February 22, 2014

PC-98DOの電源修理

140222_113007_2  これ以上、場所をとるデスクトップのPC98を入手しないことにしていたのですが、TEACの5"FDDのFD-55GFRの98フォーマット対応のものを部品取りするためだけに入手したのがこのNEC PC-98DOなのです。PC88とPC98のハイブリッドPCであるPC-98DOは1989年ですから平成元年の発売です。当時のPC98はPC-9801RAあたりのCPUが386あたりが標準で、すでにV30ではデスクトップ機としては時代遅れでした。まもなくDOS系のゲームも286以上を要求されたり、拡張メモリーを要求するようなものが出始めると、早くも役目を終えてしまうという中途半端な存在で、CPUもサウンドも強化されたPC-98DO+がまもなく発売されたのですが、時代は8ビット機から完全に16ビットに変わり、PC88とPC88のハイブリッドというのも意味を失いました。しかし、PC-8801 Mk-II SRなどより軽くて小さい筐体でPC88とPC98の双方の機能を切り替えて使えるというのは2台のPCを置いておくのより、はるかに省スペースになります。ともあれ、PC-98DOの発売当時はまた個人もちのパソコンなど所有しておらず、ひそかにMacintoshのシステム一式導入を目論んで会社出入りの事務機屋からMacのまったく飾りっけのないモノクロパンフなどを集めて、その桁違いの価格に呆然としていた時代でしたので、PC-98DOが発売されたことなどまったく知らず、またPC88とPC98の複合の意義さえわからなかったというのが本音です。仕事に使用するパソコンにしても複数のビジネスソフトによる定型業務しかこなしておらず、わずかに表計算ソフトを使用して簡単な業務用ソフトとしてカスタマイズするくらいで、マシン語やプログラミングに関してはまったく知識がなく、今の一般パソコンユーザーレベルの状態だったことは否定できません。まあ、config.sysの呪縛やコマンド入力によるCUI環境がいやでもっと敷居が低いMacintoshのGUI環境に逃げ込みたく、個人用だったらMacということに短絡的に考えたわけですが…。
 茨城の業者が珍しく複数台、PC-98DOのジャンクを出品していまして、通常ジャンクでも結構高いのですが、電源が入らないということが敬遠されたのか1.25k円で入手したものです。所詮FDD取りとして入手したのですが、いちおう電源をチェックしてみると、何個かの液漏れコンデンサが見つかり、とりあえず平滑系の大容量コンデンサを除いて小容量コンデンサをすべて手持ちの新しいものと交換し、電源を入れてみるとちゃんとファンも回り、通電しました。出力を可変抵抗で規定電圧に調整し、再度電源スイッチを投入するとファンも回らず通電もしません。再度電源部分を分解し、残った大容量の平滑系コンデンサの半田を融かして基板から外してみると、耐圧25Vの560μFという中途半端な容量の電解コンデンサの底が膨らみ液漏れしてました。LRCメーターに掛けても規定の容量がなく、どうやらこれが再度の通電不良の原因だったようです。しかし、手持ちには470μFのコンデンサしかなく、容量の小さいコンデンサに置き換えるのも心配なので、同じく手持ちの100μFのコンデンサを並列に半田付けし、合計570μFの容量を稼ぎ出しました。あと近辺に2本の1500μFのそれぞれ耐圧25Vと50Vのコンデンサもあるのですが、本来なら無条件で交換するところ、このクラスのコンデンサの手持ちがなく、LRCメータでの容量チェックでも問題なかったので、元に戻しておきました。基板に付着した電解液をエレクトロクリーナーで徹底洗浄し、電源部分を組み立てて通電すると、今度はちゃんとファンも回りますし電圧も正常に出ています。マザーボード部分はバージンの状態を知らないのですが、どうも表面実装のコンデンサがある程度足つきの電解コンデンサに付け替えられているような気がしました。そうなると、一度修理で手を加えられた個体だったのでしょうか?バックアップの電池が液漏れしている以外にはマザーボードには問題がありません。FDDのFD-55GFRは制御基板のコンデンサ容量低下でI/O ERRORを起こすことがありますが、目視では判断がつかないことが多く、とりあえず内部のクリーニングとダイカスト部分が長年湿気にさらされたためか粉を吹いている部分があり、これを真鍮ブラシでクリーニングしてブロアを掛け、ヘッドクリーニングとグリスアップを行ってオーバーホール終了。最終的に組み付け直して電源を入れるとちゃんとピポ音がして起動するようになったようです。それで液晶モニターをつないでPC98キーボードをつないでスイッチを再度入れてみると、ディスクのシステムファイルを探したのち、N88ベーシックの「how many fail (1-15)」がちゃんと表示されました。それじゃFA2用に用意したFDからDOSを起動してみると、特徴あるガキチャガチャアクセス音とともにMS-DOSが立ち上がりますが、V30なのでCONFIGのEMSとか対応してないのですね。ゲームディスクも起動させてみましたが、ちゃんとFDD1もFDD2も問題なく快調に動いてます。さて、PC88のほうですが、基本的にDO専用キーボードを持っていないためにPCキーを使用して設定画面を呼び出すことができませんが、ゲームくらいは対応するだろうと本体のモードスイッチを切り替え、電源を入れるとちゃんと液晶画面にV2モードの表示が緑で出ます。手持ちのゲームディスクを入れてリセットを掛けると、ちゃんとPC88の2Dディスクからゲームが立ち上がりました。またゲームをする分にはPC98用のキーボードでも特に問題はないようです。ところで、以前から使用しているPC-8801mk2 MRで起動できないゲームが何本かあったのですが、このPC-98DOでもやはり起動できず、2HDディスクと比べると2Dディスクは磁体密度の関係で劣化が早いという感じがしました。PC88用のゲームは動作確認品以外、いまや手を出さないほうがいいかもしれません。でもまあ、このようなコンパクトなボディでPC88もPC98も両方使えるというのはひとつの武器で、2種類のマシンを両方置いておかなければいけない現状からするとPC-8801Mk2 MRのほうを片付けてしまいたい気になります。しかし、V30ではPC98の能力として大いに不足で、DOSのゲームでさえ286以上を要求するゲームが増えていったことを考えてもPC-8801mk2 MRよりコンパクトで軽い8ビット機としての利用価値しかないような気もします。ところで最近、PS-2キーボードやUSBキーボードを使用してPC-98DOやDO+を使うことのできるアダプタが売られており、わざわざ本体の何倍にも高騰したオリジナルのキーボードを探さなくともいいようになりました。しかし本日PS4が発売になり、ゲームといえばもはやスマホの時代になってしまうと、8ビットの8色ドットで表現されたドットの画像が
妙に新鮮に感じられるのは当方だけじゃありますまい。ゲームの世界にバーチャルリアリティーなんざ本当に必要なんでしょうか?CGのリアルな世界よりも特撮を好むというのは昭和のウルトラマン世代のノスタルジーだけではないはずです。

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August 31, 2013

PC-9801FA2の再生で5インチFDソフトの有効活用

Pc9801fa21  以前ジャンクで購入したエレコムのPC98用5インチ外付けFDDですが、制御基板などのコンデンサー交換などにより何とか2基のドライブのうち、1ドライブのみ認識させることができました。しかし2ドライブを要求される山のように溜まった古いPC98用5インチFDのゲームなどに対してはまったくの無力で、未だにこれらのソフトを実行することができません。これがHDDにインストール可能なゲームだったらインストールのためと、たまに存在するゲーム開始で要求されるドングル代わりのシステムディスク1枚さえ入る5インチドライブさえ繋がっていれば済む問題なのです。それなら未だ現役の3ドライブ搭載機EPSON PC-486HAがあります。しかしこの486HAの内蔵5インチFDDは外付けFDDと排他的利用しか出来ないというシステム上の制約があり、こちらも古い5インチのゲームを実行するためには内蔵の5インチドライブを殺して2ドライブ仕様の外付けFDDを繋ぐという方法しかありません。
 そのため5インチのPC98用ゲームを無駄にしないためには外付け5インチドライブの完全動作品を高額で入手するよりも、5インチ2ドライブ仕様のPC98を手に入れ、これをFDゲーム専用機にしたほうが得策という判断に至り、ジャンクの5インチドライブ機を物色していました。玉数からいったら本家NECしかないのですが、20年は経過した品物ばかりなので、どっちみち電源やマザーボードのコンデンサー交換や基板のパターン再生などは予め織り込み済みです。
  2月に京都からジャンクのPC-9801FA2を購入しました。なぜPC-9801FAなのかといわれれば、その後のPC-9801BX/M7などの5インチドライブを2機搭載しているモデルはタマ数が少なく、ましてPC-9821Asなどの5インチFDD2基搭載モデルは相当タマ数が少なくけっこう高価で、さりとてPC-9801RAやDAなどの386モデルはすでに中古拡張パーツの入手性が心配なため、ぎりぎりの選択肢としてのPC-9801FA2ということになったのですが、このマシンは当時のコンシューマー向けのフラグシップとはいえ、そのアーキテクチャー的にはかなり唯我独尊的なところがありました。というのも専用オプショナルパーツが多く従来のRA,DAの拡張パーツは使えず、さらに80486SXの16MHzという非力さと640x400のグラフィックで水平24.8khzにしか対応せず、WIN95に対応させるためにCPUアクセラレータやグラフィックアクセラレーターさらにPCM音源などの相当高価な追加部品が必要だったため、新しいPC-9821マシンに買い換えるか、そのままDOS/Vマシンに宗旨替えした人を多く発生させる原因になったマシンだと思います。
 この京都からのFA2はWIN95に対応させるためか相当拡張を重ねたようで、HDDこそ外されていたもののSCSI籠と社外品SCSIインターフェース付きで、さらに4箇所のうち3箇所までCバスが埋まっていて、そこにはフルピッチアンフェノールSCSIインターフェースボードに86音源、LANのドーターボード付き2MのVRAM搭載の社外品ウインドウズアクセラレーター付き、またファイルベイに3.5インチ3モードFDDのアルファデータAD-F35TFが付いた3ドライブ仕様という内容でした。付属品取りとしてもすでに元を取った感じですが、WIN95対応に拡張するのが目的ではなく、何とか起動可能にして5インチディスクの98ゲームを動くようにするのが最終目標ですからこれらのオプションは不要です。しかしWIN95仕様に拡張したにしてはCPUがノーマルの80486SXの16MHzのままで、実際の運用には相当ストレスがたまったんじゃないでしょうか?Efa12m メモリー親亀ボードが欠品でしたが、こちらは2MBの61互換SIMMが3枚乗ったBUFFALOのEFA-12Mを事前に入手済みでした。もっとも古い98のDOSゲームにEMSメモリーなんざ必要ありません(笑)そういえばWIN95導入時にトロさに耐えられなくなって自前で486SXから換装した486DX2の倍速ODPがどこかに転がっているはずなんだけど、これって使えるのかしら?もっともODPをつけるとFDDが使えなくなるという話もありDOSでゲームをやる目的ならノーマルの486SXのままのほうが無難なようです。届いた早々、マザボを確認するために全分解しましたが、案の定、黒ケースの4級塩電解コンデンサーの殆どのマイナス足が変色していて、これらのコンデンサーは全交換を強いられそうです。内容的には4.7μF 16Vのコンデンサーが12個、15μF 10Vのコンデンサーが11個、1.5μF 50Vが1個、22μF 6.3Vが1個で、他に白ケースの4級塩電解コンデンサー22μF 6.3Vのコンデンサーが1個ですが、220μFの大きな電解コンデンサーは平滑用なのか外見上問題ないようでした。念のため液漏れ4級塩電解コンデンサーはすべて低インピーダンスのディップタンタルコンデンサーに交換することにしますが、手持ちのコンデンサーと耐圧と容量が合わなかったためにすべてネットで発注してしまいました。
 また5インチのFDDもコンデンサーの液漏れで必ず動作不良を起こすそうなので、オーバーホールして清掃ついでに制御基板の表面実装電解コン30μF 16Vを交換しますが、ここから電解液がもれて回りの基板を汚染していました。幸い周りのパターンまで腐食していたわけではないようですが、この問題コンデンサーをニッパーで切り取り、残った足を半田吸い取り線で外してパターン回りをエレクトロクリーナーで丁寧に洗浄し、新しい足つきコンデンサーを半田付けしてオーバーホール完了。もっともマザボのコンデンサー交換が完了して起動するようにならないと本当にFDDが動作するかどうかはわかりません。
本体から電源ユニット、 すべてのドライブ、ならびにCバスの枠やソケットなどを外し、マザーボードを取り出し、コンデンサー交換作業を始めましたが、黒ケースの4級塩電解コンデンサーは足をニッパーで切り離した上で接着されたケースをこじって外します。ランドに残った足は半田吸着線を当てて半田ごてで半田ごと吸い取ってしまい、エレクトロクリーナーで洗浄した上で新しいコンデンサーを半田付けします。いっぺんにコンデンサーだけ先に外すと容量や極性など間違い易いので、この作業は一個一個個別に行ったほうが間違いがありません。コンデンサーの交換は30分ほどで完了しました。コプロセッサーソケットにアクセラレーターを取り付けた再に元のCPUを切り離す設定のジャンパーのため、基板上にコンデンサーの余った足で2本ジャンパーポストを半田付けして立てておきました。組み立て直して5インチドライブにゲームディスクの1と2を挿入して電源を入れるとちゃんとピポ音がしてメモリーカウントが始まりますが、ディスクは読み込めず結局何回かトライしたのちHow Many Files(1-15)の表示が出て、そのままリターンを押すとN88ベーシックが起動します。やはりFDDがダメなようで、再度分解してFDDを取り外します。Fd1158dこのPC-9801FA2の5インチドライブはFD1158Dという品番でFDD自体にVFO回路の付いたおそらくFA2専用品で、他の5インチFDDに代替できないためにやっかいなのですが、今となっては制御基板の電解コンデンサー液漏れで制御基板を汚染したり、パターンを腐食させたり、最悪モーター部分に入り込んでモーター軸が回転出来なくなり、ヘッド部分をまったくトレースできなくなったりします。FD1158Dの上カバーを外し、各コネクターを外した後、裏側の制御基板のネジを3本外して制御基板を裏返すと、30μF 16V以外のすべてのコンデンサーも液漏れ状態で基板を汚染してました。各コンデンサーを外して基板を徹底洗浄し、新しいコンデンサーに交換しなければいけませんが、薄い本体の隙間に小型電解コンデンサーを使用しているため、手持ちの標準サイズのコンデンサーだと配置をよく考えてオフセットさせ、僅かな空間に退避させなければいけませんでした。なんとかコンデンサー張替えを済ませて元に戻し、ゲームのデイスクを入れて起動を試みると、Aドライブは見事に認識したのですが、Bドライブのほうはディスクにアクセスはするものの、FDの読み込みはNGでした。これじゃあPC98ゲームのために5インチ2ドライブ搭載機が必要だったのに何の意味もありません。さらに3.5インチドライブはFDにヘッドが引っかかるようで、FDがうまく入っていかないのです。この3.5インチFDDの中身はNEC製FD1138TというPC-9821時代の3モードドライブですが、ヘッドのウレタン部分か何かが劣化で脱落してこういう症状を起こすようで、こちらは比較的に中古パーツも数があるため、オークションで動作確認済みのものを一台落札してしまいました。しかし、5インチFDDのFD1158Dの代替品入手には苦労させられ、さりとてオークション上に常にある動作確認済み3,500円のものは落札する気にもならず、Bドライブ不良のまま数ヶ月の間放置することになりましたが、7月の末になって、直感的になんとなく使えそうなPC-9801FA2のジャンク品を静岡から1円で落札。送料は1,500円掛かりましたが、これでFDDがコンデンサー交換と基板洗浄で動くようになれば願ったり叶ったりです。このFA2はほぼノーマルでしたがI487SXコプロセッサと割と新しいバッファローのSCSI-2 CバスカードIFN-ST-CAが付いていました。I487sx拡張メモリーもありませんでしたが、おそらく外付けSCSIハードディスクを付けてDOSのソフトを扱っていたのでしょう。最初から基板のコンデンサー不良でピポ音も鳴らないというインフォを得ていたので、このFA2はコプロ取りとFDD流用と割り切って、分解してFD1158Dを取り出し、このFD1158Dの基板洗浄と30μF 16Vを含む全コンデンサー交換を行った後、5ヶ月間放置状態のFA2のBドライブと交換すると今度はちゃんとFDを読み込み、修理済みのAドライブと合わせて2ドライブを要求されるゲームが初めて動くようになり当初の目的を達しました。NECチェックの無いICMのFA専用SCSIインターフェースが元のFAに付いており、通称SCSI籠もちゃんとありましたが、当然のこと50PINのSCSIハードディスクは抜かれており、以前OLD Macintosh用に集めておいた50PIN SCSI HDDも540MB以下の小容量のものは手持ちが少なく、更に一旦MAC用にフォーマットしたものを再度DOS用にフォーマットして問題が起きないかどうかは試したことが無いのでわかりません。MACから取り出したIDEのハードディスクをFAT16でフォーマットし直すと、どうもシステムの読み込みが不完全で調子が悪いという事例には遭遇してます。逆にSCSI接続の98用外付けHDDを、Macのフォーマッターであるドライブ7というソフトでMac用にフォーマットし直したことがありますが、こちらのほうはその後何ら問題はありませんでした。まあ、当初の目的が連続した5インチ2ドライブを要求されるゲームをするための再生ですから、とりあえずはこのままDOS専用機として現役復帰させ、いつでも使えるようにしておきます。ところで、部品取り用に落としたFA2なんですが、マザボのコンデンサーを張り替えると使えそうで、さりとて今の所、こちらを再生して利用する予定も無く、大きな筐体がけっこう邪魔でもてあましてます。これではFDDの整備品を買ったほうがよかったような。


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August 30, 2013

PC-9801NX/Cの修理と86音源をつなぐ手段

130830_111638   どうしても98系のDOSソフトを使わなければいけないときにしばらくの間、省スペースデスクトップ機として使用していたPC-9821Npでしたが、以前に液漏れコンデンサーを交換した液晶パネル裏のTFTコントロール基板にさらにコンデンサーの液漏れが発生してまた表示が白くなったままの状態に陥り、あまつさえこのコントロール基盤と液晶パネルの接続がコネクターとかでフラットケーブルを接続してのではなく、フラットケーブルが基板に半田で直付けのため、基板裏側のコンデンサーの交換が出来ず、ついにこれ以上の9821Npの修理を諦めました。まあ使用時間が短い液晶部分でも入手できれば別ですが。
 ところが、まともに完全動作品の98ノートが皆無になってしまい、それならばTFTコントロール基板のコンデンサー液漏れリスク回避で同世代のNe2かNdに3倍速アクセラレーターを取り付けてNPの代わりにしようと、往年のコンピューターテクニカのODP-DX4-Ndを手に入れたのですが、それを取り付ける本体を手に入れる前に、一応は電源が入るが表示に難のあるというPC-9801NX/Cを500円で入手してしまいました。以前から9801NX/Cはジャンクを2台まとめて入手して二個一にして一旦は動くものを組み上げたものの、新しいHDDパックのフォーマット中に突然死して以来、液漏れコンデンサーを高価なディップタンタルに交換しようが、まともに電源すら入らなくなり(一瞬だけ電源が入るがすぐに落ちる状態)、いつかまともな完全動作品にしようと思いつつ、約3年もの間放り出してしまったものがあります。ところがその後PC-9821Npが来てしまったために98系のDOSソフトはもっぱらNpの仕事になってしまいましたが、Npは9801系ノートに比べると大きさも厚さもあって、狭い机の上では場所を取り、またキーボードがペナペナしていてタッチが悪く、表示の600X480拡大は筐体の大型化を招いてしまったため、やはりDOSソフトのみで使用するのであれば9801系カラーノートで済ませてしまいたいところです。
 以前、動作品として300円で入手しながら試運転中に突然死したPC-9801NA/Cも修理しようと部品取り用としてもう一台確保しておいたのですが、こちらのほうはCPU動作電圧が5Vで、液漏れ4級塩電解コンデンサーも耐圧の高い比較的容量の大きいものが多く、ディップタンタルコンデンサーに置き換えようとすると、相当高価な部品代となるのに対して、PC-9801NX/CのほうはCPU作動電圧が3.3Vに低下したことに従い、交換するディップタンタルコンデンサーも耐圧の低いものが多く、さらにコンデンサーの点数も減ってNA/Cに比べると約半分の部品代で済むというところが大きく、そうなるとNA/Cのコンデンサーを貼り換えるよりNX/Cのほうに力を注いだほうがマシという結論に達しています。
 そのNX/Cですが、さすがに9801ノート後期の製品だけあって、3モードのFDDドライブが備えられており、1.44MBフォーマットのFDが読めるため、Windows XPノートでダウンロードしてFDに書き込んだファイルをそのまま読むことが出来るという利点がありますが、そのためにはMS-DOS5.0Aの後期バージョン(確かVer5.0A-H)が必要です。確かそのためのMS-DOS 5.0A用アップグレードディスクが付属していたような気がしますが、定かな記憶ではありません。またFDから起動させようとしても1.44MBフォーマットのFDからは起動させることが出来ないので、起動ディスクは常に1.2MBフォーマットであることが必要です。
 京都から500円で手に入れたPC-9801NX/Cですが、電源は入りながらconfig.sys上の.sysファイル読み込み行の所でハングしてしまい、液晶表示のほうもバックの表示色が目まぐるしく変わるという状態です。とりあえず、修理しかけのNX/Cから外したディップタンタルコンデンサーを、すべてこの新しいNX/Cに移植し、あわせてTFTカラー液晶パネルもついでに古いNX/Cから移植すればとりあえず完全動作品のNX/Cをでっち上げることが出来そうです。NX/Cの分解はすでに目をつぶっていても出来るくらいに慣れてしまいましたので、どのはめ込みの爪を折ることもなく数分で分解終了。上半分のタイムスタンプを見ると94年7月になっていましたので、発売後約1年を経過して製造された製品でした。同じNX/Cでも以前の電源基板上のコンデンサーが表面実装型の電解コンデンサーだったものが、あまりにもこのコンデンサーに起因する電源が入らないという故障が頻発したためか、この後期のNX/Cは電源基板の構成が別ものになり、表面実装型電解コンデンサーも液漏れしないソリッドコンデンサーのようなものに変更になっていました。同じ機種でもさすがに故障頻発の部分はそのままにはしなかったようですが、基板を裏返すと使われている表面実装4級塩電解コンデンサーはそのままで、NA/Cがすべて黒ケースのものだった(うろ覚えですが)ものが22μF 25Vと47μF 16Vのものを除いて他の22μF 6.3Vや33μF 25Vのものは液漏れが比較的に少ないという白ケース入りの表面実装型です。しかし、現時点では動作には問題ありませんでしたが、通電しているうちに経年劣化ですぐに液漏れするのは明白なため、すべてディップタンタルコンデンサに交換済みの以前のNX/Cマザーボードからひとつ残らず移植しました。この際、半田ごてで暖めてこのプラケース入4級塩電解コンデンサーを外すのではなく、すべてニッパーで足を切り、ケースの接着をこじって外しました。何台もこのコンデンサーコンデンサー外しをおこないましたが、電解液漏れでそれでなくとも腐食しているパターンを剥離させないための最良の手段は熱を掛けるのではなく足を切って液漏れコンデンサーをケースごとむしりとってしまうことです。パターンに残った足ははんだ吸い取り線で残ったはんだごと取ってしまい、パターンに残った電解液はエレクトロクリーナーをスプレーして徹底的に洗浄しておくのは言うまでもありません。今回のNX/Cはわずかに白ケースの33μF 25Vコンデンサーのプラスの足に液漏れの兆候がありました。液晶パネルはケースごと交換しました。そのときに気が付きましたが移植元の液晶パネルとヒンジでつながっている上フレーム部分の出荷デートが98年のタイムスタンプがついており、成型時期を示す金型のデートも97年を示すものになっています。この事実を読み解くに、どうやらヒンジが破壊するNX/Cが修理に殺到して、保守部品が足りなくなり、97年ごろに追加で新に成型しなおしたプラ部品が使われていたのではないかと。
 再度組み立てなおして手持ちの起動ディスクをいれ、パワーオンでピポ音とともに一発で起動に成功。HDDのconfig.sysをエディターで開いてCD制御のシステムファイル読み込み行を、とりあえず削除するのではなくの行頭にremを書き込んで保存し、起動ディスクを抜いて再度起動するとちゃんとHDDからシステムが立ち上がりました。
 動作品から交換した液晶パネルですから、液晶の表示も当たり前のことですがちゃんと正常に表示されます。ところがFDDの挙動が怪しく、再度分解してFDD回りを点検してみるとFDDのフレキシブルケーブルのFDD側と本体側双方とも若干腐食ぎみて色が変わっており、どうも接触不良をきたしているようです。そのため、FDDも動作の確認が出来ている移植元のNX/Cからマウントごと移植して一件落着。PC-9821NpのHDDを持ってきて以前ファイラーの定番、FDで構築した98のDOS環境が復活しました。さらにオリジナルの486SXの20MHzでは心もとないのでこれも3年前に入手してそのままになっていたI.-O DATAのPK-NXC40という倍速アクセラレータ(486DX2 40MHz)に交換してやっと処理速度的にもそこそこ使えるような感じです。3倍速が欲しいところですが、放熱の面から考えると、標準の蓋が使用できる倍速アクセラレーターのほうが無難です。メモリーは12MBのものが装着されていましたが、チップが分厚くて標準の蓋では収まりきらず、メモリーに付属でもしていたのか特別なもの(放熱用ではない)が装着されていましたが、この蓋が邪魔なので、標準の蓋でも収まる以前のNX/Cに付いていた薄いメルコの12MBのメモリーに差し替えてしまいました。この倍速アクセラレーターの40MHz、メモリー12MB増設のHDD540MB、OSはMS-DOS6.2という状態でしばらく使用していますが、特に問題は起きていません。
 そこで110pinコネクター接続の拡張機器として、いにしえにI-O DATAから発売されていたらしいドッキングステーションを入手。PC-9821Np,Ns,Nf用のドッキングステーションと違い、CD-ROM内臓というわけにはいきませんが、Cバススロット2基と外部接続FDDインターフェースを備えています。おそらくNS/Eあたりの時代の製品だと思いますが、このCバススロットに86音源ボードあたりを刺して外部FDDを接続すれば、98ノートながらゲームも問題なく対応できるようになると。Cバスボードはジャンクで入手したものがダンボール一杯分ありますが、VMからRA時代のものが殆どだったので、当然のことながらwindowsには対応しておらず、死蔵してました。これらが日の目を見そうなのですが、86音源ボードはおろか、26K音源ボードも手持ちが無く、探さなければならなくなりました。このドッキングステーション(NOTE STAGEという商品名)の奥行きが意外と大きく、横幅はさすがにノートサイズですが、奥行きはデスクトップ機とさほど変わらず、狭いデスクの上で使うのは意外に取り回しが悪いので、早々にお蔵入りになりそうな。
 結局はオクでマニュアル以外の付属品がすべて揃ったPC-9801-86音源ボードを獲得。それはともかくI-O DATAの座布団(拡張ボックス)はパームレストがあるかわりに前後に長く、さらに外部FDDを繋ぐためのケーブル(SCSIアンフェノールフルピッチ50ピンケーブルと同じもの)が後ろ出しのため、設置面積がデスクトップ機と変わらず、ノートパソコンの軽快さをスポイルしてしまうため、どうしたものかと思ったら、高校の同期が何用かわからんけど座布団が一枚あるからと送ってくれました。それは拡張ボードが横に2枚収まるというCONTEXのNOTE PACというI/O拡張ボックスで、さらにFDDインターフェースケーブルがサイド出しのため、奥行きが98ノーとにほぼ等しいというものです。また取り説も揃ってましたので、ディップスイッチの設定に頭を悩ませることもありません。さっそく86音源を取り付け、ジャンクで入手しドライブのコンデンサーを張り替えた5インチデュアルドライブをケーブルで繋いで適当な5インチゲームFDDを入れて、あらかじめ98ノートメニューでFDD起動に設定し、座布団の電源をいれた後にNX/Cの電源を入れるとメモリーチェック語に外部FDDからシステムの起動が始まりましたが、「Aドライブにディスク1を入れてください」とのメッセージが出てきて、どうも5インチドライブの起動ドライブをAドライブだと認識してくれないようです。98メニューでHDDを切り離したりいろいろやっていたのですが埒が明かず、一旦全部片付けてから冷静に考えると、どうも古い98デスクトップはディップスイッチの切り替えで外部ディスクを起動ディスクに変える項目があったような気がして、翌日98NX/Cのノートメニューを起動させてディップスイッチのところを開くと外部FDDをAドライブBドライブに設定しHDDを切り離す設定の項目がありました。この項目を設定すると内蔵HDDから起動できず、「システムが見つかりません」のアラートが出ますが、外部FDDにゲームのシステムディスクを入れて本体のリセットを掛けるとちゃんとゲームのデモ画面が始まりました。5インチFDDの古い98用ゲームを9801NX/Cのカラー画面で見るというのもなんとなく感動モノです。ところがBドライブのほうはコンデンサーをすべて張り替えたのですが、どうもうまく認識してくれていないようで、今のところはAドライブから起動したゲームのデモ画面しか見ることが出来ませんが、この外付けFDDに内蔵されている5インチFDDがTEACのFD-55GFRというやつで、同じ型番のFDDはPC8801の2HD対応機とPC-9801DO+に使用されているくらいで、他のPC98シリーズには標準で搭載されていたことはないようです。このFD-55GFRのAT互換機版はかなり後まで売られていたようですが、果たしてAT互換機版のFD-55GFRのジャンパー変更だけで1.2MBのFDを読み込んで起動することが可能なのかどうかはやったことがないのでわかりません。しかし、音源も内蔵されていない98ノートで5インチ2ドライブを要求されるゲームをやること自体間違っているようで、やはりデスクトップの5インチ2ドライブでFM音源搭載機を使うほうが無理が無く、結局はPC-9801FA2のジャンクを落札して再生に取り掛かってしまいました。現在は外付け3.5インチドライブをNOTE PACに取り付けてNX/Cと接続すると、この座布団の横幅に全部収まってしまうことから2ドライブを要求される3.5インチFDDのゲームなんぞにたまに使う程度です。PC-9801CV/21などのV30機だと死ぬほど遅い「ぷよぷよ」なんかもさくさくと動いてますが、わざわざセッティングするのが面倒ですし、やはり本来の使い方からすると逸脱してます(笑)こんなことするのもFM音源の無い98ノートに86音源をつなげたいという興味に尽きます。

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April 14, 2013

似非Macintosh NEC PC-9801CVの整備

9801cv1_2 以前はどこの会社にいっても必ずと言っていいほど使用されていたいわゆる国民機:NECのPC-9801ですが、今となってはまったく触ったこともなければDOSのプロンプトからどう操作していいのかもわからないパソコンユーザーが殆どになってしまったと思います。それというのもCONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATの呪縛から開放され、誰でもアイコンをダブルクリックすればアプリケーションが起動するというGUI環境が整ってからパソコンを使い出し、CUIの環境でコマンドにスイッチやパラメーターをつけたコマンド入力で操作する必要のあるパソコンを使ったことの無いユーザーが大多数を占めるようになったからに他ありません。しかし、そのウインドウスしか知らないユーザーの中にもあえてCUI環境のパソコンを使ってみたいという酔狂な人もいるようで、今では粗大ゴミ以外の何物でもないPC98の中でも1万円を越えて取引されるような人気の機種もあるようです。しかし、各種機械の制御用という産業分野には未だにPC98が無ければ事業が成り立たないところがあり、今になっても完全整備済みのPC98を求めるという深刻な事情のある需要はあるようですが…
 ところで、我が家ではEPSONのPC-486HAとPC9821V233という青札タワーを中核とするPC98環境が未だに稼動状態にあり、いつでも使えるのですが、初期の98ソフトでは2ドライブを要求されるものが多く、特に5インチFDD2枚が使用可能な環境が現在無いため、あえて当時の5インチFDソフトを使うためだけにPC-9801FA2なんかのジャンク再生などを行っています。しかし当時のPC98は3.5インチドライブも5インチドライブも酷使と経年劣化による作動不良が多く、さらにマザーボードの4級塩コンデンサー液漏れによる通電不良やパターン腐食などもあり、その修理再生はなかなか一筋縄というわけにはいきません。おまけに長年使用してきた水平15,24,31kHz3モード対応モニターがフライバックトランスからCRTに伸びる高圧コードの経年劣化絶縁不良で、導電塗料を塗ったケースに最近アーク放電するようになり、使用を即刻停止した関係で8ビット機、PC98などの修理再生なども滞ってしまい、まったく困ってしまっています。
 そこにモニター接続の心配の無い一体型のPC98が一台大阪からやってきました。モニター一体型というと以前PC-9821Cbの初代キャンビーをリアルタイムでいじったことがありましたが、これはすでにWindows3.1に特化したPCで、以前のPC98の資産を有効活用しようとするとそれでなくとも拡張性が乏しいのに色々と機器を追加しなくてはいけなく、またMacintoshユーザーからしてみるとQハチ君メニューというランチャーでGUI環境を得ていても所詮は出来の悪いWindows3.1マシンでしかなく、さらに設置場所を意外と食うため深入りしなかったのはもちろんです。案の定、パワー不足(486SX 33MHz)と拡張性が無いのが仇となり、直後に訪れたWindows95の発売時には使い物になりませんでした。今回の一体型PC98はキャンビー以前のV30専用機、PC-9801CV21です。8086上位互換のNEC V30 10MHz搭載機で、1988年3月の発売ながら、そのスペックは1985年発売のデスクトップ並であり、そのころには286/V30の2CPU搭載機が当たり前で、386搭載機もぼちぼち出始めた頃だと思いました。そのため、後の286以上を要求されるゲームソフトはまともに動きませんし、もちろん1メガを超えるEMSなんか組み込むことができませんので、ソフトによっては「コンベンショナルメモリーが足りません」などのメモリー不足の呪縛からは逃れられず、640kBの範囲内で使えるコンベンショナルメモリーをちまちまと節約しなければならず、当然のことながらWindowsなんか動きません。そもそもHDDを内蔵することすら出来ないのです。当時はHDDというと未だにSASI規格の時代でしたが、おそらくCバスのSCSIカードを取り付けたところで外付けのHDDも20MBか40MBしかサポートしていないのでしょう。V30の独自拡張命令の正式サポートはMS-DOS3.3Dだということを聞きました。しかしながらMacintoshのPlus以降の一体型マックに良く似た姿は、どでかいキャンピーなどに比べるとかわいらしいの一言で、たとえ用途が限られようとも動作品を一台置いておきたいものだと思っていました。ところがすでに粗大ゴミとして出しつくされたのか、今ではオークション上で年間に出品される数も少なく、今までことごとく捕獲に失敗してきました。いくら数がすくなくなったとはいえ、動く保証の無い粗大ゴミに大金を払う気はさらさらありませんでしたが今回は運良く1000円で捕獲に成功。もっとも送料が2250円掛かってしまったのは仕方がありません。N88 ROM-BASICのHow Many File(1-15)の表示だけの出るのが確認されたジャンク品でFDDのべセルが殆ど飴色に変色していましたので、相当使い尽くされてFDDが認識されなくなった状態のジャンクかと思ってました。9801cv2_2 届いたPC-9801CV21は以前見たときの印象と違って奥行きが予想以上にあり、これはCバスを搭載しなければならない関係上しかたがないようです。ちなみにマックの一体型の奥行きが、たかだか25センチ程度なのに比べて33センチ近くも奥行きがあります。いちおう通電だけしてみましたらちゃんとピポ音が鳴り、ROM-BASICが起動するようなので表示には問題がなさそうですが、各部の状態を調べるためにケースを開けて見ることにします。ここで注意しなければいけないのは、我々電気のライセンス持ちにとっては当然なことですが、必ず電源コードを抜き、フライバックトランスからCRTのアーノードにかけてのラインには触れないことで、下手にアーノードキャップをめくって電極に触れようものなら数千ボルトの電撃をくらって運が悪ければ心停止の状態に陥ることもあります。ケースに「サービスマン以外ケースを開けるな」の警告がありますが、CRTの動作原理に知識のない人は絶対にケースを開けないで下さい。テレビと電子レンジの修理中に感電死した事故を何件も知ってます。ケースはマックのような特殊なドライバーやこじ開け器なしに上部の取手奥の左右2本とケース下の2本のねじを抜き、ケースを後ろに引き抜くとシャシー部分が露出します。使いつぶされたという予想はみごとに裏切られ、マザーボードにはまったく埃も溜まっておらず、電源の冷却フアンにも僅かにしか埃がこびりついていませんでした。ケースなどの成型時のタイムスタンプ、FDDのラベルを見ると、なんと1990年4月から8月のタイムスタンプばかりの部品で構成されていました。それ以前のタイムスタンプが見つからなかったため、このPC-9801CV21は1990年8月以降のアッセンブルだということがわかります。V30搭載の一体型機が発売から2年半も作り続けられていたことはある意味オドロキですが、386機がほぼ標準になりかけた時代にV30機を導入したところで殆ど使いようがなかったのでしょう。こちらにとってはほとんど使われずに放置された個体であるということがわかってある意味ラッキーでした。この時代の標準2モード3.5インチFDDであるNEC FD1137Dはよく動作不良を起こすことで有名らしいですが、いちおう中の状態を調べるためにシャシーから取り付けマウントを外そうにもCRTの前枠が邪魔で外すことができません。前枠を外すためにはまず電源部を取らないとどうしてもドライバーが入らないネジがありますので、まずは電源を外すため電源コネクター5箇所を外します。サイドのネジを外して電源を取り出したら今度は前枠裏のCRT4隅のネジ4本と下部の左右のネジを外すと前枠は簡単に前へ外すことが出来、FDD取り付けマウントのネジを3箇所外し、横に引き出しながら電源と34PINの接続コネクターを外せばFDDを取り出すことができます。両方のドライブを抜き出してケースを開けてみましたが、こちらもまったく埃の吸い込みも見当たらずきれいな状態でした。ところがあとになって重大欠陥を持った状態であったことが判明します。とりあえず内部目視ではコンデンサーなどの液漏れも見当たらず、表示も通常に出来ていることからそのまま逆の手順で組み立て直し、FDDに起動ディスクを入れてブートを試みますがFDD1も2も何の反応を示さず、ROM-BASICが立ち上がります。完全にFDDが壊れてます。ためしに外付けの5インチFDDを繋ぎ、ゲームソフトのデモをブートさせてみると「このソフトウエアは640kBのメモリーが必要です」の警告が…。いつもEMSになれていたから気づきませんでしたがずらりと並んだディップスイッチのひとつで640kBと512kBに切り替えるようになっているようで。ちゃんとディップスイッチを外付けディスクからのブートに設定しなおしてメモリーも640kBに切り替えるとちゃんとゲームソフトのオープニングが特徴的なFMサウンドと共に流れるようになりました。本体の機能はまったく問題がなく、単に内蔵3.5インチFDDであるFD1137Dの不良ということがわかりましたが、ネットで調べるとFD1137Dはマイクロスイッチに挿入したFDが接触してスイッチが入るようになっているものの、この接触部分の樹脂が磨耗してスイッチを押し切れなくなったり、また接点の接触不良も起こし易く、そうなるとまったくFDDドライブとして認識されなくなるとのこと。このFDDは1990年4月製造品でもあり、ハードに使用した形跡もまったくないので、樹脂の磨耗は無いにしてもマイクロスイッチの接触不良でFDDに電源が入らず、FDが認識されないのは確かなようです。面倒でしたが再度分解をしてFDDを取り出し、天板とべセルを抜いてマイクロスイッチのシャフトを見ますと磨耗はまったくなく、FDを挿入するとちゃんとマイクロスイッチを押しています。そうなると接点復活スプレーに付属のノズルチューブを取り付けてシャフトにかぶせ、ほんの僅か接点復活材を注入して割箸の先端を削ったもので上下に何度も軽く動かすことを繰り返し(他に漏れた液は綿棒で完全に拭いておくこと)、これを2台のFDDとも行ってからもとに戻し、ダメもとでFDDにシステムディスクを入れて電源ボタンを押すと、ちゃんとピポ音のあとにFDDからシステムブートして画面に表示が出るようになりました。さらに昔、成田のLAOX階段脇においてあったTAKERUからダウンロード購入したN88 BASICベースの3.5インチFD、V30機時代のゲームなどもちゃんと動作しており、ここにPC-9801CV21の1990年後期生産品が完全動作品になりました。 思い起こせばすでにPC-9821の時代に秋葉原のラジオ会館の何階かで酷使され薄汚れたた小型のCRT一体型PC-9801マシンが、けなげにも黙々とデモ画面を映し出していたのを見た光景からはや20年、よもやうちのPC98ラインにこいつが加わることになるとは思いもせず、何かうれしいなぁ。しかしFDDのアクセス音でかすぎ(笑)また電源フアンの音も気になります。いっそうのこと静音仕様のやつに付け替えてしまいましょう。

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December 13, 2012

スタンダードC470のメンテナンス

C470_091341 広域帯受信に対応してかつ、V/Uのゲインの高いアンテナを中古で物色し、落札したらジャンクでいいならとUのハンディ機をいただきました。いただいたのはスタンダードのC470で、先だって電源の入らないという修理を依頼されたC460の後継機種になります。このC470はアナログ式携帯電話の勃興期に発売された機種であり、携帯電話の回路技術のフィードバックによりC460と比べるとかなり小型軽量化され、電池ケースを外した状態の大きさは今出来のハンディ機とさほど変わりません。しかし、小型高出力の背面装着型リチウム電池登場以前の機種のため、下に電池ケースを装着するのは以前の機種と変わらず、なんか中途半端で惜しいような気がします。面白い機能として430メガ帯のトランシーバにも係わらず、144メガ帯が50mWという微弱電波で送信可能なことです。この時代のハンディ機のことはあまり関心がありませんでしたが、他メーカーでもモノバンド機は同様な機能があったのでしょうか?そのため、申請上ではデュアルバンダー機扱いになります。また受信拡張を施せば下はFM放送帯の82MHzから上は999.990まで連続して受信が可能なようで、エアバンド帯は自動的にAM受信になる優れものです。
またロータリーエンコーダーが一種のジョグダイヤルになっていて、早く回すと周波数が大きく変化し、細かく動かすと通常の設定ステップで周波数が変化するような仕組みになっていますが、本体を右手で握ったときにちょうど親指が掛かるように大きくなっていて、片手操作が容易です。このダイヤルの採用でアップダウンキーがなくなりましたが、テンキー操作はフル入力可能でバンド切換なしに下は080.22から上は999.99まで親指一本のダイレクトキー操作ですぐにQSYが可能で、広域帯受信機代わりとしても十分な操作性を備えます。2種類のメモリーユニットが用意されており、これを電池ケースを外した本体に差し込むことで、40chと200chの周波数メモリーが可能というのは、当時メモリーチップがまだまだ高かった時代ですので仕方がない仕様かもしれませんが、この個体には40chのメモリーカードが装着されていました。このカードを取り付けると起動時にポパピポ音とディスプレーにC470の機種名が表示されるというギミックが仕組まれていて、この起動音はSFチックでスタートレックマニアには受けそうな。
 広域帯受信機能付きで、その昔エアバンド受信によく使われたDIAMONDのRH-901のおまけとして届いたC470は電源が入らないということで、乾電池ケースを外してよく見ると前後の電極を繋ぐ金属のタブが下に曲がって前後のケースの底に挟みこまれている状態で、これでは乾電池電源の用途を果たしません。ラジペンで反対側にちゃんと接触するように整形して電池を入れると、当たり前のことですが、ちゃんと上部の電極に電圧がかかりました。電池ケースを装着して一旦リセットをかけて電源を入れないと電源が入らないのではないかと危惧しましたが、電源スイッチを押しただけでポパピポ音とともにあっさりと起動に成功。メモリー機能も正常ですので、バックアップ電池も抜けていないようです。受信拡張改造もされており、これであとはもう手をかけるところがなく、逆にちょっとがっかりしました。
まあ、これでは技術的興味は満たされないので、コンデンサー液漏れチェックをかねて分解します。底のビスを外し、上パネルの選局ダイヤル、スケルチ&ボリュームノブを外し、防水ゴムに隠れている2本のビスを外し、BNCコネクタ台座の防水ゴムを外します。そしてサイドとバックのビス2本を抜くと本体が前後に分解出来ますが、この時代はもうコネクトがフレキシブル基板となっており、この基板を切らないように注意しなければいけません。さすがに前設計で懲りたのか、この時代のスタンダードのハンディーもご多分に漏れず表面実装の電解コンデンサーが極力廃され、変わって容積も小さいチップタンタルコンデンサーが多く使われています。一部使用されている表面実装の電解コンデンサーに液漏れの兆候も見当たらず、内蔵バックアップバッテリーの電圧も十分だったため、今回は予防のためのコンデンサー交換もなしに点検後にそのまま組み立て直してしまいました。
 C470は技適機種なので、電子申請ですぐに変更届を出すことが可能で、TSSに保証認定を申請する必要がなく楽ですが、乾電池パックで1.5Wの出力しかなく、自ずから主にレピーター交信用などに用途が限られます。トランシーバというより広域帯受信機代わりにポケットに忍ばせておくという用途で使用したほうがいいような。でもまあ、今出来の同クラスのトランシーバと比べて電源電池の分だけ大きいのはしかたがありません。その分電池ケースがグリップ代わりになって握り易いことは確かです。


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December 11, 2012

ALINCO DJ-560SXの修理

121207_122547  携帯電話以前のハンディー機ブームの最中、爆発的に売れたスタンダードのC520に対して同世代のアルインコDJ-560SXは今ひとつ人気がないようで、オークションでもパスコン抜けで不動のC520が数千円台で落札されるのに対してアルインコのDJ-560SXは動作品でも半額以下という相場ですが、どうしてDJ-560SXの機能はC520に対して劣らずとも勝るところが多いので、安く見つけたら入札してみることを勧めます。当方、長年アルインコのデュアルバンダーハンディー機の前作、DJ-500SXを相場が安かったという理由だけで中古で手に入れて使用していましたが、このハンディー機は同年代他メーカーのものに比べてロータリーエンコーダーがなく、機能的にもかなり同年代他機種に見劣りしていましたが、次作のDJ-560SXは同じメーカーの商品かと思えないくらい機能が充実し、満足できる機能と操作性を備えています。説明書には歌われていませんが、コマンドで受信拡張するとAMのエアバンドの受信が可能なAM検波機能を備え、エアバンド帯まで受信範囲が拡張できながらAM検波機能がない当時のハンディー機と一線を画します。また回路的にも電解液漏れしそうな表面実装コンデンサーが最低限しか使われておらず、結果的に20年以上経過した現在でも動作可能な個体が多い結果につながっています。
 大変に売れたC520の約半年の後発組のデュアルバンダーハンディー機ですが、C520と機能を比較してみると周波数拡張によるバンドの拡大は若干C520のほうに軍配があがりますが、C520にはAM検波機能がないのでエアバンド受信には不適、DJ-560SXはコードレスホンの380メガ帯まで拡張受信帯がカバーされていない。C520レピーターモードは手動だが、DJ-560SXは439メガ帯は自動でレピーターモードになる。C520はバンド内周波数帯切り替えはF+0 F+3の操作が必要だが、DJ-560SXはF+UHFボタンのみで操作可能。C520のVHF帯ボリュームとスケルチ操作がアンテナの根元が邪魔で操作性不良なのに対してDJ-560SXは操作性良好。チャンネルメモリーがC520は片バンド10波で若干見劣りするのに対し、DJ-560SXは片バンド20波。C520はメイン基板をC620などと共通化したためか、表面実装のパスコンが多く、これがことごとく液漏れして不動になるのに対し、DJ-560SXは電解コンデンサーのパスコンが極力廃され、液漏れ不動のリスクが小さい。C520のボディーはオールプラスチックなのに対し、DJ-520SXのスピーカーグリルは金属製で、衝撃で角がへこみやすく、また擦れて塗装がはげるとみすぼらしく見える。またスピーカーグリルから機種名が見えるデザインはソニーのドデカホーンをぱくったみたいでオリジナリティーに欠ける。C520の出力切り替えがF+POで3段切り替えなのに対してDJ-560SXは背面スイッチの2段切り替え。C520のスピーカーマイク端子のオーディオアウトが一般的なモノラルなのに対し、DJ-520SXはV/Uの独立したステレオアウトになっているので、一般的なモノラルのスピーカーマイクを取り付けるとショートして回路が壊れるリスクがあるので専用しか使わないようにとの説明書きがあり、スピーカーマイクの選択肢が限られる。C520は前機種までの何年かでキー配置の試行錯誤の結果、使いやすいキー配置に落ち着いたがその分、ボディーが幅広となった。DJ-560SXはスリムだがキーの操作性はC520に比べて劣る。全般的な評価からすると内部パスコン液漏れ不良で殆どが不動となるC520と比べて若干後発でありパスコン抜けリスクが少なく、無理して不動のC520を高額入手するよりエアバンドのAM受信が可能で中古相場が安いDJ-560SXのほうがいいのではないでしょうか。
121207_123228  機能比較対照として入手したDJ-560SXは入手価格2600円なり。乾電池ケース付きで、送受信確認済みとのことでしたが、届いてみるとスピーカーからの音が小さいという不良があり、いわゆる低周波増幅回路のパスコン抜けでしょう。開腹してみないと回路がどういう構成になっているかはわかりませんが、逆にボリュームからパターンをたどれば問題のコンデンサーに行き当たりそうです。このとき参考になったのがアルインコの欧州代理店が公開しているサービスマニュアルで、点検ポイントが細かに記載されているので、これに従えば必要な測定器がある限り完全調整が可能となります。このサービスマニュアルの部品構成図にしたがって開腹しますが、最初に上のパネルのネジ一本とV/Uのボリューム・スケルチ・エンコーダー軸根元のナットを蟹目で外さないとパネルが外れず、さらにこのパネルを外さないと前後のボディが分解できないため、この部品構成図がないとすぐに内部まで至れなかったと思います。また前後の基板をとめているのはパソコンなどでも使用されているフラットケーブルコネクターで、このコネクターの両側の突起をマイナスドライバー2本で押し上げ、フラットケーブルを外しますが、あまりこのタイプのコネクターに縁のない人は外し方を知らずにフラットケーブルをそのまま力で抜こうとしてパターンをはがしてしまうかもしれません。またコネクターの材質がジュラコンかなにかの粘りのない素材なので慎重にやらないと固定の爪を折ってしまいます。低周波増幅系などの回路が収まった基板の4本のネジを外して基板をめくると4個の表面実装コンデンサーが並んでいて、そのうち耐圧6V 47μFのコンデンサーのマイナス足が腐食して変色してましたので、どうやらこれが原因で低周波出力が上がらなかったようです。液漏れまでは至っていなかったので、経年劣化で容量低下を起こした状態だったのでしょうか。パターンにダメージを与えないため、このコンデンサーをニッパーで破壊し、残った足を半田吸収線できれいに残りの半田ともにきれいに吸い取り、ランドをクリーナーで丁寧に洗浄しました。され、交換用コンデンサーですが、47μFのコンデンサーはパソコン基板で多用するため、色々な耐圧のものの在庫があるのですが、高耐圧のものは直径が大きく、ハンディ機の内部に使用するのは余裕がないので、もったいないのですが耐圧10Vで47μFのディップタンタルコンデンサーをおごってしまいました。1個200円以上したと思いますが、普通の電解コンデンサーだったら10個くらいは買える金額です。ついでにバックアップ用電池の電圧121207_123253を測ると通常3Vのところ26mVくらいしか電圧がなく、これも無条件で交換です。この機種は薄いCR2016のタブ付き電池を使用しており、本来ならば自由に電池を交換できるソケット式に変えたいところですが、スペースの関係でソケットが収まりません。そこでピラめいたのはソケットの金具をCR-2015を差し込めるようソケットから外して整形したのち基板に半田付けし、電池を差し込み、そのままでは電池が踊るので電池を差し込んだ状態でホットグルーで固めてしまうというものでした。絶縁に注意しなければいけませんが、この作戦は意外とうまくいきました。CR-2025は100円ショップでも手に入りますし、ソケットは10個まとめて500円くらいで入手したものです。高いタブ付きリチウム電池を買うよりよっぽど安上がりな方法です。
 慎重に組み立て直してファンクションを押しながらUのつまみを回して電源オンとともにリセットがかかり、正常に電源が入ってスピーカーからも大きく音が出て正常動作を確認。部品総額350円と工賃0円なりで修理完了です。このDJ-560SXはエアバンドのAM受信感度も申し分ないので、もう少しゲインの高いアンテナを装着してエアバンド専用受信機として使用しようかと思っています。


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December 10, 2012

スタンダードC520のコンデンサー交換修理

C520_184701  第一の素材は数ヶ月前に入手したスタンダードのC520です。たぶん平成に年号が変わったころに発売されたデュアルバンドのハンディー機ですが、当時の新機軸としてV/U同時受信が可能になった最初の世代に属するハンディ機です。アクションバンド誌の影響かどうかは知りませんが、コマンドによる受信改造などの自由度が大きく、映画の影響でスキー場などで使う人間が多かったからか、かなり売れたハンディ機のようです。当時の一番人気機種だったのではないでしょうか?そのため、オークション上でも常に見かけるハンディー機ですが、よく知られているように使われている表面実装型電解コンデンサーの不良で、まともに電源が入らないものが多く、さらには電源を入れると送信状態になったり、電源をいれていちいちリセットを掛けないと表示が出ないなどの症状はこのコンデンサーの液漏れによる容量低下や通電不良、さらに内蔵リチウムタブ電池切れが原因になることが多いようです。メーカーではすでに修理の受付は終了しているようなので、これらの修理は自己責任による個人修理で基板洗浄のうえ、コンデンサー交換を行うことになりますが、ほとんど千円未満の部品代で修理出来るのであればそれに越したことはありません。それがいやであれば個人でC520の修理を業としている某氏もしくはラジオ何とかという神奈川の業者に修理依頼するしかありません。ネット上ではC520の修理例が山のように載っている関係かC520のジャンクは残存価値以上にオークションで価格が高騰します。しかし、普段から半田ごてもあまり握ったことがない人がジャンクのC520をいきなり修理しようとして、どれくらいの割合で修理を完結出来たのでしょうか?
 釧路から入手したC520はスピーカーマイクが付属してましたがそこそこの落札額でした。実験用の安定化電源を底の端子につなぎ、スイッチをひねっても表示も音も出ません。そこでボリュームとスケルチおよびロータリーエンコーダーのつまみを外し、底ビスと前後の筐体を止めているビスを外すと本体が分解できますが、予想通り表面実装の電解コンデンサーは液漏れしきったものやマイナス側の足に緑青が浮いたものばかりで、あまつさえ電解液が基板に漏れ出して汚染しているものもあり、コンデンサーを除去したあとに徹底的に電解液を洗浄しなければ基板上でショートを生ずることもあるかもしれません。また、なぜかタブ付きリチウム電池が付いていませんでした。とりあえず表面実装電解コンデンサーを除去しますが、液漏れコンデンサーをおそらく数百個単位で交換した経験上、そのまま熱を掛けてランドから浮かせてはがすのは、それでなくとも腐食で弱くなったパターンを基板からはがしやすく危険で、結論からしてニッパーでコンデンサーを根元から切り取り、残った足を半田吸い取り線をあてて半田ごてで溶かして除去するのが一番安全という結論に達しています。このうち220μF 6.3Vの筒型電解コンデンサーのみ50Vの耐圧のものしか手持ちがなかったのと、液漏れの様子がなかったので交換を見送りましたがこれが大きな誤りでした。手もちのコンデンサーはすべて標準サイズの足つき電解コンデンサーでこれをそのまま取り付けたのでは前後のケースが閉まらないので、足同士がショートして動作不良が起きないように配置を考えて足をまげてコンデンサー本体をオフセットする必要があります。たまたま33μF 6.3Vのコンデンサーは小型のディップタンタルしかなかったため、これを取り付けることによって少しスペース的にゆとりが出来て何とか標準サイズのコンデンサーの組み合わせて前後のケースを閉じることが出来たような感じです。コンデンサーの半田付け前にエレクトロクリーナーで液漏れ箇所を徹底的に洗浄したのは言うまでもありません。これを怠るとかならず動作不良を来たしたり、パターンの腐食を進める原因になります。第一、洗浄しないとランドに半田が乗らず、いも半田になったり余計に熱を掛けてパターンを剥がしてしまう原因になります。
手持ちのタブ付きCR2032電池は足の長さが基板まで届かなかったため、切ったコンデンサーの足をエクステンションにして基板上に半田付けしました。そして本体を組み立て直し、安定化電源を底の端子に繋ぐと電源が入らず、横のリセットキーのホールをピンで押してリセットを掛けると、電源が入って表示も出たのですが送信状態に陥ってしまって通常動作はしませんでした。しかし何回かリセットを掛けると受信状態になったりもしますが、一旦電源スイッチをひねってオフにして再びスイッチをひねっても電源が入らず、またリセットを掛けると表示が出て送信状態に陥るというような状態になってしまいます。どうも220μF 6.3Vの筒型電解コンデンサーを交換しないと埒が明かないようで、ネット上で耐圧が10Vのものを発注しましたが、これも標準サイズの足つきコンデンサーしかなくまた足同士がショートしないように本体をオフセットして取り付けなければなりません。コンデンサーはまもなく入手できたのですが、古パソコン再生作業のほうが忙しくなって2ヶ月も作業を放っておいてしまうことになりました。
 作業再開のきっかけはたまたま入手したアルインコのDJ-560SXというデュアルバンドの時代も機能もC520と殆ど変わりないハンディ機をC520の半値近い落札額で入手し、たまたまそのDJ-560SXがスピーカーからの音が小さいという故障を生じていて、この症状は十中八九は低周波増幅回路のパスコン抜けに違いなく、分解すると案の定、表面実装の電解コンデンサーのマイナス足が液漏れで腐食しているという大変にわかりやすい状態になっており、これを同容量同耐圧のものが高いディップタンタルコンしかなかったため、もったいないと思いながらこれを交換して一発で修理完了した勢いで、C520の残りのコンデンサー交換にも手をつけたのでした。C520の220μF 6.3Vのコンデンサーはこの4個だけスルーホールで裏の基板に半田付けされています。そのため裏側から半田吸い取り線を当てて半田ごてで半田を融かして除去するのですが、基板の裏側に一部スルーホールを伝って電解液で汚染されていました。コンデンサーは割と簡単にスルーホールから除去できましたが、スルーホールに半田が残ってしまい、いくら半田吸い取り線で半田を吸い上げようとしても除去できません。それで車で15分ほど離れたホームセンターにピンバイスと極小ドリルビットを買いに走ってしまいました。何とかスルーホールの半田をさらい、PTT付近の3個のコンデンサーの交換に成功しますが、CPU付近の1個を見落としてしまい、組み立て直してもいちいちリセットを掛けないと電源が入らないという症状は改善しませんでした。CPU付近のコンデンサーを交換してはじめて正常に表示をして受信常態になるのですが、スイッチを入れたときに一瞬もしくはほんのわずかな秒数、発信してLEDが赤表示になったあと通常の受信状態の緑に戻るという症状が出てしまいました。コンデンサーの極性や容量のミスはないはずです。それで半田付けの部分をもう一度総点検し、一部のコンデンサーの半田付け部分に熱を掛け直すことにより、スイッチ投入直後に発信状態に陥ることもなく、完全に通常動作するようになりました。最後に周波数計のBNC端子にアンテナを装着し、C520のアンテナにダミーロードを同軸ケーブルを介して取り付け、周波数計と疎結合としてFずれチェックを行い、誤差の範囲内であることを確認して修理完了です。さらにダミーロードに他のハンディ機のアンテナを疎結合して変調の具合をモニターしてみましたが特段問題なく、オシロを繋いでの変調度の測定等のチェックはパスしました。ただ一箇所不具合があって、原因はわかっているのですがSSGを繋いでチェックしなければいけなく、現状維持にしてあるところがあります。それは430MHzのRFレベルの強度が変化しないことで、これは内蔵リチウム電池直下のトリマーコンデンサーでレベルを調整するようですが、このトリマーが液漏れコンデンサーの電解液で汚染されていて直結もしくは不通状態になっているようで洗浄かトリマーコンデンサー自体を交換して基準信号掛けて調整しなおさなければいけません。現状使用する分には問題ないので、後日の課題にして今回は目を瞑ることにしました。
C520_091014_2 このC520には7.2Vの充電池パックが着いていましたが、適合するACアダプターでスロー充電を掛けても殆ど充電されず、中身を交換する必要がありました。ところが、最近は環境問題の影響か一般に入手出来るAAのタブ付き電池はニッケル水素電池に限られますが、このニッケル水素電池はニッカド電池に比べて高容量ですが、自己放電が大きいという欠点があり、またニッカド電池使用の機器に置き換えるのには充電器や保護回路の問題を始め、いくつか注意を要します。当方は機会あるごとに秋葉原でタブ付きのニッカド電池を電卓修理用に購入しており、ほかにも未使用ジャンクの組電池ニッカドパックを集めていましたので、無条件に6本組みのニッカド電池パックを作って中身を交換することにしました。今出来のタブ付きAAニッカド電池は1100mA/hのものがあり、手持ちもあるのですが、これはけっこう高価(一本300円?)だったので、ジャンクで入手した700mA/h6本組み電池を使用します。作業はさほど面倒くさくありませんが、充電の保護回路として一種の温度スイッチが入っていて、充電が完了してニッカド電池の温度が上昇すると回路が切れる仕組みになっています。使用した電池パックの温度スイッチのほうが薄くて邪魔にならないものでしたので、こちらをそのまま流用しました。充電池パックを時計の裏蓋はがし工具で溶着部分を慎重に割り、中身を取り出すと、マイナスの電極から満遍なく白い粉が析出しています。これではさすがに充電能力はありません。配線配置を間違えないように組み電池のタブを半田付けしなおし、配線もつないでケースを接着してクランプ2個で固定し、半日放って接着が完全になった後にスロー充電し、ニッカド電池パックの再生が完了しました。おそるおそる電源のつまみをひねると、これがなぜかうんともすんとも言わず、あわてずにリセットを掛けると何事もなかったように電源が入り、通常の受信状態となりました。つかさず資料を見ながらコマンドによる受信範囲の拡張ならびにスタンダードの当時のキー操作による3桁入力というのは非常に使いにくいため、4桁入力の隠しコマンドで拡張領域でのダイレクトキー入力操作をやりやすくしました。コマンド入力による機能拡張はあえてこの程度にしておきます。
 周波数メモリーがV/U各10波だけというのは、同年代他メーカーの機種と比べても見劣りしますが、以前使用していたアルインコのDJ-500SXは鉄道のCタイプ無線機の3周波数が受信周波数拡張してもカバーされておらず、このC520は高利得アンテナを装着し、専ら鉄道無線Cタイプ受信用に使おうかなんて考えつつ、修理の上がった他のハンディ機とまとめてTSS経由で保証認定とって変更届を出さなくてはいけません

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December 09, 2012

旧型ハンディ機の修理

Handy_105128  ハンディのトランシーバというと携帯電話の技術的発展のフィードバックにより回路部品の集積化や電源のリチウム電池の小型化などにより、90年代半ばまでのハンディ機と比べると圧倒的に小型化して高性能となりましたが、その携帯電話の普及により電話代わりに仲間内での交信という用途が途絶し、もはや日中のV/Uバンドではトラック同士のお声がけ専用通信のような状態になりました。まさに携帯電話の普及が回路の高集積化の実現と需要の衰退という諸刃の剣になったようなものです。部品が集積化した今出来のハンディ機はたとえ壊れたとしてもアマチュアが修理に手を出すことは出来なくなりましたが、携帯電話の技術的発展以前のハンディ機ならば、かろうじてアマチュアが手をつけても修理調整が可能な回路設計のものが多く、実際にアマチュアのハンディ機修理例などはググればいくらでも出てきます。また90年代初期までのハンディ機は「私をスキーに連れてって」よろしくスキー場などのレジャーにおける仲間内連絡のマストアイテムで、昔のニフティーFSAKE仲間でもこのために講習で4アマを取ったという隠れ元YLがけっこういたものでした。このころがアマチュア無線局の開局数としてもピークだったようで、これらの需要層が携帯電話に移行して廃局してからアマチュア局も減少の一途をたどり、それに従いこの年代のハンディ機はオークション上に常に一定の数が出回っています。当方も開局当初は技適機種のハンディ機一台で局免を取得し、上級免許を取るまで一年の間ひたすら144/430 F3 10Wという局免に甘んじていた期間があり、「初交信は14メガ」を目標に、一年半後に1アマを取得して初交信は14メガを達成したのはいいとして、結局ハンディ機は最初の局免取得手段にしか過ぎず、その後も殆ど交信には使用していませんでした。しかし本業が獣医のHさんという登山家が各地の山の頂上からJ型アンテナを5Wのハンディ機に繋いでかなりの遠距離交信しているのを実際に何回も交信して、ハンディ機の用途も捨てたものではないと再認識したきっかけになりました。
 先日、元JARL支部長からどれも電源が入らなかったり動作がおかしいという無線機の修理調整(TW-4000 2台、IC-02N、C460)を頼まれて、内蔵電池交換から電池パックのニッカド交換、一部のコンデンサー交換と周波数計によるFずれ調整などにより取り合えず全部モノになったのにスイッチが入って、最近は古パソコンの修理再生と平行してジャンクの古ハンディ機の修理調整を何台か始めました。何台か修理完了させましたので、追って修理の経過を発表していきたいと思います。


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July 23, 2012

130円で入手!PC-8801mk II MRの現役復帰への道

Pc88 8bit時代のマイコンはリアルタイムでいじったことがなく、ビジネスマシンも未だ8bit機全盛期に職場には当時まだ普及し始めの16bitのパソコンが早くも導入されてしまったため、個人的にも当時SORDに勤めていた同期が会社の在庫整理命令で押し付けられそうになったSORDのM5に、結局は振られて以来、もっぱらゲームはファミコンで、8bit機はMSXさえ触ったことがありませんでした。ところがひょんなことからPC-8801用のゲームが10本ほど転がり込んできたため、いまさらながらPC-8801の本体を入手することを企みました。10年くらい前でしたらほとんど粗大ごみで路上に不法投棄されているような存在だったのでしょうが、今では動作の検証が出来ているものはけっこうな金額で取引されているようです。またいつの間にかキーボードと泣き別れになって本体しか残っていないものが多く、その結果キーボードのタマ不足からかキーボードの値段がジャンクの本体よりかなり相場が高いというような現象も起きており、さらにPC-8801はキーボードの種類がコネクター違いだけでも約3種類に分かれてそれぞれ互換性が無いらしく、そのために本体より先にmk-II SR系列のキーボードを先にオクで入手してしまいました。落札額が1600円で、本体からするといかにも高い相場ですが仕方がありません(あとからわかりましたが、このキーボードがとんでもないジャンクでした)。どうしてmk-II SR系かと言うと、86年以降のPC-88系ゲームソフトの動作条件が「mk-II SR以降」となっているからです。また機械のタマ数としては後のPC-8801FH系などと比べればPC-8801 mk-II SRが圧倒的に多いからです。狙いとしては5"の2HDの読み書きが出来るPC-8801 mk-II MRです。程度としては動作確認ナシのジャンクでせめて電源だけ入ることが確認できるものが望ましいと思っていましたが、実際に手に入ったのは一切の未チェックジャンク物PC-8801 mk-II MRで、その代わりといってはなんですが、落札金額は驚異の130円 ! 。もっとも送料が2000円掛かってしまいました。
 汚らしいダンボールにブチブチだけに包まれた状態で京都から届いたMRは電源スイッチを入れても当然ながら電源も入らない(冷却ファンだけは回る)ジャンクで、ほぼ粗大ゴミでしたが、よく欠落しているDIPスイッチカバーも付いており、外見中身なども欠品はなさそうでした。確証はなかったものの、当時の電源はスイッチングではなくトランスを使用した安定化電源が多く、コンデンサー抜けが原因の電源が入らないという現象が当時のPC98にも起きているため、素人ながらいくつかのコンデンサーを交換し、電源さえ修理すれば動くのではないかと考えました。まず電源が入らない原因を探るため、本体の分解に入ります。本体カバーを外し、冷却ファン、スピーカー、FDD2台を外し、FDD台と前面パネルを外し、後部の2本の固定ネジを外し、メイン基板からコネクターを抜くと電源ユニットを抜くことが出来ます。電源ユニットの上部パネルの3箇所のネジを外しすと内部基板を見ることが出来ますが、後の世代の基板のような表面実装部品をまったく使用していない基板はさすがに時代を感じさせます。そのために素人でもサーキットさえ追ってゆけば原因究明と修理が非常にやりやすく出来ています。ためしに電源コードをつないでスイッチを入れ、各出力の電圧を測って見ましたがまったく電圧が出ていません。どこかのコンデンサーがパンクしているのではないかと思い、ざっと基板を観察したところは液漏れコンデンサー等は見当たらず、久しぶりに実体顕微鏡を出して上から光源を当てて観察しましたが、コンデンサー基部の液漏れの痕跡は見当たりませんでした。それなら基板を取り外してコンデンサーを一本づつ外し、LRCメーターで容量を測ろうと思って一番たくさん数が使われている16V 470μF のコンデンサーを一個ずつハンダ吸取線を使って抜き始めたのですが、所詮このコンデンサーは平滑系の働きしかしていないようで、すべてまったく容量抜けもふくらみもありません。そこでいままでの経験上からいうと、電源系のトラブルは割と高い電圧が掛かっていながら容量の小さいコンデンサーのパンクが多いことから、基板上のC10の50V 4.7μF、C11,C110,C111の50V 1μFの電解コンデンサーを外すと案の定まったく充電も導通もしていなかったので、ストックの在ったまったく同耐圧同容量のものと全交換しました。これで基板コネクターとFDDの電源コネクターに電圧が出るはずなので、電源コードをつないでスイッチを入れ、コネクター末端電圧をテスターで測りますが、まったく電圧が出ていません。どうしたものかと思ったら、それより前段のC1 コンデンサー 25V 47μFを見落としてました。このC1コンデンサーは外して底を見ると電解液漏れも認められたためこれを交換し、さあ末端電圧を測ろうとテスターを当てるも電圧が出ていなかったため、コンデンサー抜けだけの問題ではなかったかと予想が外れて気落ちしかけるも、再度末端電圧を測るとちゃんと電圧が出ています。おそらく各平滑コンデンサーが充電され、出力されるまでのタイムラグがあったようです。FDD電源コネクター電圧が5Vのところ4,75Vくらいしか出ていないため固定VRを動かして5Vに調整。基板コネクターも8Vと12Vが出るように調整して一件落着。これで電源だけは完全作動品に再生することに成功です。本体基板が死んでいても電源の完全品があればジャンクの食いつぶしで何とか完全品を仕立てることは出来そうです。Pc88fdd ここまで来たら山の7合目まで到達した感じなので一休み。後日、大まかに部品を組み上げて電源をつなぐとちゃんと電源は入るようになりましたが、電源投入時FDD1のLEDは赤く点灯するのにFDD2のLEDがまったく点灯しません。ちゃんと電圧がコネクター末端に来ていますので、またコンデンサーのパンクを疑って分解し制御基板のチェックを始めました。またもや実体顕微鏡でコンデンサーの液漏れチェックをするものの、液漏れの痕跡は認められず、とりあえず前段のC1コンデンサーのハンダを溶かして外し、テスターを当てるも今度は両方向ともにスルーしてました。このコンデンサーは通常の2/3の長さの物でしたが、同じサイズのものがなかったので、足を長く残して巧みにオフセットさせ、コンデンサーの頭がはみ出さないようにハンダ付けしました。またこの周囲の電解コンデンサー3本もすべて無条件で交換し、ちゃんと電源は入るようになったようなんですが、まだ挙動が少し怪しそうな。もう一度組み立てなおしてキーボードとモニターをつなぎ、電源スイッチを入れると少々のタイムラグがあって内蔵ROMからベーシックが立ち上がり、「How many files(0-15)?と表示されるようになりました。そのままリターンを押すとN88 BASIC Version 2.1が起動しました。ところがコマンドを何か打ち込んでやろうとすると、キーボードの反応するキーと反応しないキーがあります。コネクターとかの接触不良を疑いましたが、どうもそれが原因ではないようで、いまどきのゴムキーとは違い、一個一個アルプス電気製のスイッチが仕込まれているキーボードなので、これだけ多数のキー接触不良は考えにくい気がします。しかし、この手のキーボードは一個のスイッチが不通になるとそれと関連するマトリックスのキー全部が反応しなくなるため、直す気になったら地道に不通のキースイッチを探さなければならないなんていわれましたが、さすがにそんなに暇ではありません。
 ためしにゲームソフトをFDD1とFDD2に挿入し、リセットボタンを押すとデモが正常に開始するソフトと挙動のおかしいFDD2からの読み込みでハングしてしまうものに分かれてしまいました。しかし、曲がりなりにも光栄の「提督の決断PC-8801版」のデモをチープなFM音源で鑑賞するところまでには行き着きましたが、この時代のやたらとアクセス音のでかい5"FDDといい、400x200で512色中8色のシンプルなドットで構成されたゲームのグラフィックスといい、やはり隔世の感があります。なんたって1985年10月発売ですから27年ものですしクロックたるやたったの4MHzです。挙動の怪しいFDD2を再度分解してヘッドの摺動部分にシリコングリースで潤滑し、各機械的に動作する部分を点検し、念のためFDD1とFDD2を入れ替えてみました。再度光栄のシミュレーションゲーム6タイトルのうち4タイトルは起動に成功しましたが、2タイトルだけはシステムFDからシステムを読み込まずダメでした。マシンの動作はまったく問題がないのですが、FDDがどうも2Dか2HDの判別がつけられなく、結局はROMからN88を起動するシーケンスになってしまいます。どうやら保管環境のせいで5"2Dの磁性体賞味期限切れが出始めたのかとも思いましたが、どうやらこのMRの2D,2HD兼用FDDは2Dディスクのセクター幅の関係でどうも一般メディアのゲームでも一部読み込まないものがあるらしいです。その問題を解決するにはどうやら2Dメディア専用FDDを搭載したmk-IISRかその後のF系マシンを素直に用意するしかないようです。
 ちなみにモニターは水平15.6kHzと24.8kHz、31kHzに対応するVictorの13インチCRTで、古い8bit機とPC98のために今出来のLCDモニターと並んで未だ現役で残された唯一のものです。以前は切り替えスイッチでX68000とPC98の両方につなげられていましたが、まさか今となって8bit機がつながるとは思いませんでした。それ以降の水平31kHz以上にしか対応しないCRTは17インチ3台、15インチ1台、14インチ1台とすべてLCDモニターに取って替わって引退しましたが、一番古いモニターだけPC98がつながりっぱなしで残されていました。これも水平24.8kHz対応のEIZO LCDモニターに置き換わる予定でした。あとX68K専用モニターで最後まで新品で売られていた15.6kHzと31kHzの両対応モニターがありますが、これはPC98の24.8kHzに対応していなかったため、ろくに使われないうちに箱に入ったままモスボール状態で保管されてます。今8bit機を運用させるためには水平同期15.6kHz対応モニター所持の有無がポイントになりますが、ここいらがwin95以前からパソコンに足を突っ込んでいたか否かのパソコンユーザーのキャリアの差なんでしょう。まして水平同期周波数がどうのこうのなんてまったく知らないパソコンユーザーのほうが多くなったのもwin95のおかげなのかもしれません。
さて、反応しないキーの問題ですが、後日キーボードを分解し、プリント基板上からキーのマイクロスイッチの導通を調べると文字キー30個、テンキー15個の合計45個もキーダウンでの導通がありませんでした。キーのマイクロスイッチを分解してみると、キーダウンのわずかの動きでマイカのような薄膜で絶縁している二枚の電極のボッチを接触させ、導通させる仕組みの両方の接点が経年劣化もしくは飲み物こぼしの影響ででも接点が腐食したのかキーの動きでうまく導通しなくなっていて、これはもはやこのキースイッチ合計45個を生きているものと交換するしかありません。同じPC88用キーボードの中古はめちゃくちゃ高いために、同年代のPC98用キーボードなら同じキースイッチを使っているだろうと思い、そういえば元JARL支部長宅にPC98VMか何かのキーボードがなぜか転がっていたことを思い出してさっそく電話したのですが、わずか数週間前に不燃ごみに出してしまったとのこと。まさかマイクロスイッチの部品取りに必要になるとは想像もしていませんでしたから、捕獲失敗は残念至極でした。とりあえずオークションで同世代の古いPC98のキーボードを物色しつつ、PC88の合計45個の不通マイクロスイッチは基板からハンダ吸取線を使ってすべて外してしまいました。ジャンクで入手したのはVMあたりの古いキーボードで入手価格は500円でしたが送料はその倍以上。これで過去に飲物こぼしの履歴でもあった部品取りにもならないゴミならば泣くに泣けません。ジャンクとゴミは本質的にまったく違うものです。Alpskey スイッチ交換で中断して1週間目に届いた98UVあたりのキーボードですが、中を分解してキースイッチを外してみてびっくり。同年代の製品ですから世界シェア80%のアルプス電気製のキースイッチだろうと勝手に思っていたらなんと自社NEC製のキースイッチに替わっており、キースイッチ基部も直方体形状から立方体形状に変わっています。また端子間距離がオリジナルの5mmから10mmに変わっていますので、8801のキーボードに取り付けるには冶具を作ってボール盤で基板に穴を開けなおし、さらに取り付けベースの穴形状を正方形にしてやらなければなりませんが、こんな大仕事はさすがにパスです。やはり同じ品番のアルプス電気製スイッチを使用しているキーボードを探すほうが無難ですが、ただ闇雲に80年代中ごろのメカニカルキーボードを探しても行き当たりませんよね。ちなみにこのNEC製のキースイッチ、アルプス製のスイッチが押しはじめにわずかに抵抗があってタッチに絶妙な変化が現れるのに対して、押し始めから底まで抵抗感の無いヌルっとしたタッチになってます。いくらアルプスのパテントを避けて自社でキースイッチをまかなおうとしようとも、本家よりいいものはついに作り出せなかった感じです。
 ところが、アルプスのキースイッチでネット情報を集めていたら、なんとSHARPのX68kキーボードにアルプス製のキースイッチが使われているというのがありました。X68kのキーボードだったらかなり以前に電源から火を噴いてお死にになったX68k ACEのキーボードがどこかに転がっていたはずです。しかし、PC88のキーボードのようにクリック感がなく、どっちかというとヌルっとした感触のキーボードだったので、にわかに信じられない感じがしましたが、キートップをはずしてみると、確かにアルプス製のキースイッチです。ただしPC88のキースイッチが青軸なのに対してX68kのキースイッチは緑軸で、明らかに押した感触が異なりますが、寸法はまったく同じなので、結局は必要分のキースイッチを半田吸取線を使って基板から外しにかかってしまいました。X68kの緑軸キースイッチを分解すると、クリック感をつかさどる独特の板ばねが省略された廉価版のキースイッチのようです。PC88のキークリック感を得るためにはこの緑軸キースイッチから接点だけを取り出して青軸スイッチに移植する必要がありますが、5個や10個ならまだしも45個も接点交換するのはさすがに根気が続かないので、残念ながらキースイッチごとPC88のキーボードに移植することにしました。ただし、X68kにはストッパー付きのキーが無いので、要交換のPC88のカナキーだけはオリジナルキーに接点を移植して使うことにしました。しかし、X68k現役のときから一部のキーで反応が鈍いものがあったので、導通を確認する選別を行うと45個のうち5個ほど導通のない、もしくは怪しいキーがありましたのでこれを排除し、PC88キーボードにハンダ付けして作業終了。Pc88_2 改めて本体に接続してN88 BASIC上ですべてのキー入力が有効なことを確認。以前は確認のyが打てなかったのでその先に進めなかったゲームもちゃんと動くようになり一件落着ですが、キーボード上でタッチの違うキーが2種類混在することになりました。まあ今の人は言われなければそんなことに気が付かないでしょうが。ゲームを立ち上げてみると、今度はFM音源のサウンドに微妙に高周波ノイズが混じるような気がして、今度はオシロでもつかって低周波増幅段のパスコン抜けでも探らないといけないかもしれません。


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June 20, 2012

HP-97 電池パックのセル交換

Hp97cell   計算尺コレクターの手元にはいつのまにか関数電卓が増殖していくようで、ご多分に漏れず当方の手元にももらい物だったりとりあえず安かったのでオークションで落としたものなど、あれよあれよというままにダンボール箱一個分くらい集まってしまったような状況です。特にジャンルとしては液晶以前の赤LED表示の関数電卓というと必然的にTEXAS INSTRUMENTSのものかHEWLETT PACKARDのものということになりますが、コレクター的にはRPN(逆ポーランド入力)のHP電卓が珍重されるようです。修理再生という面からいうとHPの赤LED表示時代の電卓は、その充電式内蔵電池(メキシコ製)の電解液漏れで基板のパターンを腐食しやすく、うちのHP-25の一台はキーボード部分を下にでもして放置してあったのか、なんとキーボード部分のパターンにまで電解液が侵入していて、部品取りの役にも立たないようなものも多い傾向です。その点TIの赤LED時代の電卓は、電池収納部分がほぼ隔離されているので、再生成功率がHPの電卓に比べて格段に高くなっています。またHPの電卓はメイン基板の金メッキの櫛状ターミナルにキーボード基板を差し込むという形状で、LED表示部分も差込構造となっているものがあったりで、すでに経年劣化で再生は接触不良との戦いでした。あまつさえ一台のHP-25は上下基板を完全にハンダ付けしてしまいました。またHP-33Eしか持っていませんが、通称SPICEシリーズは充電池部分から基板に伸びているふフレキシブル基板の樹脂部分が寿命で、充電池部分の基板部分から必ず切れてしまいます。どちらにしても当時のTIとHPの関数電卓はニッカド電池による充電式で、この電池が生きているものは皆無ですので、電池パックを分解して新しいニッカド電池に入れ替えるというのが電卓再生の一歩になります。ところが今やニッカド電池というのはニッケル水素電池やリチウムイオン電池に押されて街中で気軽に入手できるものではなくなり、さらにニッカドのタブ付き電池はよっぽど特殊なパーツ屋でもないと手に入りません。また古いなんの過充電防止回路も無いニッカド電池パックにニッケル水素電池を仕込むことは避けなければいけません。しかし最近のニッカド電池は当時のものとは容量が格段に向上し、当時450mAh程度のものが今では1100mAhクラスのものまで手に入ります。上京するたびに時間を見つけて秋葉原に立ち寄り、電卓修理の目的だけのためにニッカドタブ電池を入手してきました。いままで再生した電池パックは6個ほどを数えます。これらの電卓は単三のタブ付きで事足りるのですが、問題はHP-97の内臓電池で、この電池は単二サイズとはまったく異なり、長さも直径も一回り小さい規格の電池で、市販の単二電池を仕込もうにも入りません。このHP-97は売り手の知識がまったくなかったために、HP-67といっしょに1000円で手に入れたはずだったのですが、売り手がHP-67のほうを無くしてしまって結局はHP-97しか届かなかったものです。HP-67はもらい物が一台あるのでかまわないのですが、HP-97はACアダプターが欠品で、結局は電池パックのセルを交換して外部から強制充電して使うしかありません。ちなみにこの当時のTIにしてもHPにしてもACアダプターの出力は整流されていません。単純に内部のダイオード一本で整流して充電池に充電する仕組みで、充電池が一種の平滑コンデンサー代わりに作用してますので、電池が入っていないとACアダプターのみでは電源が入らない仕組みです。ここいらが日本製電卓と根本的に考え方が異なります。電池探しで3年ほど放置してあったHP-97ですが、昨年のGWにまたもや東京で葬儀に参列しなければいけない用事があり、その途中で秋葉原に寄ってパーツを色々仕入れてきたわけですが、その途中でHP-97の内臓電池のことを思い出していろいろ探しましたが、それに該当するサイズの電池がありません。山手線ガード下のジャンク屋もGWということもあって開いている店は少なかったのですが、開いている店の一軒のダンボールにそれらしきニッカドの組電池が積み上げられているのを発見。本来は何に使用される組電池かはわかりませんでしたが、この500円のシールが貼られているサンヨーの1200mAh 3本組電池を2パック買って来ました。そのまま忙しさにまぎれて1年1ヶ月も放置してしまいましたが、先日急に思い出してHP-97の電池パックを分解すると、まさに同じ紙筒に入った同サイズの電池が4本直列で両端折り返しの4本組み電池になっています。そうなると、買ってきた3本組みの電池の一方にもう一個追加して両端を折り曲げ、4本組みにしてオリジナルの端子をハンダ付けすれば最少の手間で電池パックが再生できるというものです。事実電池パックのプラスチック部分の接着をはがして中の電池を交換するまで20分程度しかかかりませんでした。外部の安定化電源から慎重に電圧電流を確認して充電をかけ、問題なく使用できています。ひとつ工作上で注意しなければいけないことは、4本組み電池の折り返した+-の両端子が向かい合うため、この部分の絶縁はかなり慎重にしなければいけません。3本組み電池のラベルには3N-1200SCKという表示がありました。メーカーはSANYOのカドニカです。おそらくPANASONICに事業統合されてしまう前に廃盤になった電池だと思われますので、HP-97の電池パック再生を試みたい方はお早めに。

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