ボタンが反応しないケンウッドTH-F7の修理
このKENWOODのTH-F7は4アマ取得直後にとりあえず開局してコールサインを取得するための手段としてうちの貧乏無線局としては唯一新品で購入したものです。とりあえず局免を取得してしまえばあとは中古の安い無線機をオークションで落札し、保証認定を受けて段階的に出られるバンドを増やしていこうという目論見でした。しかしこのTH-F7は購入したものの1アマを取得するまで電波を出すことを封印してしまいました。というのも運用にうつつをぬかすと勉強とモールス受信練習が疎かになって上級免許を取るモチベーションが上がらなくなるということを信じていたからなのですが。それで4アマ取得後1年かけてモールス受信スキルをなんとか獲得し、3アマを取得後さらに3ヶ月で2アマを取得したころには今と同じQRVバンドが整備されたものの、相変わらず各バンドをワッチすることしかしませんでした。その間もTH-F7の役目と言うと専らラジオと消防波受信としての用途がメインで、当時バーアンテナ内臓でAMラジオの感度も良いというハンディ機は唯一ということもあり毎日充電放電を繰り返した結果、3年ほどで充電能力が低下してしまい、乾電池ケースもあったもののこれだと最大500mwしか出ないこともあり、一線を退きました。充電池を上京の際に秋葉原で購入したのはそれから5年の後。電池を交換した後もめったに使われることはありませんでした。というのも消防波がデジタル化したのが大きかったかもしれません。というかハンディ機自体がかんたんな修理調整で直す事自体にしか興味が無くなってしまったからなのですが。
それで家に増殖したハンディ機のうち一部のものがボタンの反応が鈍くなったり効かなくなってしまったものが出てきたのはわかっていたのですが、触りもせずに今まで放置していました。ところが先日久々にハンディ機どうしで交信したことと、IC-μ3の分解をしたことがきっかけでこちらの方にも手を付けることになりました。そのなかでTH-F7も各ボタンの反応がにぶいことは数年前には感じていたので、分解してボタンの接点と基板の接点を洗浄し、復活させる作業に着手しました。
TH-F7の分解は比較的に簡単です。電池パックを外し、アンテナ基部とボリュームスケルチ基部のナットを外し、電池パックを外したときにあわわれる本体裏側下部のネジ2本を外して本体前面のプラスチック部分とダイキャスト部分をこじると基板と前面パネルの部分が分離しますが、スピーカー部分のコネクターを外すのを忘れないようにしなければいけません。ポタンは裏側に導電ゴムのチップが付いた一体型のゴムシートで、このチップ部分と基板側の接点をエレクトロクリーナーを染み込ませた綿棒で十分洗浄し、さらにボタン部分の接点はグラスファイバー芯を束ねたコンタクトクリーナーで擦っておきます。そしてもとに組み立て直したTH-F7はすべてのボタン操作がスムースに行われることを確認して一件落着。
ところが翌日、電源ボタンを入れようとしたらまったく反応しなくなりました。もしかしてしばらく放っておいたリチウム電池パックがもう充電能力が無くなったのかと思いきや、満充電状態で8.4V出ているのでどうも電源のせいではないよう。それならばと、前面だけ外した状態で電池パックを装着し、ピンセットのお尻でで電源スイッチ部分の基板を短絡させるといきなり起動しました。どうも一番使った電源スイッチ部分の3mm径の導電ゴムだけが寿命だったようです。ここの部分はどう洗浄してもダメでした。通常のメーカー修理ならばボタンのゴムシートをまるごと交換しなければいけないのですが、こういうゴムスイッチの交換用ゴムのタブレットもちゃんと市販されているので、これを接着することで部分補修出来るものの、こんなもので密林(amazon)を使うのももったいない。それで素材として使ったのが単なる台所用のアルミホイル。これを円形に切り抜いて瞬間接着剤で導電ゴムの上から貼り付け、瞬間接着剤が乾いたところでもとに組み立て直し、電源ボタンを入れるとあっさりと起動しました。この導電ゴム補修にアルミホイルを貼り付ける修理法は他のボタンの反応が鈍くなったリモコンの補修にも広く使えそうな裏技的なものでしょうか。
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