May 06, 2023

6mシーズン幕開けは突発的地震Eスポ?

 昨年の50MHz帯の国内伝搬は全般的にあまり良くなかった印象がありました。というのも当方が平日運用できない午前中には開ける日があったものの、当方が伝播状況をワッチし始める夕方からは爆発的に開ける状況に遭遇することが出来ず、なんと昨年の6m交信数は「ゼロ」局。こんな体たらくな運用状況だったので、ますます運用アクティビティーが下がってしまう状況でした。さらにうちのお猫様(メインクーンオス8歳11kg)が図体こそずば抜けて大きいものの「ノミの心臓」といわれるほどの臆病者で、大の変調音嫌い。無線機から聞き慣れない妙な声がするのをとても怖がり、無線機の電源を入れてワッチを始めると「ヒャアヒャア」という声を出して「やめろやめろ」と抗議を続けるのです。どこかの部屋へ避難でもすればいいものの、飼い主のそばに引っ付いていたばかりに自分よがりに無線をやめさせようとする猫の妨害のためにこいつが家に来たときを境に運用アクティビティーがバリ下がりになったような(笑)
 それで5月5日のこどもの日の祝日。午前中からHFハイバンドの伝播状況をチェックするものの、相変わらず伝播状況はPoorで21MHz国内は辛うじて6エリアと中国あたりがちらほら聞こえている程度。まして6mは宮崎ビーコンさえ聞こえず、今年もまたハイバンドはシーズン中、低空飛行かと諦めてしまっていた午後。流し見していたTVで石川県能登地方でまたもや大地震が起きたことを知ります。まもなく再度緊急地震速報の警報音が流れたため、この警報音が大の苦手の大猫は固まってしまいました。久々のマグニチュード6超えの大地震で被害や余震が心配のため、ずっと被害の状況を確かめるためにTVに釘付けになっていたのですが、よもやこの地震で思いがけない伝播状況になっているとはつゆ知らず。人的被害は、はしごから転落して亡くなった方が出たほかはあの大地震にしてけが人しか出なかったのはさすがに日頃から地震に備えのあった能登地方だと思いつつ刻々と克明になる地震被害と余震の続報を見ていて、よもやと思って6mの無線機のスイッチを入れたのがもう17:30過ぎ。そのよもやというのが地震由来の突発性地震Eスポの発生なのです。この地震を原因としたであろうEスポ発生の異常伝搬というのは何度も経験があります。甚だしいときには2006年2月の厳寒期に発生した地震由来のEスポにより6mの異常伝搬が起きて1エリア2エリア局と交信出来たことがありました。この地震による異常伝搬というのはまだ科学的にメカニズムが解明されたわけではありませんが、地震によって震源域地下で岩石崩壊や断層の摩擦に伴い電気エネルギーが発生して電子の一部が空中に放出され、突発的にスポラジックE層を発生させるなどとも言われています。まあ発生メカニズムは専門研究者に任せるとして、アマチュア的には異常伝搬が出現してどれだけの広範囲に交信できるかと興味に尽きるわけですが、まず確かめた宮崎ビーコンは今年始めて確認でき、すでに6m帯のメインバンドは蜂の巣を突いたように賑やな状況でした。もう混信しない場所を探すのが困難で、バンドエッジの方に押しやられ50.268近辺でCQを出し始めると1エリアをメインに5エリア4エリア3エリアとまんべんなくコールバックがありました。そして40分あまりの間に19局と交信成立。久々の6mの開きっぷりに驚くと同時に「今年はいけるかもしんない」なんで思ったのですが、これは地震起因の突発的異常伝搬であってこのコンディションは今後の6mの伝搬を占うものではないでしょう。交信した局が口々に言うのは「今年始めて開けた」「今年はじめての6m交信」などと言っていましたが、地震による異常伝搬を指摘される方はいませんでしたね。そんなときの猫の様子でしたが、最初こそやめろやめろとギャーギャー騒いていたものの、千載一遇のチャンスを猫に邪魔されてはと無視し続けたら諦めてピギャー音が聞こえない階下に避難していきました(笑)
 それで今朝、宮崎ビーコンの周波数を合わせるもぜんぜん聞こえない…。本格的な6m伝搬シーズンは沖縄が梅雨入りして大陸から前線を伴った低気圧が移動してくる状況の「キングソロモンの法則」の季節にならないとダメかな?

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June 05, 2022

超・久しぶりに430MHzで交信

 前回、430MHzで交信したのが何年前なのかもわからないくらい久しぶりに市外の局と交信してしまいました。というのもどうも430MHzはあまり相性が良くないみたいで、どちらかというと今の季節の興味は50MHzでEスポが開いているかどうかというほうに傾いてしまいます。そのため、430MHzのメインチャンネルをつけっぱなしにしていることなどまったくというほどなく、モービルこそ20W機ですが、シャックで使用している無線機は古い10WのFM専用モービル機のみ。そして430MHzは平日はトラックドライバーのコールサインを言わない無駄話の広場になり、休日は沈黙のバンドに思えるのはアンテナ等の原因で当方があんまり電波を拾えていないだけではありますまい。その「沈黙のメインチャンネル」の430MHzは現在では144MHz以上にこちらではアマチュア無線に常用されていない気がします。もっとも八木の4本スタックでも立ててダクト発生時の遠距離通信を狙うという楽しみ方もありますが、相変わらずの貧乏無線局向きの運用ではありません。ただ、モービルアンテナと変わらない利得の屋根上GPアンテナで9月から10月の始めころ、海水温と大気温度の逆転現象でダクトが発生した際に対岸7エリアの局とがんがん交信できた430MHzならではの経験もあり、こういう非日常が体験できる周波数帯としても面白いとは思うのですが。その430MHzで久しぶりに交信しました。というのも何年か前にNYPで2局くらい交信した事はあったものの、市外の比較的遠距離との交信は15年以上間が空いていると思います。というのもあまりにも使っていない無線機に火を入れてメインチャンネルワッチで一分もしないうちにCQの声が聞こえたのです。それもかなり遠くからのようだと思ったら道南は七飯町ポータブルと言っているので10Wで届くかどうかわかなかったもののコールバックを入れました。おそらくは道南エリア最高峰の横津岳山頂からのハンディ5Wの運用だそうで相手信号52。こちらの信号は57で交信成立。本格的に山頂に居座って運用というわけではなくハンディ機をお供に登山にやってきたという感じらしく数局と交信してQRTしてしまいましたが、さすがは道南で、ハンディ機で7エリアの青森市あたりとハンディのアンテナで交信できていたようです。まあ横津岳に登らないまでも函館郊外にはきじひき高原という移動局運用スポットがあり、50MHzあたりでGWが伸びれば7エリアのかなり奥まで電波が届いているらしく、平担地ばかりで市内の移動運用先に窮するうちの街とは大違い。この移動運用最適地の有無が函館エリアに無線人口数が多い一つの原因にもなっているようなのです。実に羨ましい(笑)

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December 13, 2021

呪いのアンテナ再度設置

 こちら8エリアは例年に比べて根雪になるのが遅く、さらに日中も最高気温が10度くらいまで上がる日もあったため、例の呪いのダイポールアンテナを一度降ろしました。そしてローディングコイルの接続部分やバランとエレメントの接触部分などどうせ組み立ててから一度も整備していないだろうことも容易に想像出来たので、接続部分を磨いて表面酸化部分を落とし、ステンレスの5x15mmのボルトやナットはすべて新品にして導電コンパウンドを塗った後に再組み立てし、バランの部分からエレメント末端の導通を確認しました。
 そして、再び屋根に上げて逆Vに張り直したのちにリグに接続し、リグに火を入れ(真空管機なもんで)て、SWRのチェックを始めると、7MHzは見事に落ちましたが3.5MHzが落ちてくれません。ちょっと「がっかりだよ!」なのですが、もはや原因としては接触不良意外に考えられず、ワイヤーエレメントとローディングコイルを接続するための金具は2本のビスで止められているものの、本来はエレメントを抜いて磨き直してしまうところ、たぶん大丈夫だろうとビスの頭に導電コンパウンドを塗っただけですませてしまったところに根本的な問題があるようです。このワイヤーエレメントと金具の接続箇所は左右のエレメントで4箇所。更に寒さをもたらす発達した低気圧もやってきて、もう屋根に上るのも嫌だなあと思っているところに雪まで薄っすらと積もってしまいました。こりゃやはり春までダメそうな。
 それでも7MHzのダイポールアンテナとしては使えますけど、それじゃあ以前の自作7MHzダイポールアンテナを張っていた環境と変わりありません(汗) それでも出力を掛けなければ3.5MHzのワッチ用としては申し分なく、以前のCP-6では地元のOMさんが相手をしている局の信号がノイズに掻き消されてまったくわからなかったものが、今やかなり弱い信号でも聞き取れるようになりました。ただ、受信だけでは何の意味もありませんが、3エリアあたりでじじいの世間話的なローカルラグチュー‎に使われている実態はよくわかりましたぞ(笑)

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November 28, 2021

トラップコイル?ローディングコイル?

Dvc00339  それで実際にこのトラップコイルのLを測定してみると相当大きな数値であることがわかりました。昔から使っている(主に電解コンデンサの容量チェックにしか使っていませんでしたが)LCRメーターが出てこないので、3年ほど前に購入したオートマチックのトランジスタチェッカーを使用しました。レンジなと切り換えること無くLCRも自動判別され、そこに表示された値はなんと0.8mH。普通に自作する7MHzトラップコイルではこんなに大きな値は使わないはずです。それでHEMMIのNo.266を大昔に厚木のオリジナルJA1コールのOMさんから譲っていただいた本来の目的通りに7MHzに同調するLが0.8mHのときのCがどれくらいかとまず滑尺の右端を7MHzに合わせた後、カーソルを移動して下固定尺のLを0.8mHに合わせ。滑尺上のCの値を読み取るとなんと1pFよりも小さい値の0.65よりもやや右寄りなので0.64pFくらいに読めるのですが、実際に1/(2π√LC)で計算機を叩くと単位換算が面倒くさいのですが7.08MHzに同調する切れの良い数字で0.63pFと出ました。計算尺侮ることなかれですが、0.64と0.63の差なんて実際のキャパシタの誤差からしたら意味のない違いです。
Dvc00345  そもそも7MHzのトラップコイルを自作しようとしたらLは1μHくらいに設定してCは50pFくらいに設定するのではないでしょうか?0.8mHのコイルを7MHzに同調させようとしてもLが大きい分だけCの値が少し狂っただけで同調周波数が大きく狂ってしまうのです。やはりこの呪われたアンテナのコイルはトラップコイルにあらず、単なる3.5MHzダイポールアンテナのローディングコイルであり、7MHzに同調させてコイルより先を遮断するのではなく、常に3.5MHzのアンテナとして動作し、また2倍波の7MHzもちゃんと同調するように設計されているということらしいです。そうなるとSWRが怪しいのはエレメントの断線や接触不良、さらにはバラン内部で巻線が焼ききれていないかなどのチェックですが、もう雪が積もったり解けたりを繰り返す季節になり、とてもこれから屋根に登って降りての作業をする気にもなりません。こいつは春までダメそうだ。しかし残念なのは今回もディップメーターの出番がなかったこと…。材料ありますからこないだ階段脇から発見した塩ビの排水管の切れ端使って7MHzのトラップコイルを冬ごもり中に実際に自作してみましょう。

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November 27, 2021

呪われたダイポールアンテナのコイル修復

 先日、雪が来る前にとりあえず上げてしまった7/3.5のダイポールアンテナはやはり呪われてました。なんとなくおかしいなとは思っていたのですが、上げてからSWRなんか測ればいいやと思っていたものの、トラップはLCで構成されていなければいけないのに経年劣化かそれとも出品者に知識がなくて見栄えが悪いから取ってしまったのか、それともそもそも受信用にしていただけのアンテナだったのか。それで手動式のアンテナチューナーを使うにしても7MHzはとんでもなく離調したポイントでなんとかSWRが落ちるものの、3.5MHzはまったくダメ。なんとコイルに「C」に該当する物がありませんでした。コイルのL巻線が切れてはいないと思うのですが(わかりませんが)、C分を追加して7MHzに同調させるようにしないとダメです。そのため、アンテナを一旦降ろしてトラップコイル部分のLを測定して、7MHzに同調するようなCの容量を計算しなければいけないわけで。同調周波数を求める計算は1/(2π√LC)というのは上級ハム試験の無線工学でも基本中の基本公式なので知らない人はいないと思うのですが、これがLをどう動かしたらCがどう変わるのかというのをいちいち数値を当てはめながら計算するというのは非常に面倒くさいものです。その同調周波数を設定してしまえばLとCの組み合わせが連続して直読出来るというのは計算尺に限ります。それも何ら単位の読み換えなし値が読めるのはHEMMI計算尺のNo.266の独壇場です。(ただ大体の目安にしかならないので、ピンポイントな目的周波数に対するLCの組み合わせの正確な数値は実際に計算機を叩いてみる必要があります。)
 その操作というのも滑尺を引いて右端f0を7MHz(うちのNo.266は2本ともMcですが)に合わせ、滑尺上のCfと固定尺のLにそれぞれの値が読み取れるというもの。そのため、コイルのLを測定器で測定さえすれば計算尺上にそれに合致したCの値が読み取れ、同軸ケーブルを使ったキャパシタでそれを製作するということ。おおよその目安として5D2Vが1cmあたり容量1pFらしいので、大体の長さを切り出して芯線と網線間の容量をカットアンドトライで測定し、目標値のCを得ればよいわけです。それでLCが組み合わさればあとはディップメーターを使って同調周波数を測定するというプロセスですが、そもそもこのNo.266を厚木のJA1コールのOMさんの好意で譲ってもらったのも、ディップメーターを入手したものそもそもは自作のトラップコイルを作りたかったゆえなのです。しかし、いつのまにやら計算尺のほうが面白くなってしまって本末転倒、今まで本来の目的のトラップコイル作りを放り出してしまっていたわけなのですが、呪いのアンテナのおかげで今になってトラップコイルに手を出さなければいけなくなったというのは夏休みの最終日になって宿題が終わらなくてバタバタしている要領の悪い小学生のようなものでしょう(笑)それでどうも市販のトラップコイルだと同軸コンデンサーくらいでは間に合わなさそう。というのもLは予め決まっているので、同調を取るにはCで調整しなければいけません。セラミックコンデンサを使用するにしてもかなりの耐圧を要求され、並3の同調バリコンは入手難ですし、防水性にも問題があります。そうなると同軸コンデンサ頼みになるのですが、まさか何十センチも必要になるとなると、それにも問題があります。
 さらにもうすでに雪がちらつくようになった陽気の中で、また屋根に登ってアンテナ下ろすのが面倒なこと。どうせ最近はHFなんざちっとも使わないのだから春になって暖かくなってから、なんていうズボラな気持ちが出かかっていますが。ところで最近は安い中国製のマルチメータでさえLCRの測定もトランジスタのhFE測定も出来たような気がするのですが、肝心な我が家のLCRメータ、最近使わないからどこへ入ってしまったかわからない(笑)

 えっ!市販の2バンドワイヤーダイポールアンテナのトラップコイルって設計上L成分しかなくて共振回路を形成していないんですか?なにせ市販品って見たこと無いので、当然LCで共振回路を形成してそれがトラップだと思っていたのに。そうなったらまた別な問題化かあ。こいつは春に雪が解けるまでダメそうだ。

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November 17, 2021

7/3.5の逆Vワイヤーダイポールアンテナに張り替える

 貧乏無線局ゆえにHF増設時に合わせてHFマルチバンドのGPアンテナをオークションで落札したものの、あとが続かずバランを自作してワイヤーダイポールアンテナを作ったり50MHzの2エレHB9CVをトマトの支柱を使用し同軸ケーブルをコンデンサかわりにマッチングに使用したものを自作したりしたのですが、このトマトアンテナのエレメントは紫外線劣化で外皮にヒビが入り、そこから錆びだして導通が悪くなってほぼ2年毎に作り直さなければいけないというのが煩わしくて4回ほど作り直した後に市販のHB9CVを上げてしまいました。それでもこのトマト支柱アンテナのみで50MHzでJCCの500市を達成したのですからたいしたもの(笑) それで現在まで残っていた自作アンテナは7MHzモノバンドのダイポールアンテナのみ。それもおおよそ18年位上げっぱなしだと思うのですが、この自作アンテナレポートは当時のCQ誌の読者サロンのようなコラムに掲載されて図書券500円ほど頂いた記憶があります。徹底的に廃品を使用して作ったアンテナでバランに使用したのは手持ちのトロイダルコアと掃除機のモーターを分解して取り出したエナメル線を使用して100均で3個くくりで売られているタッパーの防水容器とし、道端で拾った塩ビの水道管と組み合わせて自作したもの。エレメントは盆栽などに使用する1.6mm径の裸銅線。碍子は同じく拾った塩ビ管を切ったもので、当初は両側からテンションかけるとどんどん伸びるため、落ち着くまで苦労してマッチングを繰り返し、SWRも1.1くらいにまで追い込んだものでした。屋根から東西に逆Vに張ったのですが、固定先は庭のイチイの植木でした。自作のエンテナ故に本当に電波が飛ぶのかどうかというのが当初ドキドキで、たまたま1エリアから強い電波で入感していた局が一局しかなかったので、試しに呼んだら一発でとってもらった初交信局が当時7メガの有名局のセブロン氏。すでにこのアンテナは永久に呪われたかどうかは知りませんが、その後バランの防水ケースが紫外線劣化でバラバラになってコアがむき出しになっても動作は問題なく18年の間上げっぱなしでした。その間7MHz帯が倍に拡張されてもフルサイズゆえのブロードさで新たにマッチングの必要もなかったということもありましたが。また10MHzが飛びはともかくそのまま乗るため、21MHzで交信していたOMから10MHzのCWの要求があって、このアンテナで交信したこともありました。実はこのアンテナは当初から拡張計画があり、7MHzのトラップコイルを自作して7MHzと3.5MHzのデュアルバンドのダイポールにすることです。というのも垂直系のアンテナで3.5MHzは短縮率が大きすぎてまったく飛ばず、交信したのは同一エリアのみ。アンテナチューナーで7MHzダイポールで電波を出しても似たようなものだったので、3.5MHzのダイポールはローバンドの課題だったのです。そのため、2.2mm径のPEW線をリールごと一巻き(たぶん340mくらいの残)を購入したり、ディップメータを譲ってもらったり、水道管を購入して7MHzのトラップの材料は揃えたものの、急に意欲を失ってしまったものだったのがほぼ15年くらいそのまま。先日、階段脇に塩ビの排水管を切ったものが転がっていたのに、なぜこんなものがあるのか全く覚えがなく、いまになってトラップコイルの材料だったことを思い出しました。こういうのは情熱があるときに一気にやってしまわないと永久にそのままという見本のようなものです。自作アンテナ時代の話なのですが、実は以前から顔しか存じ上げなかったものの亡くなった父親のキリスト教集会のお仲間にNさんという方がいて、この方に父親の葬儀の司会なんかをお願いしたのですが、実は父親の葬儀の際にこの方が元JA8CWさんという大OMだったことがわかりました。このNさん、元NTTのOBで、若い頃は名寄、北見、落石など何年かおきに転勤を繰り返し、転居先で知り合った2桁コールの方たちのアンテナやシャックなどの様子を克明に写真にしたものをアルバムにしており、後日ご自宅にご挨拶に伺った際に見せていただきました。今はもうサイレントキーになられた2桁OMさんのほうが圧倒的に多いのですが、その中でも有名なのがJA8AAの濱OM。確か通信電設関係の会社の2代目とかなんとかというお話で、当時北海道電力の送電線の鉄塔を改造したアンテナタワーに自作のビームアンテナを上げている昭和40年代の写真がありました。しかし、当時一般的に自作されていたのがNさんを含めて丸太を組んだ骨組みの2エレキュービカルクワッドアンテナを木製のはしごタワーに上げたもの。防風雪で壊れたりするので2年に一度は新しく作りなおしたなんて話でしたが、そういえばうちの近所にも丸太をバッテンに組んだ木製のキュービカルクワッドを上げた家が2軒ほどありました。しかし、その後既製品のスプレッダーを使用して半自作のキュービカルクワッドを上げる時代をへて、既製品のタワーやビームアンテナといえば既製品の八木アンテナの時代になって久しく木製や竹製のスプレッダーを組んでキュービカルクワッドを上げたという話は半ば伝説の世界でしょうか。JA8CWのNさん、開局当時はもちろん自作のリグを製作し、落成検査を経てようやくコールサインをもらったのが昭和31年だというお話でしたが、現役時代は長くドレークの愛用者だったそうです。現在は岩見沢の幌向から雪の少なく娘さんの嫁ぎ先でもあるウチの街に移住してきて高層アパートの住人になり、住環境重視で無線環境には恵まれないため、無線局復活はないようです。それでもデジタルモードには興味があるようなのですが。
 話は変わって某フリマサイトで詳細がまったく記されていないため、何メガのアンテナかもわからない市販品の中古ダイポールアンテナを入手。それは蛇の道は蛇でトラップコイルが着いているため2バンドであることもわかりますし、トラップコイルの大きさを見れば何メガのトラップコイルかも見当がつきます。それでこれは7/3.5MHzの2バンドダイポールアンテナと思ったらもちろんこれはビンゴ。バランの上の部分の紐などで吊るす穴が経年劣化で脱落していて紐で吊るすようになっているため、もしかしたら当方で3オーナー目くらいの古さはありそうですが、ものは昔のコメットの2バンドダイポールアンテナのようです。とりあえずは卸っぱなしで整合もとれているだろうと判断し、18年経過した自作のダイポールアンテナを撤去し、さっそくこちらを上げてしまいました。それに先立ちエレメントの伸びる方向に蔓延る蔓などを徹底的に刈り取るなどの作業を行い、これが結構な手間だったのですがなんとか経路を確保。西側はまだ余裕があったのですが、東側は3.5MHzのエレメントが延長になった分従来のイチイの木に縛り付けるわけには行かず、敷地ギリギリのアオモリヒバの2.5m高の部分に縛り付けました。まだ詳しい整合状態はチェックしていないものの、バンドをワッチしてみたところ、7MHzは自作アンテナと変わらないものの、3.5MHzは垂直系の短縮率が高いアンテナではノイズにまみれてまったく受信できない信号がさすがにノイズもなく浮き上がって聞こえてくるのには驚かされました。整合チェックや送信に関する飛びのチェックなどはこれからですが、卸っぱなしを再度上げただだけだからそれほど問題ないんじゃないかとは思いますが。この品物、いつまでも荷物の番号が登録にならないのでおかしいと思ったら同一市内の東の営業所から西の営業所に回っただけの同一市内配達。もしかしたら市内でサイレントになった局のものを某OMが撤去して片付けてそれをフリマに出したのを当方が購入したのかも?しかし、某OMの出品物だったらアンテナのバンドの詳細くらい絶対に記載するでしょうし、これは一種の謎。でもアマチュアのアンテナは天下の周りものとはいえまた「呪われたアンテナ」だけは嫌かもしれない。しかし、新品アンテナ買う気にはぜったいにならないのが貧乏無線局ゆえの思想です(笑)

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November 04, 2021

初めて実交信に使用したスタンダードのC520

 ここ一年半のコロナ自粛生活でのんきに移動運用で全国を回って歩くというのはさすがに憚られたようで、昨年夏と今年の夏の6m移動運用のおなじみさんたちも自分のローカルの外に出ることを自粛していたようで、伝搬コンディションもあり寂しい夏だったようです。しかし、ここへ来てのコロナの感染状況改善に伴い10月の末あたりから観光客の移動が急増し、苫小牧や小樽にフェリーで8エリア入りする他エリアコールサインのモービル局と交信する声もちらほらとワッチされるようになりました。また、このコロナ自粛の巣ごもりで無線局の再開局や新規開局が増えたそうで、JARL会員も減る一方だったのが減少に歯止めを掛けて増加に転じたそうで。そういえばうちのローカルでも2mのアクティブ局はコロナ禍で復活コールサインで再開局した人が何人かいます。
 そんな中で、以前机の上から猫が叩き落としたアイコムの430MHzモノバンドハンディ機IC-μ3の落ちどころが悪くて硬いものの角にあたったらしく、外装が大きく欠けてしまったのですが、これはちゃんとJARDのスプリアス認定保証も受けた個体だったため、ジャンク品から前面のプラスチック部分を交換するべくジャンク品を漁ることすでに2年。これ、液晶部分が液漏れして真っ黒になり、周波数表示が全く見えないものもけっこう高いのです。でも待てば海路の日和ありで、10月の頭に本体100円送料620円でIC-μ3を入手。このジャンクは動作も正常で液晶も端に黒染みは出ていたもののきれいな個体で、表面だけの外装取りするのはもったいないのですがPTTボタンや裏側に傷が多かったため、迷わず表の部分だけ交換用に使ってしまいました。交換はさほど難しくはなくバッテリーケースを外して底面のネジを4本外し、側面のネジを一本外してフロント部分を引き出し、スピーカーのリード線をはんだごてで外せば交換が可能です。
 どうもハンディ機を久しぶりに分解したことがきっかけになり、何台かキーの導電ゴムの接触不良で反応しないボタンのあるハンディ機を分解し、接点の洗浄と導電ゴム部分の表面をグラスファイバーの繊維を束ねて芯にし、繰り出し式のペンになっている接点クリーナーでまんべんなく擦ってやりました。これで問題なく元の状態に復活しましたが、当初は移動運用のためにTVの300Ω並行フィーダーを使ってJ型アンテナを作り、ハンディ機で少々高いところに登って電波を出してみようなんて思っていたものが、そもそもの出不精でおまけにでかい猫2匹が飼い主の外出を妨害するにいたり、ハンディ機は修理調整の対象でしかなくなってしまいました。それでも修理調整の完了した古い技適以前のハンディ機はすべてJARDの保証認定受けてJARD経由で相通局に無線機追加の変更申請を出し、さらにJARDのスプリアス確認保証も受けてますが、移動局の無線機の台数が第18無線機まで及び、そのスプリアス確認保証の保証料だけで昔JARDから頂いた4級アマチュア無線技士講習の講師料1日分がすべてちゃらになった計算でした(笑)そんなハンディ機の数々ですが、いちども交信したことのないものばかりで、そもそもハンディ機で交信したのは果たして何年前でしょうか。おそらくは10年以上前ではきかないかもしれません。
 そんなハンディ機群でしたが、何かの暗示でもあったのかたまたま前日に充電器にかけて久しぶりにフル充電したスタンダードのC520。電源を入れてみるとローカルのOMが千歳の局とラグチューしている声が聞こえ、他のチャンネルでもあまり聞き覚えのないコールサインの局がローカル同士でラグチューしているのがフルスケールで入ってきます。久しぶりにハンディ機の短いアンテナでも十分に聞こえるQSOをワッチできた感じでしたが、これも祝日前日の夜ということもあったのでしょうか。翌日、文化の日は午前中にたまに強い雨に見舞われ、祝日だと言うのにたまにモービル局が入って来るくらいでしたが、午後だいぶ遅くなって樽前山頂の東山1022mからハンディ機を使用して移動運用されていた函館からの移動局を確認しました。勝手知ったるローカル交信ポイントで、見通しも開けており過去何度もハンディ機同士のQRPで交信したこともあって、こりゃこちらも固定機を使うまでもないと前日フル充電したスタンダードのC520で自宅2階の北側の窓からコールを入れました。念の為純正の短いアンテナからよりゲインの高いダイアモンドのRH901というアンテナに交換してのコールで、C520の7.2V充電池の144MHzの出力は確か2.8Wほど。それでもお互いにフルスケールで入感するほどの良好な交信でしたが、考えてみれば直線距離で20kmほどしか離れておらず、さらに1022mと海抜6mの場所との交信とあらば当然の結果(笑)おそらくは500mW出力同士で交信したとしても十分だったでしょう。奇しくもこれが9年ほど前に修理しながらいままで一度も交信に使用したことのなかったスタンダードのC520の初交信になってしまったというお話。その後、駅裏側のマンションのリビングから同じくハンディ機で呼んでいる局があり、その局の信号はこちらでもフルスケールで入感するほど。最近のハンディ機はリチウム電池が携帯電話のおかげで進歩したため、標準で5W出るものが当たり前になりましたが、たとえ32年前のニッカド電池内臓のハンディ機といえども修理調整さえすれば十分役に立つわけで、いくらデジタル時代に突入したとしても新しいハンディ機は買う気にさえなれず、ただひたすらジャンク品の修理調整とたまにチャンスがあったら交信、しか興味が湧きそうにありません(笑)

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November 03, 2021

いつの間にやら無線局開局20周年経過

 まったく意識しなかったのですが、うちの無線局がコールサインをもらって今年で20年経っていました。というのも7月の末にスプリアス確認保証が唯一通らないIC-290を撤去して移動局の更新免許を申請し、変更申請受理の局免と更新申請受理の局免が届いたのが8月の初めで、局免の期限がいつだったのかも意識しないまま時間が過ぎてしまいましたが、いちおう10月の16日にあらたな5年の移動局免許が発行したため10月16日が20周年記念日だったようです。そんなこと、まったく知りませんでした(笑)
 というのもどうも2011年の東日本大震災のときに果たして悠長に無線なんかで遊んでいていいのだろうかという意識に苛まれてからアクティビティーがバリ下がりして、一年のうちでワッチを欠かさないのは6月から7月にかけての6mだけというのが何年も続きました。そしてお正月のニューイヤーパーティー後、夏場の交信が1件もなく、次の年のニューイヤーパーティーに突入という年も珍しくもない状態。たまに交信をすると15年ぶりとか10年ぶり2度めなんという交信が頻繁に。そんなアクティビティーですから古い真空管時代の無線機は使わないとリレーの接点が劣化したりして、何かと調子が悪くなってしまいます。本来は頻繁に使い続けて状態を常に把握して置かなければならないのですが。
 その開局当時に局免申請のために新品で購入したのが当時の最新機種にして広域帯受信機能を有したKENWOODのデュアルバンドハンディ機TH-F7です。なにせ4アマ講習会で取得した4アマでの開局でしたから当時の局免は144と430のF3のみ。とりあえずはコールサインもらうための局免だけだったような感じですが。一年半後に1アマを取得するまで交信は一切しないと自分に縛りを課していたため、初交信は1アマ取得後です。4アマ取得後1年かけてモールス受信をマスターし3アマ取得でHF機を導入。その後すぐに2アマを取得し14MHzを追加。その後も1アマ取得までひたすらワッチに徹し、初更新は1アマ取得後の局免取得から実に1年半ののち。周波数は上級アマしか割り当てられていないHFの14Mhz。相手は福岡の記念局でした。その後固定局免許を取得し、100W運用を始めたのは初交信から2ヶ月の後です。なにせ貧乏無線局でしたからオークションで相場が安い20年落ちの無線機をかき集めてQRVのバンドを増やしていった雑多な無線機群は今だに変わりません(笑)ただ、いいところもあって、オールバンドの無線機よりもモノバンドの無線機が専用アンテナにつながっている方が断然使いやすいのです。
 それで最近は主流になりつつあるデジタルモードですが、前回の免許更新直前にTS-690とパソコン装置によるデジタルモードをJARD経由で保証認定出して変更申請したものの、いまだにデジタルモードには馴染めずに交信回数はゼロ。またデジタルモードも年々そのエンコード技術が進歩していちいちそのたびに保証をJARD経由で申請しなくとも一度装置とモードが総通で受理されていればオンラインでモード追加の変更申請が可能になりましたが、それらの日々の進歩にまったくついていけないアナログ頭です。やはりいまだにアナログ電話か電信で交信したい保守派なのかもしれません(笑)

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June 25, 2020

アマチュア局の終活・タワー撤去工事

  Dvc00484 Dvc00483  アマチュア無線の人口構成も年々高齢化が進み、就活ではなく終活に突入するOMさんも多くなり、局免の期限が来たら廃局するなどという話をよく聞きます。その時に一番の問題になるのがタワーの撤去。昔だったら「バラしてくれるんだったらただであげるよ」なんて声をかけると喜んで仲間を呼んで撤去して持って行ってくれたものですが、最近は分解済みのタワーでさえくれるといっても貰い手がない時代になりました。終活中にきれいにタワーまで始末してくれればいいものですが、問題はタワーを残して本人が亡くなってしまったケース。生前にタワーの始末をどうやってつけるか、誰に頼めばいいかの指示を家族に告げておけばまだいいのですが、それもないまま無線にまったく興味もない家族が困り果てるというケースも多いのです。
 そこで最近はアマチュア無線のタワー撤去を本業にして全国各地を回っているご夫婦もいますし、送電線などの鉄塔の建塔・解体を本業とする業者がアマチュア無線タワー撤去の業務を行うチームを持っているところもあり、全国的にもアマチュア無線タワーの撤去問題は無線人口の高齢化とともに深刻さを増してきているようです。なお、建物解体を本業とする業者や電気工事業を専門とする業者に頼んでもアマチュア無線のタワーはクレーンなどが入り込めない場所などに立っているケースが多く、腐食の度合による危険度もわからないので撤去工事は断られるケースが多いそうです。
 今回は生前からすべての無線関係の始末を頼まれていたJA8EHPのタワーの撤去で、廃局は当方が書類を作成し遺族に提出してもらい廃局は済んだものの、本来は「遅滞なく空中線撤去」しなければいけないものの、新型コロナウィルスによる社会活動自粛の影響でチーム作業することが出来ず、タワーの撤去が6/14にずれ込んだもの。
 撤去はJA8YKS解体チーム3人と当方の4人。この中でもう半数が70歳越えですから当然タワーに登るのはUGI局と当方の2名。まずUGI局がGPとダイポールアンテナ外しに上に上がり、U字ボルトからダイポールのマウントが外れないトラブルなどもあり、最初のアンテナ外しに1時間くらいかかりました。 そののち2名でタワーに上がり、アンテナマストとローテーターを外して滑車とロープで下に下ろし、そののちは1セクション40分ほど掛けてボルト撤去ののち滑車で下ろすを繰り返し、昼休みを挟んで4時過ぎまでに土台部分のセクションをサンダーで切り落として撤去完了。 当日は6月の当地にしては珍しく最高気温が25度超えの夏日で夏の日差しが照り付け、おまけに昼前から少々風が強くなりあまつさえ3時過ぎにはにわか雨まで降るという天候。暑さでボーとして安全帯の胴綱の掛け方を間違えないように注意。安全帯は縦の補助吊り併用で胴綱を掛け換えるときに無吊りにならないように柱上安全帯にあらかじめ追加しておきました。誰だってタワーから落ちて死にたくはないものです。
 それでアマチュアのタワーからの落下事故というのはたまに起きることで、タワーに登る限りは柱上安全帯は必須です。最近は普及率は高いと思います。それでも縦の補助吊り併用というのは必ずしておきたいことで、上まで登ってから無吊りの状態で胴綱をタワーに回すというケースがいまだに多いのではないでしょうか?
 このJA8EHP局タワー撤去工事の5日後、札幌北区で自局のタワー撤去中だったのかタワーの下でさるOMさんが柱上安全帯締めたまま意識不明で発見され、病院に搬送されたというNHKのローカルニュースがありました。タワーから落下したのか落下物に当たったのか不明とのことですが、おそらくは補助吊りはしていなかったのでしょう。
年齢も79歳ということでしたが、やはり無線の終活中の事故だったのでしょうが終活中にタワーの最上段のワンセクションだけ下ろして本人も落ちたのだったらしゃれにもなりません。死にたくなかったらどこかのタワー撤去チームに撤去依頼したほうが賢明だったでしょう。


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April 06, 2019

JARDスプリアス確認保証シール

Dvc00643  古い無線機でしか運用してない我が貧乏無線局では平成34年11月30日以降実施される新スプリアスに対応しない無線設備の暫定使用期限終了問題はかなり深刻な問題で、一時は無線設備の入換を検討するくらいでした。しかしこれはどのアマチュア局でも同様な問題だったようで、結局はJARDがかなりの台数をサンプリング調査し、その結果を以て総務省とスプリアス認定保証制度設定の交渉を行った結果、現在総合通信局に許可を得て運用中の無線設備に関してはJARDのスプリアス確認保証機種に限ってJARDから保証認定を受けることにより平成34年11月30日を超えても再免許が取得可能という制度が出来上がってまもなく3年近く経ちます。
 当初我が家の無線設備は固定局がアナログの真空管無線機しかなく、このままでは固定局廃局もやむなしという事態だったのですが、JARDのスプリアス確認保証制度の対象機種が発表されてからちょうど一年後に固定局開局時から使用してきたFT-101ZDが対象機種になったことがきっかけで固定局も延命可能になりました。
 その後スプリアス確認保証機種入りしたTS-830SとTS-520Sおよび手持ちだったものの追加申請を出していなかったFT-101EをTSS経由で追加変更申請していました。
 そして昨年2月に固定局分としてFT-101ZD,TS-830S,TS-520Sのスプリアス認定保証を申請。その後6月30日で期限を迎える固定局の再免許申請をネット経由で申請したところ、FT-101Eまでなんら特記事項が付かずに再免許が降りてしまいました。どうもTSS経由で申請するとスプリアスが規定値に収まっていることを前提に保証認定されるため、スプリアス確認保証を受けずとも再免許されるというのは本当だったようで、そうなると固定局もTSS経由で追加したTS-830SとTS-520S分のスプリアス確認保証料は無駄な出費だったということになります。
 とりあえず固定局は昨年中に平成34年問題はクリアしたのですが、問題は移動局です。移動局はジャンクのハンディー機などを修理調整したものなども含めて全部で第17無線機までの大所帯。そのうち第9から第17無線機までは再免許を見越して平成28年の8月12日にJARDで保証認定をうけて追加申請および再免許を受けたものなのですが、どうやらスプリアス確認保証制度発効後の平成28年9月だったか10月以降にJARDで保証認定を受けて追加した無線機であればスプリアス確認保証の申請は不要だったというお話です。何せ免許の期限が迫っていたためにやむを得ない処置でしたが、そのためすべての無線機のスプリアス確認保証を受けなければ次回の再免許取得時に「これらの無線機は令和4年11月30日を超えて使用できません」との特記事項が付いてしまいます。
 免許の期限までまと2年半あるのですが、JARDのスプリアス認定保証制度のJARL会員割引がそろそろ終了するとの噂を聞きつけて2台分とはいえ台数が多いとその割引もバカにならないので固定局から1年経ってようやく移動局16台分の保証料(基本保証料込でJARL会員割引2台)15500円を送金して申請書とJARL会員書コピーを添えて送金すると2週間半ほどでスプリアス確認保証の通知書が届きました。
 なぜに16台かというと第3無線機のIC-290が数少ない認定機種落ちだったからです。昨年と異なるのはJARDのスプリアス確認保証設備を証明する金色のシールが発行されるようになったことで、このシールは貼るのも貼らないのも任意で法的な拘束力のあった総務省の旧無線局免許証票とは異なります。ただし、シールの他人への譲渡などは禁止され、さらに無線機を廃棄したり他人に譲り渡すときは剥がさないといけないそうです。
 いちおう「私をスキーに連れてって」で一世風靡したicomのIC-μ2に貼ってみました。こんな古いハンディー機でも使う使わないに係わらずちゃんと追加機種1000円払ってスプリアス確認保証を受ければずっと再免許を受けることが出来ますが、怠ればやがて単なるゴミと化してしまいます。
 でもまあ、JARDシールと無線局免許証票が並んで貼られると「正しく免許取得して運用してますよ」感が強くなり、いかにもお上に使わせていただいている無線設備(当たり前ですが)という風情が(笑)

 ちなみに最近知ったのですが昨年にさらにスプリアス確認保証認定機種が追加になったようで、6mモノバンドリグの名機FT-625やTS-660も確認保証認定機種入りしたようです。6m専門にやっている人ならこれら2機種はアナログ機とはいえ外しがたいものがあったのか、いろいろと確認保証機種入りさせる努力が一部の6mマンたちの中からあったのかなあという感じがしました。まあ、うちの貧乏無線局ではあとからIC-551が確認保証リスト入りしただけで万々歳だったのですが。

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