Greco BW-600 ブローラ
俳優の山崎大輔がさんま御殿に出てきて「妻はジューシーフルーツのイリア」っておそらく五回は叫んでいたので、急に思い出したようにGrecoのBW-600 ブローラを出してきてしまいました。ジューシー時代のイリアさんと同じブロンドカラーのブローラです。ただし当方のブローラはメイプル指板で、イリアさんのブローラはローズウッド指板でしたが。このBW-600はフルオリジナルのワンオーナーもので、当方が千歳烏山時代に三鷹楽器烏山店から新品で買ったものなので、当然のことながら部品などは一切変えられていません。しかし、購入したのは昭和58年の12月で、製造から5年を経ていましたので、おそらく神田商会の倉庫あたりからデッドストックを穿り出してきたのでしょう。当時三鷹楽器の烏山店にはこういう怪しげな掘り出し物がけっこうありました。しかもプレミアが着くようなご時勢ではなく、円高ドル安で輸出産業も不況にあえいでいた頃だったのか、28000円という放出価格で入手しました。また当時グレコのオリジナルシリーズというのは、まだまだ価値を見出す人間も少なく、そろそろ富士弦母体のフェンダージャパンが台頭しはじめる頃でした。とはいえ、ボーナスも出ないような不況の時期に遭遇し、現金28000円というのは清水の舞台から飛び降りるような覚悟が必要だったのは言うまでもありません。
このブローラを最初に構えたときの印象は、ネックが短いなぁというものでした。実際にはレスポールあたりのミディアムスケール相当だと思いますが、ストラトのネックに長い間慣れ親しんでいたたため、扁平な指板と共に弾きにくいと感じてました。そういえば以前、トーカイの処分セールを見に行ったヤマハ渋谷店の店員に「ストラトばっかり弾いていたら他のギターが弾けなくなる(笑)」と嘲笑されたことがありましたが、ストラトのスケールとネック形状に慣れ親しんだ感覚で一時ムスタングに宗旨替えしたときは「ショートスケールのフェンダーはなんて弾きやすいんだろう」と感激したものでした。
閑話休題、このGreco BW-600 ブローラは20年ほど前から急に欲しがる人間が増えたようで、さらにギターグラフィックの第5号のグレコ特集が火をつけた形になり、今でも探している人の多いギターではないでしょうか。かの野村のよっちゃんがブローラを欲しがっていたので、結婚祝いに野村輪業経由であげようかと思っていたのだけど、けっきょく今でも手元にあります。一説によると100本しか作らなかったという話ですが、本当にそんなに少ない製造数だったのでしょうか?製造は昭和53年の10,11,12月の3ヶ月に集中していてそれ以後の製造ものは見当たりません。当方の製造番号もL78です。フロイトローズ全盛期に入手したブローラのTSビブラートは「なんじゃこれ」と思いましたが、確かフォルクスワーゲンのサスペンションシステムを見て思いついたって話だったかなぁ。ボディはシカモアのトップにアッシュを組み合わせた構造で薄く木目が見えています。ネックはメイプルらしく構造をローズウッド指板と共通にするため、貼りメイプル指板になっているようで、ストラトのようにネック裏からトラスロッドを入れるような構造ではないため、貼りメイプル指板であることは確かでしょう。メイプル指板仕様のインレイは確かメキシコあわびだったような。ハイポジションも弾きやすい24フレット仕様なのですが、ネックの形状が自分の好みではなかったため、またヘッドの傾斜によるストリングスのテンションがきつく、ヘビーボトムのアーニーボールを常用する当方のメインのギターになったことはありませんでした。一度、このギターを背負ってオートバイに乗っていたときに右折の車が飛び込んできて衝突、転倒しましたがギターは無事でした。しかし我がカワサキの2ストローク3気筒KH-400は哀れインナーチューブと三叉をひん曲げて修理工場行きに。このとき以来キカイダーじゃありませんがギターを背負ってオートバイに乗ることだけはやめておきました。いろいろと思い出深いブローラですから売れといわれても売りませんぞ。
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