6mシーズン幕開けは突発的地震Eスポ?
昨年の50MHz帯の国内伝搬は全般的にあまり良くなかった印象がありました。というのも当方が平日運用できない午前中には開ける日があったものの、当方が伝播状況をワッチし始める夕方からは爆発的に開ける状況に遭遇することが出来ず、なんと昨年の6m交信数は「ゼロ」局。こんな体たらくな運用状況だったので、ますます運用アクティビティーが下がってしまう状況でした。さらにうちのお猫様(メインクーンオス8歳11kg)が図体こそずば抜けて大きいものの「ノミの心臓」といわれるほどの臆病者で、大の変調音嫌い。無線機から聞き慣れない妙な声がするのをとても怖がり、無線機の電源を入れてワッチを始めると「ヒャアヒャア」という声を出して「やめろやめろ」と抗議を続けるのです。どこかの部屋へ避難でもすればいいものの、飼い主のそばに引っ付いていたばかりに自分よがりに無線をやめさせようとする猫の妨害のためにこいつが家に来たときを境に運用アクティビティーがバリ下がりになったような(笑)
それで5月5日のこどもの日の祝日。午前中からHFハイバンドの伝播状況をチェックするものの、相変わらず伝播状況はPoorで21MHz国内は辛うじて6エリアと中国あたりがちらほら聞こえている程度。まして6mは宮崎ビーコンさえ聞こえず、今年もまたハイバンドはシーズン中、低空飛行かと諦めてしまっていた午後。流し見していたTVで石川県能登地方でまたもや大地震が起きたことを知ります。まもなく再度緊急地震速報の警報音が流れたため、この警報音が大の苦手の大猫は固まってしまいました。久々のマグニチュード6超えの大地震で被害や余震が心配のため、ずっと被害の状況を確かめるためにTVに釘付けになっていたのですが、よもやこの地震で思いがけない伝播状況になっているとはつゆ知らず。人的被害は、はしごから転落して亡くなった方が出たほかはあの大地震にしてけが人しか出なかったのはさすがに日頃から地震に備えのあった能登地方だと思いつつ刻々と克明になる地震被害と余震の続報を見ていて、よもやと思って6mの無線機のスイッチを入れたのがもう17:30過ぎ。そのよもやというのが地震由来の突発性地震Eスポの発生なのです。この地震を原因としたであろうEスポ発生の異常伝搬というのは何度も経験があります。甚だしいときには2006年2月の厳寒期に発生した地震由来のEスポにより6mの異常伝搬が起きて1エリア2エリア局と交信出来たことがありました。この地震による異常伝搬というのはまだ科学的にメカニズムが解明されたわけではありませんが、地震によって震源域地下で岩石崩壊や断層の摩擦に伴い電気エネルギーが発生して電子の一部が空中に放出され、突発的にスポラジックE層を発生させるなどとも言われています。まあ発生メカニズムは専門研究者に任せるとして、アマチュア的には異常伝搬が出現してどれだけの広範囲に交信できるかと興味に尽きるわけですが、まず確かめた宮崎ビーコンは今年始めて確認でき、すでに6m帯のメインバンドは蜂の巣を突いたように賑やな状況でした。もう混信しない場所を探すのが困難で、バンドエッジの方に押しやられ50.268近辺でCQを出し始めると1エリアをメインに5エリア4エリア3エリアとまんべんなくコールバックがありました。そして40分あまりの間に19局と交信成立。久々の6mの開きっぷりに驚くと同時に「今年はいけるかもしんない」なんで思ったのですが、これは地震起因の突発的異常伝搬であってこのコンディションは今後の6mの伝搬を占うものではないでしょう。交信した局が口々に言うのは「今年始めて開けた」「今年はじめての6m交信」などと言っていましたが、地震による異常伝搬を指摘される方はいませんでしたね。そんなときの猫の様子でしたが、最初こそやめろやめろとギャーギャー騒いていたものの、千載一遇のチャンスを猫に邪魔されてはと無視し続けたら諦めてピギャー音が聞こえない階下に避難していきました(笑)
それで今朝、宮崎ビーコンの周波数を合わせるもぜんぜん聞こえない…。本格的な6m伝搬シーズンは沖縄が梅雨入りして大陸から前線を伴った低気圧が移動してくる状況の「キングソロモンの法則」の季節にならないとダメかな?
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