出題されたことがなかったというくらいの大サービス問題だったらしいです。そのため、1アマでも2アマでも無線工学は殆ど満点に近かったという受験者の声が続出しております。割と制度が変わった第一回目の試験問題は難易度が低くなる傾向があるという噂はありますが、無線工学で合格点に達しなかったという話が殆ど聞こえてこない(落ちたら言わないだけ?)ために、この噂というのも信憑性がありそうです。また、1アマ2アマの双方を受験した人の話を総合すると、今回の無線工学に関しては殆ど難易度に差を感じられず、過去問を一通りやっただけで楽に合格点に達することが出来たと言うことでした。
今回の上級試験から実質的に通信術がなくなったも同じになり、通信術に明確な差が存在しなくなった以上、1アマと2アマのボーダーさえ怪しくなってきました。以前は1アマと2アマには通信術で明確な差があり、無線工学でもデシベル等の対数計算、ベクトル、複素数によるインピーダンス計算、磁界強度電界強度の計算、キルヒホッフによる閉回路の計算等で中学の数学レベルと高校の数学レベルとの違いがあったのですが、これらの計算問題を極力廃して「基本原理原則の理解度を問う」試験に変化したら、もはや2アマの存在意義なんてまったくないでしょう。当方、いままで上級試験は2アマを取得してから1アマを取得するべしと訴えてきましたが、今後こういう状況が続く限りは「2アマの試験なんか時間のムダだから、迷わず1アマを最初から目指すべし」にポリシーを変更しなければいけませんな(^_^;) どうやらこんなアマチュア上級試験には計算尺も必要ないようです(笑)でも情報によると、ヘンミの計算尺が入手できないからコンサイスの円形計算尺をネットで入手して持ち込んだとか、検算用にヘンミのポケット尺を持ち込んだなんていう人もいたそうで、試験官もかなり熱心に計算尺のチェックを行っていたような試験地もあったようです。もし自分が上級試験を受けるとしたら「無線試験計算尺で突破同盟」の主宰として各種計算尺を20本くらい持ち込んで、それ全部に「使える・使えない」のお墨付きをもらって来たいのですが(笑)「夕陽のガンマン」というマカロニウエスタンで、黒ずくめのリー・バンクリーフ演じる賞金稼ぎが馬の鞍から丸めた毛布のロールみたいのをほどくと、各種ライフルがずらりと格納されており、その中からバントラインスペシャルみたいな長銃身のシングルアクションアーミーにストックを装着してお尋ね者を狙撃するというシーンがありましたが、無線従事者試験で、ケースをほどくと各種計算尺がずらりと出てきて、唖然とする試験官に「早いところ使っていいものと悪いものを選り分けろ」なんて言ってみたい(^_^;) ただ、そのためだけにもう一度上級試験を受験する気はさらさらありませんが、自分はあの試験という殺伐とした雰囲気に慣れてしまって、一種の中毒症状を来すくらい好きなんだなぁ。
8エリアでは当初のほぼ予想通り1アマ受験者が79名、2アマ受験者が34名、そのうち1アマの通信術受験者が約10名、2アマの通信術受験者はたったの3人だったようです。これを見てもほぼ「ノーコード試験」と化した上級試験でしたが、通信術免除になってのこのこ上級試験に出てきた40代より上のベテランと思われる人たちが札幌会場でも多かったようです。知り合いに首尾を尋ねても「ほぼ楽勝」という声しか聞こえてきません。今回の上級試験は1アマも2アマもことによると通信術のあった3アマ試験並の合格率になるかもしれませんし、事によると約65%の合格率の4アマ試験より高い合格率をはじき出す事だって考えられます。そうなったら「4アマ試験より1アマ試験のほうが出題範囲が限られるので簡単」なんて言い出すヤシが出やしないか?(^_^;)
ともあれ、1アマの免許をもらったのだったら「CWやる気がないからモールス覚える気もない」電話バカじゃしょうがありませんし、落成検査自己点検資料の数値の計算さえ出来ないのも困りものですが、それを恥と思わない自己訓練意識のない人にはつける薬がありませぬ…orz
又、今回1アマを受験した人の中からも「何のために公式を覚えたのかわからんから、1アマ試験はもっと計算問題を重視するべきだ」なんていう声も上がっているんですね(^_^;) よっぽど拍子抜けして、今までの努力をどうしてくれるのかとでも言いたいのでしょうか?そりゃあ受験者の中にはいくら実質ノーコード上級アマでも、誰でも合格してしまうような出題に反発して、あまり努力しなかったヤシと結果が一緒なのは納得できないという人も中にはいるようです(笑)さて、今回試験の結果では4月期に3アマ2アマさえスキップして4アマ所持からいきなり1アマ試験にやってくる人間が大量発生する予感。それでもいいんです。大学入試と違って定員があるわけじゃないし、3アマだって各地でだいたい60人単位で大量に生まれているんですから。そうなると、一旦引っ込んだ資格統合の噂が、そして上級アマ養成講習講座の話なんかが浮上してくるのかな?しかし、1アマの養成講習なんか始まったら誰が講師やるの?そうなったら単に1アマ所持ではダメで無線工学は1陸技、法規は1総通の資格の枠がはめられ、1アマ2アマ資格だけの養成講師は用済みです(笑)でも、うちのローカルにはそんなやつ居らへんやろ〜ということで、JA8コールのブラスバンドの同期が文部科学省技官退官してつくば市から帰ってこないと1アマ養成講習講師のなり手がない。こいつだったら1総通1陸技でおまけに1アマ持ちの教職持ちだから講師には申し分ないでしょう(^_^;)
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December 05, 2005
地元で11月20日に開催された初の3アマ養成講習は58人誰1人としての不合格者も出さずに全員合格という事になりましたが、次回は1月29日日曜日に第2回目の3アマ養成講習が開催されます。前回は少しでも運用の現状に近づいて欲しいようなローカル4アマ局が、何らかの理由を付けて殆ど参加せずに早々に遠来のトラック運転手で予約が埋まってしまいましたが、次回の講習はローカル局も少なくない人数がやってくるような話です。というのも1回目の講習を受けた人間がどうやら仲間を盛んに誘っているというか引きずり込んでいるようで、開局2年目くらいの地元クラブに所属しているトラ運が、開局8年目くらいの4アマのクラブ先輩に対して3アマ講習がいかに簡単かということを自慢げに話するわするわ。携帯メールでこんな問題が修了試験に出たなんて送ったりして、大人だからあからさまに態度には出しませんが、自分が3アマを取ったというアドバンスを強調したくてたまらない様子で、聞いていてこっちが恥ずかしいくらいでした(^_^;)
免許状144/430のFMだけで、3アマ取ってどうするのって突っ込みたいくらいでしたが、やっぱり4アマ集団の中にあっては3アマになることにかなりのステイタスを感じる人が現実に多いようですね(笑)まあ、そのコンプレックスをうまく利用して各地で大盛況なのが3アマ短縮養成講習なんですが、今回の58名全員合格ということは、8エリア過去数年間における平均の年間3アマ合格者数より1回の養成講習で輩出される3アマのほうが遙かに多いというわけです。全員、3アマは前から欲しかったけどモールスやる気も覚える気もなく、まして試験なんか受けたくないっていう人たちばかりなんでしょう(^_^;) でもこのトラ運氏、モールスは事前に全部覚えたって言っていたな。
そういえば当方が受けた4アマ講習以降に地元講習会出身者で3アマを試験で受けて現3アマになっているのは当方含めて2人だけです。その1人というのがコンテストで当方がちっとも敵わない相手なんですねぇ(笑)彼の場合はCWがやりたいから3アマを試験で取ったという話ですが、彼がCW打っているのは聞いたことがないな。それでも25文字/分の通信術とはいえ、現上級アマと同じ通信術をこなしたんですから、3アマを取得するにしても法律が変わって短縮講習に通信術も無くなったから3アマを取得するという人の志とは違うでしょう。今回、彼が2アマもしくは1アマまで受験するのかどうかはわかりませんが、たぶん酒飲まずに勉強に専念しろといってもむりな性分だと思われますが(笑)
ところで、当方の場合は何で3アマを取り、その後半年で2アマ1アマまで取ったのかよく考えてみると、別にCWがやりたかったとか、運用上有利だとかどういう動機じゃなかったような気がします。単に「資格が欲しかっただけ」かもしれません。そうすると志としては3アマ講習に群がる人たちとまったく変わりませんな(^_^;)
でも少しだけ言い訳させてもらえば、出力とか周波数の制限を受けるのがばかばかしいと思ったからで、早く「アマチュア無線局の操作」だけの操作範囲の資格になりたいという事のファーストステップが3アマ取得だったのかもしれません。また、30年前に中学の同級生達が、電話級を取得した後に間をおかずに電信級を取得していた姿を見ていて、正しいハムはこうあるべきという固定観念があったことも動機の一つかも。そんな訳で自分が3アマであった期間というのはたったの2ヶ月間だけでした(笑)
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